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ゴルフウェアにストリートの自由度を。アメリカで人気を博すイーストサイド ゴルフが日本初上陸。

世界中すべての人が分け隔てなく、自信をもってゴルフを楽しむことがコンセプトのブランド〈イーストサイド ゴルフ(Eastside Golf)〉が日本に初上陸! 日本ではまだまだ浸透していないストリート感のあるゴルフスタイルや”FUN GOLF”の精神を普及すべく、去る12月7日に、同ブランドの取扱店のひとつである「SHIBUYA LADs」にて、ローンチパーティが行われました。

今回、パーティのために来日した〈イーストサイド ゴルフ〉のCEO兼クリエイティブディレクターのプロゴルファー、オラジュワンと、PGAオブアメリカのトップランク インストラクターであるアールにインタビューを敢行。〈アドレス(Adress)〉というゴルフブランドをプロデュースしつつ、日本でも”FUN GOLF”を普及しようとするプロスケーターの奥野健也氏を交え、日本とアメリカでのゴルフの違いや、楽しみ方、スタイルについて、意見を交換してもらいました。

PROFILE

オラジュワン・アヤナク(Olajuwon Ajanaku)

〈イーストサイド ゴルフ〉の設立者であり、ウェアのクリエイティブディレクター。イースト アトランタでゴルフをして育った。これは彼らのブランド名である〈イーストサイド ゴルフ〉に影響を与えている。2010年にはPGAナショナル マイノリティチャンピオンシップで優勝。現在は、ブランドの運営をしつつ、クラブハウスとナイトクラブを楽しみながらも、フルタイムのゴルファーになることを目指している。

PROFILE

アール・A・クーパー(Earl A. Cooper)

〈イーストサイド ゴルフ〉の共同設立者であり、オラジュワンをサポートする業務をこなす。またPGAプロフェッショナルであり、そのスキルはゴルフ界の若手のリーダーに選ばれるほど。デトロイト ゴルフ クラブとウィルミントン カントリークラブで初のアフリカ系アメリカ人ゴルフプロであり、現在、ゴルフダイジェストによって「アメリカで最高のレッスンプロの一人」にランクされている。

PROFILE

奥野健也

プロスケーターであり、自身のゴルフブランド〈アドレス(Adress)〉のデザインを手掛ける。慶應義塾大学大学院でMBA取得後に家業であった実家の寺に入り、現在は副住職としての顔を持つ。3足のわらじを履きながらもクリエイティブな活動に余念がない。
Instagram:@adress_co
Instagram:@kenyask8

プロゴルファーを目指す自分をスポンサードするため
のブランド。

ー〈イーストサイド ゴルフ〉の日本でのローンチ、おめでとうございます! 今回は、どういったブランドで、どんなことを目指しているのかなどをお伺いできればと思います。

オラジュワン:ありがとう! 日本のみんなが気に入ってくれるといいね。

奥野:まずは〈イーストサイド ゴルフ〉がどんなきっかけでスタートしたのか、教えてほしいです。

オラジュワン:自分は6歳からゴルフを始めて、13歳の頃にはシカゴでタイガー・ウッズのゴルフスクールなども受けたりして、そこから全米をまわり。そして、奨学金で大学に入ったときに、ブランドの共同設立者となるアールに出会ったんだ。そこで二人で本格的にゴルフに打ち込み、奨学金が出ている中でもナショナルチャンピオンシップに出場したりと経験を積んでいくんだ。

アール:大学を卒業してから、オラジュワンはプロゴルファーの道へ進み、自分はコーチやインストラクターの道を目指したんだ。

オラジュワン:でも、プロゴルファーの道は一筋縄じゃ行かなくて……。食べていくためのお金を稼ぐために、サラリーマンを9年間もやったんだよ。ただ、ある時、自分がスーツを着ている姿を見て、“これは自分の本当の姿じゃない”と思うようになったんだ。そこで、また、プロゴルファーの道を目指すようになったんだ。

奥野:なるほど。やはり簡単にはいかなかったんですね。

オラジュワン:再度、プロゴルファーを目指すことになったとき、自分のロゴをつくろうと思ったんだ。それが、今のブランドのロゴにもなっているんだけど。

アール:このロゴのモチーフはオラジュワンなんだよ。僕はこのロゴがすごく気に入ってね。

オラジュワン:そこからこのロゴを使って、服をつくりまくった。初回なのに3000枚もつくったんだよ(笑)

アール:クレイジーだよね(笑)。オラジュワンは来年の3月にプロゴルファーに戻るんだけど。なぜ、ブランドを立ち上げたかというと、彼自身をスポンサードするためなんだ。

奥野:自分自身をスポンサードするために、ブランドを立ち上げるのは素晴らしいですね。

ー なるほど。面白い試みですね。ブランドのコンセプトはどういうところを目指しているのでしょうか?

