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【My Buddy 996】毎日に寄り添う、ニューバランス 996。松浦弥太郎(エッセイスト)

〈ニューバランス(New Balance)〉には名作がいくつも存在していますが、そのなかでも定番として人気なのが「996」。900番台の3代目として1988年に登場して以来、タイムレスなデザインと最新の履き心地によって時代を超えて愛され続け、あらゆるひとの日常に寄り添ってきました。「ABC-MART」では“My Buddy 996”と題して愛好家の暮らしを訪ねていますが、フイナムでもそのスピンオフとして、エッセイストの松浦弥太郎さんにお話を聞いてみることに。なにげない毎日や思い出を語っていただくなかで気づいたのは、「996」と共通する、変わらないことと変わることの魅力でした。
ABC-MART 特集ページ “My Buddy 996”

  • Photo_Kanta Nakamura
  • Movie_Kanta Nakamura & Yuki Yamazaki
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Kazuki Sakaguchi

PROFILE

Yataro Matsuura
エッセイスト

1965年生まれ、東京都出身。2002年にセレクトブックストアの先駆けとなる「COW BOOKS」を東京・中目黒にオープン。2006年から『暮しの手帖』(暮らしの手帖社)の編集長に就任。その後、「クックパッド」によるメディア「くらしのきほん」や〈ユニクロ〉との共同プロジェクト「LifeWear Story 100」、「DEAN & DELUCAマガジン」などを手がけ、現在はアパレルブランド〈パパス〉のクリエィティブ・オフィサーを務める。近著は『考えすぎずに、考える:持たない、比べない、急がない。穏やかな日々のヒント』(光文社)。

毎日、変わり続けることを大切に。

―なにげない毎日のお話を聞かせてください。松浦さんは、どんな日常を過ごしていらっしゃいますか?

Matsuura:ぼくの毎日のスケジュールは、ほとんど変わらないんですよ。朝6時前に起きて軽く朝食をとるんですけど、毎日食べているのが、小さめのおにぎり2つとお味噌汁。365日同じもの食べていると、それが1日を始めるためのスイッチになるんですよね。その後、よっぽど雨が降らない限りは15kmくらいランニングをして、帰ってきたら仕事を始めます。昼食は自分でつくっているグラノーラ(ヤタロウズ・グラノーラ)を食べて、仕事に戻る。夕食は17時に食べるんですよ。それが日々のスケジュールのリズムをつくるためのベースになっています。そして、近所を1時間ウォーキング。そうすると、だいたい19時半くらいに家に帰ってきて、ゆっくりと時間を過ごして寝る。もうかれこれ15年ほど続けている、変わらないその生活リズムが心身を整えてくれるので、仕事や暮らしにおいていいパフォーマンスを発揮できるんです。言ってみれば、それがぼくの大切な毎日。

―変わらない毎日を過ごしてらっしゃるんですね。そして、ランニングを日課にしていて、15kmも走っている。

Matsuura:ぼくにとってランニングは特別なものではなくて、食事をしたり、歯を磨いたり、お風呂入ったりするのと同じ扱いです。もうかれこれ20年くらいは続けています。「毎日15km走ってます」と言うと、みんなびっくりするんですけど、ぼくにとってはなんてこともない。疲れませんし、筋肉痛にもなりません。

―どのようなランニングシューズを履かれているんですか?

Matsuura:〈ニューバランス〉の「Fresh Foam X 1080」と「Fresh Foam X More」の2足をメインで履いています。これはぼくの持論ですけど、同じ靴を履き続けるよりも、たまに違うシューズを履いたほうが足に癖がつかないと思うんです。だから、自分の感覚で履き分けています。

―〈ニューバランス〉との出会いを教えてください。

Matsuura:20代の初めにニューヨークに住んでいたのですが、暮らしていた73丁目のアパートのすぐ近くに「フットロッカー」があったんですよ。そこで〈ニューバランス〉を買いました。ニューヨークは〈ニューバランス〉を大切にしているお店が多かった印象です。

―当時と現在で〈ニューバランス〉に対する印象は変わりましたか?

Matsuura:いい意味で変わりません。ランニングシューズは非常に進化しているけれど、たとえば900番台は、あの頃と現在でデザインは基本的に変わってないですよね。ぼくはどんな格好をしていても〈ニューバランス〉を履くことが多いのですが、それは着飾るためじゃない。1日を快適に過ごすためになにを履くかと言ったら、ぼくは〈ニューバランス〉です。


毎日、変わり続けることを大切に。

―松浦さんは旅好きの印象があるのですが、そういった変わらない毎日を過ごしているなら、旅は日常から抜け出す感覚があったりしますか?

