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ベルリン、東京、札幌の三都市で見つけた2つの視点。写真家・相澤有紀と編集者・冨手公嘉の展示が、名古屋のC7Cに巡回します。

ひとつの場所に居続けると、その居心地のよさに甘えてしまうものです。コロナ禍に、その誘惑にも負けず、新たな経験を得ることを選んだひとがいます。

それは東京在住の写真家・相澤有紀さんとベルリン在住のエディター・ライターの冨手公嘉さんのふたり。北海道の「ie」、東京の「Great books」を経て、展示「“Reminiscence/回想記録”VACANCE/VACANCY」が、名古屋の「C7C gallery and shop」で10月21日(金)から始まります。

ことの始まりは2021年8月。相澤さんが2週間ほど、冨手さんの暮らすベルリンを訪れたことでした。行動をともにしたふたりは、撮影した写真をまとめ、再会の様子や感情を綴ったエッセイをタブロイド紙『VACANCE/ VACANCY #01 Berlin』として、同年の「TOKYO ART BOOK FAIR」でリリースし、完売します。

さらに同年末から翌年1月末までの札幌滞在中に制作した続編『VACANCE/ VACANCY #02 Tokyo/Sapporo』が発売され、いまにいたるというわけです。名古屋の会場では、コロナ禍が収束に向かいつつある、現在の視点で再び作品を振り返るメモや、写真で展示が構成されるとのことです。

会期中には『VACANCE/VACANCY #02 Tokyo Sapporo』(¥2,750)、トートバッグ(¥2,800)、パーカ(¥8,000)、スエット(¥7,500)を発売するほか、22日にはトークイベントも開催が予定されています。タブロイド紙にかける思いは以下でチェックを。


VACANCE/VACANCY #01 Berlin
2021年、コロナ禍とオリンピックの余波に喘ぐ夏の東京から16日のエスケープをしにベルリンへやってきた写真家・相澤有紀。1年以上ドイツ・ベルリンに生活することで、街に対する新鮮な感覚を失っていた編集者・冨手公嘉。長きにわたるロックダウンや緊急事態宣言でそう簡単には往来できなかった東京とベルリン。1年以上振りの再会後、お互いの視点を借りながら、街を、感情を、回遊する。まるで何事もなかったかのように夏を満喫するベルリンの人々とそれに圧倒される相澤。相澤に触発され新鮮な眼差しを取り戻した冨手。相澤に借りた写真で彼の背中を追い、エッセイ「駆け上がる空白の季節/ A Vacant Season To Run Away」をバイリンガルでまとめた。心の動きを見つめ直すように、ベルリンの街を旅行者・生活者2つの視点で、都市研究家・田中堅大が彼らの思考の断片や感情の揺らぎをタブロイドの紙面にデザインした。ベルリンの書店のみならず、日本でも展開するもすでにソールドアウト。タイトルの「VACANCE(休暇)」と「VACANCY(空っぽ/空虚)」は 語源が同じ言葉から派生した言葉であり、コロナパンデミック時代の表裏一体なムードに対する皮肉を前向きな言葉で転換し解釈したものである。」現在ベルリンの書店「Do You Read Me?!」と「Motto books」で展開中。


VACANCE/VACANCY #02 Tokyo/Sapporo
2021年、10月。ベルリンから東京へと一時帰国を果たした冨手の3ヶ月に渡る東京滞在での思いを綴った日記や写真と東京を拠点に活動する相澤がベルリンからの帰国後に撮影した東京の写真。そしてコロナオミクロン株が蔓延する直前の12月のクリスマス前から1月にかけて丸々1ヶ月に渡る札幌での滞在制作を行った。その期間に撮影し、綴った文章をまとめた1冊。ベルリン編では、生活者である冨手に相澤の旅行者としての新鮮な眼差しが織り重なって完成した。東京編では「生活者」と「滞在者」の視点は交差し、札幌編でははじめて二人とも「旅行者」として札幌を拠点に、北海道という広大な土地がもたらす文化の奥域を限られた時間の中で味わいつくした。「非日常/日常」の往来で揺れ動く心の折々を映し出すインナージャーニーが都市と音楽を中心とする文化を研究する田中堅大の視点でデザインされた一冊。

INFORMATION

“Reminiscence/回想記録” VACANCE/VACANCY

会期:10月21日(金)〜11月6日(日)
場所:C7C gallery and shop
住所:愛知県名古屋市千種区千種2-13-21 2F
時間:13:00〜18:00 (イベント日のみ延長)
入場料:無料
定休日:毎週火、木曜

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