昨年春に始動したヤングクリエイター育成プロジェクト「&Paul Smith(&ポール・スミス)」。
これは才能豊かな若者を起用し、ポール・スミスと一緒にものづくりする機会を与える内容で、ただのコラボではなく、ポール本人による指導や助言に加えて、助成金も支給される未来に向けた取り組みです。
第二弾となる今回、ポールのパートナーに選ばれたのは、ニューヨークのブランド〈コミッション(Commission)〉。
〈コミッション〉はベトナム出身のディラン・カオと韓国出身のジン・ケイが2018年にスタート。現代のファッション的感覚に、東アジアのノスタルジックな雰囲気がプラスされた服をつくり、いま頭角を現しつつあります。このブランドの選出にあたり、協力したのは「CFDA(アメリカ・ファッション・デザイナー協議会)」です。
ポールは〈コミッション〉の選出について「新しいアイディアに触れることは、私が『&ポール・スミス』をはじめた理由のひとつで、〈コミッション〉にはそうしたアイディアがあふれています。私は自分のアーカイブにも大きな誇りを持っていますが、ディランとジンが過去のコレクションに触発され、独自のユニークなひねりを加えてくれたことを非常に嬉しく思います」と話します。
〈コミッション〉の二人がコレクションをつくるにあたり、参考にしたのは二つ。
ひとつはポールと彼の父であるハロルド・スミスが撮影した写真集『Father & Son』。その背景にはもともとディランとジンも家族写真に映る両親のワードローブからクリエーションのヒントを得ることがあり、この一冊が今回の出発点になったといいます。
そしてもうひとつが、ノッティンガムにある〈ポール・スミス〉のアーカイブたち。なかでも1997-98年シーズンと2002-03年シーズンのメインコレクションが二人の目に留まったといいます。
「90年代後半の〈ポール・スミス〉のアーカイブには、私たちの心に響く豊かさがあり、プレッピー、センシュアル、ポスト・パンクをマッシュアップしたような、それでいてとても機能的でロマンティックなマスキュリンさがあると思います」と語るのはディランとジン。
そうして彼らとポールの感性が融合し、生まれたのはこだわりの22ピースです。
ウール・カシミヤのオーバーコートやウールのスーツ、レザーのフィールドジャケットなど、世代を問わず愛用できそうな服たちに加えて、プリントTシャツやトラックパンツ、ロウデニムといったストリートのエッセンスが感じられるものも用意されています。
「コミッション &ポール・スミス」と名付けられたこのカプセルコレクションは、〈ポール・スミス〉のオンラインストアをはじめ、銀座店、丸の内店、渋谷店、大阪店で発売中。
未来を担うデザイナーたちとポール・スミスの共演にぜひご注目を。