オラジュワン:コンセプトとしては、今までクラシックなゴルフウェアと、ストリート感のあるゴルフウェア。その二つの要素を混ぜたものをつくり出しているのが、まずひとつのポイント。

アール:ストリートウェアの要素を入れることで、今までスポーツ用品店でしか売ってなかったゴルフウェアが、ストリートなショップにも並ぶという現象をつくりたいんだ。

オラジュワン:15歳から70歳までのゴルファーが着られることもコンセプトだね。

ー 奥野さんも〈アドレス〉というゴルフブランドのウェアをデザインされていますが、〈イーストサイド ゴルフ〉とコンセプトと共感できる部分はあるんじゃないですか?

奥野:〈アドレス〉のコンセプトは”Style matters on the course, on the street(コースでもストリートでもスタイルは重要)”なので、似ている部分は大いにありますね。

オラジュワン:そうだね。かなり近いと思うよ。

アール:健也は〈アドレス〉をどのくらいやってるの?

奥野:1年半ぐらいですね。まだまだ、ニューカマーなブランドです。

日本のゴルフは“文化”。
海外のゴルフは“カルチャー”。
その微妙な違い。

ー〈イーストサイド ゴルフ〉でのオラジュワンさんとアールさんの、二人の役割分担はどのようにされてますか?

アール:オラジュワンはブランドのCEOであり、設立者。自分も共同設立者であり、ブランド自体の軸をブラさないで、元から見ているヴィジョンを積み上げていくことを目指しているんだ。というのも、オラジュワンはもっと先のところにいるため、その道筋を作っていくのが僕の役目なんだ。

オラジュワン:僕は設立者であり、クリエイティブディレクターでもあるんだ。アパレルのデザインや色のパターンなどを決めるのも自分だし、マーケティングのプランを決めるのも自分。そういったクリエイティブな部分の一つ一つを担っているのが僕の役割だね。


ー なるほど。二人が足りない部分を補完しつつ、ブランドを前進させているんですね。日本ではゴルフというと、少し堅苦しい感じの文化が残っていて、ジャケット着用でしか、クラブハウスに入れなかったり、短パンでコースに出ることもNGだったり……。紳士のスポーツという側面が強い感じなのですが、アメリカではゴルフというスポーツは一般的にどういうスポーツとして捉えられているのか、どういった楽しみ方をしているのかを教えて下さい。

奥野:自分もそれ、気になってました。

オラジュワン:僕たちから見ると、ジャケットを着なければいけないという風習はすごくラグジュアリーに感じるね。ただ、日本のゴルフ文化でいいと思うところは、コースを1日かけて回るので、よりコミュニケーションが密になる部分は魅力だと思うよ。

アール:アメリカでは2~3時間と、より速いペースでラウンドするので、ビジネスツールとして使われる側面が大きいかもね。みんなでお昼を食べたり……とかはしないから。日本よりは、ファッションは自由かもしれないけど、ビジネスライクな部分はあるかな。

奥野:そうなんですね。

アール:日本のゴルフは“伝統的な文化=伝統を重んじる”というイメージが強い感じ。これは僕たちが思う“カルチャー=新たなものをどんどん取り込んでいく”とは違い、日本の方が“文化”らしいアプローチだし、海外の方がより“カルチャー”として見ているので、よりオープンで進化している最中な気がするね。

オラジュワン:もちろん、健也がやっているような〈アドレス〉もあるから、これから日本のゴルフで“文化”と“カルチャー”がどう交わっていくか、楽しみだね。


ー 奥野さんも彼らが言ったことを意識しながら、ウェアをデザインしている部分はありますか?

奥野:お二人の話を聞いて確かにそうかもしれないと共感する部分はありました。自分もハワイに1年ぐらい住んでいたことがあって。ハワイでもゴルフをやっていたんですけど、向こうの人はラウンドも速いし、服装もかなりラフ。サンダルにショーツにTシャツなんかでプレーする人もいるぐらい。日本では、ラウンドするのもかなりお金がかかったり、ラウンドも一日かけてまわったりするので、初心者が気軽にプレーできない環境であるような気がします。その障壁をどう下げていくかが課題だと思いますね。

オラジュワン:是非、健也が率先してやってほしいね。

奥野:僕らは、駒沢公園のパークでスケートして、そのまま打ちっぱなしにいってから、そのあと飲みに行く……みたいなルーティンをつくろうとしているので、どちらかというと海外のようなラフなスタイルを目指していきたいですけどね。

アール:例えば、健也のスケートだったり、いろんなものを混ぜていけば、自ずと“カルチャー”になって行くはずだよ。

目先の利益だけじゃない
10年先を見据えたヴィジョンを大切にする。


ー 海外ではゴルフと、ヒップホップミュージックやスケートボードなどのストリートカルチャーが強く結びついていると思いますが、皆さんはどう感じていますか?

