見た目はシンプル、だけど無味無臭のノームコアとは対極にあるような服をつくる〈ルメール（LEMAIRE）〉。このブランドにはデザインや素材へのこだわりという安易な説明だけでは片付けられない奥深さがあります。それはつくり手の温もりであり、安心して身体を預けられるようなデザイン。ファッションの酸いも甘いも知るデザイナー、クリストフ・ルメールとサラ リン・トランが辿り着いたクリエーションです。こちらの記事を読むとそのことを感じてもらえると思います。
そんな〈ルメール〉の世界観が堪能できる期間限定ストアが東京・表参道に誕生しました。
場所は表参道の交差点から「根津美術館」に繋がる通り沿い、数々のラグジュアリーブランドが軒を連ねる一等地です。いま密かに注目を集めるプロジェクト「SKWAT」とのコラボレーションによって生まれました。
「SKWAT」とは、都心の空き物件を合法的かつ創造的な手段で一時的に占拠し、クリエイティブな空間に変えてしまうというもの。人々が集まり、その場所の価値を高め、画一的な都市空間に新しいエネルギーを持ち込む活動です。設計・デザイン事務所「ダイケイ・ミルズ」の中村圭佑さんとアートブックのディストリビューター「トゥエルブブックス」の濱中敦史さんが中心になって動いています。
以前から東京で出店を考えていた〈ルメール〉は「SKWAT」の活動を知り、その内容に賛同し話が進んだといいます。
空き物件のキャラクターを最大限に生かす「SKWAT」のやり方のもと、店内には大阪にあった築100年の古民家の廃材が使われています。接着剤や釘を使わない伝統技法「木組み」でつくられた什器は存在感たっぷり。コンクリートが剥き出しの床や配管が露出した天井と上手く融合しています。
現在、ストアには秋冬コレクションの服がずらっと並んでいます。期間は来年春までの予定ですが、日本で〈ルメール〉をフルコレクションで見れる場所は他にありません。
なお、ショップが入る建物の二階には「トゥエルブブックス」があり、地下にはこの10月新スペースが誕生する予定。建物自体がファッション好きやアート好きには堪らない新スポットになりそうです。
