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【The Shirt Style By Brooks Brothers】ブルックス ブラザーズとシャツとわたし。Vol.12 池田尚輝 スタイリスト

Supima Cotton Oxford Polo Button Down Dress Shirt Regent Fit ¥19,000+TAX(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

時代と共に様々な変遷を遂げるファッションのトレンド。その時々で大小多様な流行の流れはあれど、メンズファッションにおいては決して消え去らないベーシックな要素というもがあります。その中のひとつが、〈ブルックス ブラザーズ〉というブランドが体現している、アメリカントラディショナル・スタイルであるということに異論を唱える人はいないのではないでしょうか。

「アメリカントラディショナルの要素を、スタイリングのアクセントに使うのがちょうど最近の気分だったんです。10年ちょっと前に〈トム ブラウン〉が登場した頃のようなスタイルではなくて、トラッドでもちょっとオーバーサイズを選んだりとか、逆にスパイス的にトラッドを取り入れるという面白さですね。新鮮な揺り戻しとでもいいましょうか」

Suit ¥190,000+TAX(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

ファッション誌を中心に幅広い分野で活躍する人気スタイリストの池田尚輝さんは、現在のアメトラを巡る状況をこのように語ってくれました。スーツを用いたスタイリングからカジュアルまで、守備範囲の広いスタイリストとして定評がありますが、どのようなスタイルにおいても共通する、クリーンでいながらどこかに一癖を感じさせてくれるスタイリングの手腕は、この日のコーディネイトにもしっかりと現れています。

「いまの〈ブルックス ブラザーズ〉からは、伝統と革新じゃないですけど、新しいものを受け入れながら大事なものを守っているというスタンスを感じるんですね。それを意識した訳では無いですが、今日のコーディネイトはアメリカ製のサウスウィックで仕立てたスーツに、サイズ感を大きめにしたボタンダウンシャツを合わせました。日常のカジュアルとして着るんだったら、いまだったらゆったりめのシャツがちょうど良いと思うので」

洗いざらいのボタンダウンシャツの第1ボタンを外し、インナーのTシャツをチラ見せしたカジュアルなVゾーン。構築的なレイヤードが光る。

ある一つの物事を異なる視点、解釈で捉え直すことによって生まれる面白みこそ、池田さんのスタイリングの魅力です。そしてそれは、池田さんの趣味のひとつだという建築鑑賞というものが大きく影響を及ぼしているのかもしれません。

風に吹かれて、はらりとめくれたサイドベンツからタックアウトしたシャツが覗く。池田さんが考える、カジュアルなスーチングスタイル。

「元々は器が好きで、その器が置かれるのに相応しい状況ってどういう風に捉えられているのかなっていうのを見出していったら、それが単純に建築だったんですよね。それで、海外のモダニズムとかを、出張や旅行の度に見たりしていて。そしたら、東京にもいっぱい良いものがあるし、古典的な日本建築自体がモダニズムに影響を与えているという事が分かってきたんです。日本庭園ひとつとっても、自分の20年前の捉え方と、いまの自分のなかでの捉え方では違うんです。目線一つで全然新鮮になるし、勉強をして行くことで発見がある。その時代をどう見るか、隣に何を置くかっていうのはスタイリングにも共通する事で、本当のアメリカントラディショナルである〈ブルックス ブラザーズ〉をどう捉えるか、そこが面白いところだと思います」

PROFILE

池田尚輝
スタイリスト

1977年生まれ、長野県出身。雑誌や広告をはじめ幅広いフィールドで活躍する人気スタイリストで、『フイナム』や『フイナム アンプラグド』でもおなじみ。理論と感性を使い分けたストイックなスタイリングに定評がある。

Photo_Shin Hamada
Text_Maruro Yamashita
Edit_Yosuke Ishii

INFORMATION

ブルックス ブラザーズ ジャパン

www.brooksbrothers.co.jp

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