Matsuura:ぼくにとって旅は、暮らしの延長なんですよ。どこの国へ行こうと、いまお話した生活のリズムはまったく変わりません。旅というより、生活の拠点を移す感覚。ただ、場所が変わるとリフレッシュになりますし、刺激も多いんですよ。そこで新しい自分を発見したり、ベストだと思っている毎日のリズムを見直したりできるんです。

―旅先で変わらない毎日を過ごしていても、東京の慣れ親しんだ街では得られないことが多そうですね。

Matsuura:そうですね。ぼくは基本的に外食をしないんですよ。家でも海外の旅先でも自炊をしていて。もしくは買ってきた食事を滞在先で食べたりしています。やっぱり海外の食材は日本と違うので、調理方法も違う。だから、買い物するときに、お店のひとに調理方法を教えてもらう会話が自然と生まれます。そして、つくって食べたら、次にお店に行ったとき「おいしかったよ」と伝えるんです。買い物って本来そういうもので、ひととの触れ合いによって自分が買ったものが特別に見えて、大事に扱うようになる。豊かさって、こういうことだろうなって思います。

―そういった経験をすると、日本に戻ってからの毎日に変化がありそうですね。

Matsuura:旅から帰ってきたときに限らず、自分が意識しているのは、今日をどう過ごすのか、ということ。ぼくは毎日、自分が変わっていくことをすごく大切にしています。変わらない生活を送るなか、ひとつひとつの時間を大切にすることで、なにかに気づいて学んだり、失敗したり反省したり、昨日より今日、ほんの少しでも成長していることを実感できるんですよ。それを認識するために、毎日のルーティンを大切にしています。

―今日は「パパスカフェ 広尾店」で撮影させていただきました。松浦さんにとってカフェは、毎日の暮らしのなかでどのような場所ですか?

Matsuura:休息の場所であり、ひとりになれる場所。気分転換やリラックスできるカフェは大好きな場所です。そして、1日のなかで、なにもしない時間も大切にしているんですよ。常になにかを生産しなければいけない世界のなかで、非生産的なぼんやりとする時間、ぼくはぼんやりタイムと呼んでいるんですけど、ぼんやりタイムのためにカフェに入ることもあるんです。


変わらないために変わるスタンダード。

―〈ニューバランス〉は、ものづくりにおいてクラフトマンシップを大切にしています。松浦さんはどのようなものからクラフトマンシップを感じますか?

Matsuura:作家性を表現するためにつくられたものではなく、使うひとのことを考えて手づくりされた、日常のツールからクラフトマンシップを感じます。毎日使うものは長く使うし、使いやすくないといけない。それって親切であり、愛情だと思うんです。そして、それには命が宿っているとも思います。

―そういった日用品から感じるクラフトマンシップは、松浦さんの毎日にどんな影響を及ぼしていますか?

Matsuura:使うたびに発見があるんです。ここがいいな、こんなふうに使ったら便利だな、って。それは人間関係と一緒で、長く付き合うほど、このひとにはこんな素敵なところがあったんだ、って知ることもあるじゃないですか。

―今日は「CM996」をご着用いただきました。「996」は所有されているとのことですが、いま履いてらっしゃる新色は、定番のグレーより少し暗めの色合いです。

Matsuura:いいと思います。2年くらい経つと、いい感じの表情になりそうですね。どんな服にも合わせやすいカラーリングだと思うし、定番の「996」だからこその安心感があります。

―「996」は〈ニューバランス〉を代表するスタンダードモデルのひとつ。スタンダードという言葉から、どんなことを連想しますか?

Matsuura:さっき自分の暮らしの話題でもお話しましたけど、スタンダードであり続けるっていうことは、毎日毎日変化していくものだと思うんです。だから、月並みですけど“変わらないために変わる”という言葉があるように、一見変わっていないように見える〈ニューバランス〉のシューズですが、変わらないためにたくさん変化していると思うんです。「996」も昔からこの形、このデザインと言われているけれど、それは変化しているからこそ、いまも変わらずに自分たちの目の前にあると思います。

―おっしゃるとおり「996」はシルエットやデザインはほぼ変わりませんが、ミッドソールの素材などはアップデートされています。人間も同じようにブレない芯を持つことは大切ですが、時代に応じて柔軟に変化していくのも重要ですね。

Matsuura:ぼくらは生きているわけですよ。生きているってことは、変わり続けること。変わらないのは、思考停止している残念なことなんです。ただ、自分のなかに軸を持ち続けないといけません。変えていくというより、磨いていくんです。磨かないと、どんどん錆びてしまいますからね。

―変化しているから、変わらずにいられる部分があると。まさに「996」もそう言えると思います。「996」は履くひとの毎日に寄り添う1足。松浦さんにとって、愛着のあるシューズになる条件はありますか?

Matsuura:いろいろな条件がありますが、自分がそれに相応しい人間でありたいって思う憧れも愛着に繋がるはずです。20代で初めて〈ニューバランス〉を履いたときもそうでした。当時の〈ニューバランス〉は高価だったので一生懸命働いて手に入れましたが、そんな若造が履いているのは身分不相応だった部分もあると思います。でも、そうやって頑張って憧れを履いたからこそ、〈ニューバランス〉にはいまも愛着が湧いています。

New Balance.U996 3LE ¥16,940(ABC-MART)

INFORMATION

ABC-MART

電話:0120-936-610 10:00〜17:00(月曜〜木曜)

My Buddy 996 for HOUYHNHNM
Special Site

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