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川田十夢公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。https://twitter.com/cmrr_xxxhttp://alternativedesign.jp/

青雲、それは君が見た光。

川田十夢
公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。
https://twitter.com/cmrr_xxx
http://alternativedesign.jp/

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無意味から意味を考えてみる。

2011.03.08

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花粉飛散終了のグッドニュースまで、悶々と続くであろう盆暗日記です。いつもは「見立て」を考えた上で、「誰も書いたことがない文章」を目指して書いたり作ったりしているのですが、花粉症発症の時期は、鼻のつまりと比例して神経が研ぎすまされていないので、斯様な日記をただダダ漏れるという試みです。


airdrum.jpg「エア☆ドラム!~世界イチせつないロックンローラー」っていうB級映画を観ました。僕は見方や評価を与えられた映画よりも、誰も好んで観ないような映画を好んで見る性質があります。そういった意味でこの映画は格好の獲物でした。完全に油断して見始めたところ、これが意外にもグっとくるシーンと台詞の連続。ヤバかったです。(以下、ネタバレ含む感想に切り替えます。僕と同じレベルの感動を味わいたい人は、この時点でフイナム本体のシャレオツ記事に参照を切り替えることを強くオススメします。僕の文章だけを楽しみに、この映画は一生観ないであろう人は読み進めてください。)


主人公パワーは冴えないエア・ドラマー。エア・ギターほどジャンルの確立さえままならないエア・ドラムを生き甲斐としている。ニューメキシコで銅発掘を仕事としているが、仕事の合間もエア・ドラムに興じる姿を見て、社長からも仲間からも親からも見捨てられてしまう。行き場を失った彼の顔を、エア・ドラム大会のフライヤーが直撃、B級映画ならではの急展開で大会出場、優勝、地元の親や仲間の信頼を勝ち取る。簡単にいうとそんなストーリー。


そんな中で、どうしても無視出来ないシーンと台詞があるので、ここで紹介したい。まず一つ目。大会出場のためにニューヨークに上京した主人公パワー、下宿先の二階に住む厳格なカトリックの娘さんに一目惚れする。彼女に、ロックの素晴らしさを伝えたいと、音楽を聞いてくれとせがむも、毎回無視される。それもそのはず、彼女は耳が聞こえない。それを知った主人公パワーは、エア・ドラムで音楽を聞いてもらおうと考える。レコードを彼女に選んでもらい、その曲に合わせてエア・ドラムを奏でる。ずっと聴こえなかった音楽を、彼女はエア・ドラム越しに聴く事ができた。感涙である。


二つ目にグっときたシーン。それはラストシーンだ。宿命のライバル、ダラスは、実際にドラムも叩けるし、ミュージシャンとしても成功しているし、親は銅採掘会社の社長だしで、絵に描いたような絶好の敵役。案の定、大会の決勝、クライマックスでも彼との一騎打ちとなる。結局、罠にも苦難にも負けず、パワーはダラスに勝利する。この時のダラスとパワーの会話が物凄くよかった。


ダラス「このやろう、、ドラムも叩けないクセに」

パワー「必要ないよ。僕自身がドラムだから。」


当事者でもないのに、わかったような事をいう人がいる。当事者なのに、まるで本質を理解していない人がいる。そんな人にこそ、この映画をすすめる。

Comment: 1

自分も最後の、「僕がドラムだ」に感動を覚えました。

滑稽なんだけど、馬鹿にばっかりすることができない何かを感じました。観て、元気の出る映画でした。

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