英国ファッションの発展に寄与するポール・スミス。今回、才能豊かなヤングクリエイターを起用するニュープロジェクト「&ポール・スミス」を始動しました。
「&ポール・スミス」について説明すると、これはファッションやデザイン、料理など、次世代を担うであろうひとに声を掛け、一緒にものづくりする機会を与えるというもの。ただのコラボレーションではなく、一対一の指導や助言に加え、助成金も支給する未来を見据えた取り組みです。〈ポール・スミス〉の設立50周年に合わせてつくられた「ポール・スミス財団」の支援を受けて行われます。
記念すべき初回に選ばれたのは、ファッションデザイナーのプリア・アルワリア。彼女は〈アルワリア(Ahluwalia)〉というブランドを手掛け、自身のバックグラウンドにあるインドとナイジェリアの異なる国の感性と、出身地であるロンドンの要素を融合したクリエーションで将来を嘱望されています。
ポール・スミスは「共通の友人を通じてプリアを紹介されましたが、私たちのデザインに対する考え方が同じであることは、初めて会ったときから一目瞭然でした」と語り、彼女のクリーエションに対する姿勢を見て「駆け出しのころの自分を思い出しました」と回想します。
「服は喜びの源であるべき」という共通の信念を持つ二人によってつくられたのは、12点からなるカプセルコレクション「アルワリア &ポール・スミス」。ポールが持つサイクリングジャージーのコレクションをはじめ、ジャマイカンミュージックのレコードジャケットやノスタルジックな絵画など、さまざまなものからデザインのヒントを得たといいます。
そして服づくりにおいて、切り離せないのが環境への配慮。このコレクションでは、これまで〈ポール・スミス〉で使われた生地の余り、オーガニックコットンの残布や糸、生分解性の「レンチング™エコヴェロ™」のビスコース生地などが積極的に採用されました。コラボレーションの証となる、両ブランドのロゴを掛け合わせた織りネームも見どころのひとつです。
このプロジェクトでの経験はプリアにとっても特別なものになったようです。「ポールは私をオフィスに招き、どのように仕事をするのか教えてくれました。そして私は、彼と彼の宝物にあふれたオフィスに圧倒されたのです。コラボレーションの話はごく自然にはじまり、ポールと彼のチームと一緒に仕事できたことをとても嬉しく思っています」
「アルワリア &ポール・スミス」は〈ポール・スミス〉のオンラインストアをはじめ、銀座店、丸の内店、渋谷店、渋谷パルコ店、仙台店、大阪店、京都三条店、福岡店で発売中。
こういった人材育成が未来のファッション界をよりよいものにする、ひとつのきかっけになることは間違いありません。