アール:僕の印象だけど、逆にゴルフには今までそういった側面がなかったかも。どんなスポーツにも“カルチャー”はあったはずなのに、ゴルフにとっては“カルチャー”が歴史だったり、少し堅苦しいものと結びついてしまっていて、“自由”だったり“音楽”といったものが結びついてこなかったのが問題だと思っているよ。

オラジュワン:これから先、ゴルフを牽引していくためにはそういったものと結び付けていくのが重要。それは10年先、20年先のゴルフシーンをどういう風にしていきたいかによって変わるけど、それを僕たちがつくり上げていきたいと思っているんだ。

アール:2年先を見るなら、お金を稼ぐことだけを考えればいいけど、僕たちはゴルフシーンの10年先を見据えながらやっていきたいんだ。

奥野:うーん、アツイ話ですね(笑)。アメリカでは例えば西海岸とか東海岸など、地域性でゴルフの楽しみ方は変わってきたりしますか?

オラジュワン:西海岸とか東海岸とか、州ごとでとくに大きな違いはないよね。もちろん州によって天候とか、芝のコンディションの違い、コースの地形の特徴の違いなどはあるけどね。大きな違いは、誰がクラブハウスを運営しているのかによるかも。誰がルールを決めるかによって、ラフな服装でもいいとかが決まってくるかな。


ー 〈イーストサイド ゴルフ〉は〈ジョーダンブランド〉やヘッドフォンの〈ビーツ〉などともコラボしていますが、それはブランドにとって、どんな経験でしたか?

オラジュワン:いろいろなブランドとコラボすることによって、露出度が高まるのでさまざまな人に知ってもらう機会が増えるよね。そのなかでも大きかったのは〈ジョーダンブランド〉とコラボしたことで『NBA 2K』シリーズのゲームに僕たちとコラボしたシューズが登場したことだね。他にも「MLB」や「PGA」のゲーム内にも登場したので、よりブランドの価値が高まったと思うよ。

アール:大きな企業とのコラボは我々の誇りでもあるよね。ただ、大きな企業だからといって“カルチャー”を作れるわけじゃない。そこはリンクしない部分だと思っているので、大きな企業とコラボしても〈イーストサイド ゴルフ〉としては自分たちが作る“カルチャー”を大事にしていきたいと思っているよ。

奥野:自分たちの軸をブラさないようにすることは、本当に大事ですよね。


ー お二人がおすすめするアイテムはどんなアイテムですか? また奥野さんは気になったアイテムはありましたか?

オラジュワン:スエットやTシャツ、シューズボックスに描かれている絵は、僕らの理想を描いているんだ。プレイヤーは僕自身で、さまざまな人種の人たちが僕のプレーを見守ってくれる……。そういった世界になって欲しいという思いを込めてウェアに採用したので、このグラフィックはおすすめだよ。

アール:僕が着ているこのベストは軽くて暖かいから、寒い時期のラウンドにピッタリだね。もちろん、ラウンド以外でもレイヤードできるから重宝するよ。

奥野:このスエットパンツに、ゴルフグローブを設置できるマジックテープがついているデザインは目から鱗でしたね。ゴルフする人にしかわからないディテールだけど、このアイデアは画期的でした。


ー 最後に、日本のプレイヤーにどんな風に〈イーストサイド ゴルフ〉を着こなしてほしいですか?

オラジュワン:とにかく“自分らしくある”ことを大事に着こなしてほしいですね。日本のプレイヤーは今まで“ゴルフ”というイメージに合わせる着こなしをしてきたと思いますが、自分の着たいウェアで、自分の信念を貫き通せるようなスタイルを目指してほしいですね。そのなかの一部に〈イーストサイド ゴルフ〉があれば嬉しいですね。

奥野:ゴルフシーンだけでなく、僕らみたいなスケーターでも着られるような服が揃っているので、是非、〈イーストサイド ゴルフ〉をチェックして欲しいですね。

Photo_Daiky
Text_Yasuyuki Usijima

INFORMATION

Eastside Golf

場所:SHIBUYA LADs
住所:東京都渋谷区東2-20-18
電話:03-6712-6029
WEBサイト
Instagram:@eastsidegolfjapan

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