小田原の味をイタリアンに。
あっという間に完成。イタリアの郷土料理を土台にしながら、今井さんが考案した遊び心を感じる料理ができあがりました。
まずは、食用として人気のないネンブツダイは「うしお汁」に。塩と酒だけを使い、ネンブツダイの旨みを引き出します。シンプルな味付けですが、上品な魚の味わいを感じられるひと品。
今井:まず、釣った魚は塩も酒も使わずに煮込んで、旨みを確認するのがいつものルーティンなんですよ。そうすることで味つけの方向が見えてきます。ネンブツダイは食べられるところが少ないですが、いい出汁が出るんです。
イタリアの修道院で誕生したと言われている「サングイナッチョ」は、豚などの新鮮な血とチョコレートを組み合わせた郷土料理。それから着想を得て、シイラの血合いをチョコレートとともに楽しんでみることに。スモモやオレンジの砂糖漬けとともに和え、石垣島のカツオを使った魚醤、ヤイマムで深みをプラス。
今井:「サングイナッチョ」で魚は使わないので、新しい挑戦です。シイラはシチリアで獲れるし、シチリアにはマグロをチョコレートで煮込んだ料理もあるので、イタリアらしさを感じられるはず。今日はカツオが釣れなかったので、ヤイマムでカツオのニュアンスを加えてみました。
肉や野菜から出汁をとったスープを使う、イタリア料理の手法「イン ブロード」。いい出汁がとれるカサゴやエソは、骨までミンチにしてスープにし、自家製パスタを加えた「イン ブロード」に。そこにローストしたアカハタを豪快に添えました。
今井:釣りたての魚でスープをとると、すごくおいしいんですよ。基本的に「イン ブロード」は鶏肉と牛肉を使いますが、魚があってもいいんじゃないか、と思いましてつくってみました。
アジは「なめろう」にして、ベルガモットのオリーブオイルを仕上げにかけイタリアンの要素を加味。イタリアを彷彿とさせる麦を使った味噌で味つけしています。
今井:イタリア料理は地方料理の集合体なんですよ。そのなかで、自分自身を表現することも大事。イタリアでもアジは身近な魚だし、ぼくは千葉県出身なので「なめろう」にしました。鮮度がいいので、薬味は加えていません。