青雲、それは君が見た光。
川田十夢
公私ともに長男。「AR三兄弟の企画書(日経BP社)」、「ARで何が変わるか?(技術評論社)」、TVBros.連載「魚にチクビはあるのだろうか?」、WIRED連載「未来から来た男」、ワラパッパ連載「シンガーソング・タグクラウド」、エンジニアtype連載「微分積分、いい気分。」など。発明と執筆で、やまだかつてない世界を設計している。
https://twitter.com/cmrr_xxx
http://alternativedesign.jp/
WIRED to WIRED!!!!!!!!!!!!!
2011.06.09

開いてまず目に入るのは、マーシャル・マクルーハンの言葉。「今日の私たちは過去における数世紀をわずか一世紀で経験している」と引用されている。ここに、メディアとしてのWIREDの態度が見て取れる。
電語導断というコーナーは、読者同士がつながる場所として用意さればページだ。メールアドレス、FAX番号、住所が付記され、投稿を促している。ソーシャルメディア的なつながりを示唆するものだが、facebookが生まれるまで10年、twitterが生まれるまでに12年の歳月が必要だった。
本国の翻訳記事が続く中、一つだけ大きな特集がある。表紙にもなっている人物、元NHK会長 島桂次氏への特別インタビュー記事だ。なんとこの人物、1994年の段階で「もう放送なんて時代遅れなんだ。次の時代が見えてきたわけ。」と言い放っている。「日本のジャーナリズムのバカどもがそのことを報道しているが、そんなものは5年も6年も前から分かっていたことだ」と続けているのだが、2011年の答えを知っている僕らからするとちょっと大風呂敷が過ぎたように見える。彼が民営化し損ねたNHKは、今では国内唯一と言っていいほどの良質な番組を作れる局として信頼を得ているし、島メディアネットワーク構想は、彼の死後急速に求心力を失い、結果的に旧来のジャーナリズムを越えるに至らなかった。だが、この人物を大きく取り上げ、ワイルドサイドを歩けと題した大特集を創刊号にもってきたコバヘンさんの英断には、ほんと頭が下がる。雑誌を作ること、編集することで、雑誌にメッセージを宿せることを、コバヘンさんは実験と英断の連続で示してくれたと僕は感じている。WIREDのオールドファンは、今もきっとこの熱を求めているに違いない。
という訳で、明後日6月10日に日本版WIREDが再び始動します。僕は過去の日本語版WIREDに敬意を払いつつ、「未来から来た男」という特集企画を考え、取材と執筆と監督を担当しました。監督というのは、誌面連動で作った映像作品のことで、6月9日10:00くらいにWIREDの公式ページにてアップされる予定です。本誌、映像ともにご期待ください。
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*6月9日DOMMUNEにも出ますよ!
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