FEATURE
着ぶくれ手帖ファッションとして成立させる“間違い”。ERRA誕生物語。
Keiji Kaneko × Daisuke Gemma

着ぶくれ手帖
ファッションとして成立させる“間違い”。ERRA誕生物語。

数多くの服に触れてきたひとであれば、ちょっとした違和感にも目が留まるもの。デニムのタブが妙に食い込んでいたり、あるはずのない場所に付いていたり。そんな誰も気に留めないような“間違い”をおもしろがる金子恵治さんと源馬大輔さんの会話から、コンセプトストア「V.A.」の新ラインとして〈ERRA〉は生まれました。ベーシックを土台にしながらも、よく目を凝らすと、気になるデザインがそこかしこに散らばっています。けれど、決して奇をてらうわけではありません。ふたりが考える、ファッションとして成立する“間違い”とは。〈ERRA〉のものづくりについて、たっぷりと語ってもらいました。

PROFILE

金子恵治(左)

1973年生まれ、東京都出身。ファッションディレクター。セレクトショップのバイヤーを経て独立し、「L’ECHOPPE」の立ち上げに携わる。2022年、北青山にセレクトショップ「BOUTIQUE」をオープン。国内外の複数ブランドのディレクションやコラボレーションを手がける。
Instagram:@keijikaneko

PROFILE

源馬大輔(右)

1975年生まれ。ロンドンの「BROWNS」に入社、バイヤーとしてのキャリアをスタートさせる。 2002年帰国後、07年に独立し源馬大輔事務所を設立。 クリエイティブディレクション、ストアディレクション、インテリア、ミュージック、ファッションに関わる全てに携わる。 2021年Case Studyを立ち上げ新たなジャンルにも挑戦中。2023年、rush productionに所属し、DJも本格始動。
Instagram:@daisukeg

“間違い”というフィルターをかけたものづくり。

ー金子さんと源馬さんが知り合ったのはいつ頃なんですか?

金子: もう20年近く前かもしれません。

源馬: とあるプロジェクトで一緒に仕事をすることになって。そのときですよね、はじめて会ったのは。

ーお互いにファッション感が違えば、通ってきたカルチャーも異なりますよね。

源馬: そうなんですけど、似たような価値観をお互い持ち合わせているんです。ベーシックをリスペクトしながら、一方では奇妙なものも好きっていう部分では似ているところもあって。金子さんってバイヤー時代にアルゼンチンへ行ったり、バルセロナでエスパドリーユを買い付けたりして、他のバイヤーとは違うルートでアイテムを仕入れるんですよ。

金子: むかし一緒にしていたプロジェクトは、結果的に終わってしまったんですが、その後にまた別の仕事で一緒になって。それ以来、たまに連絡を取ったりして、服の話をよく一緒にするんです。

源馬: そうそう、ぼくから一方的にLINEをして。

金子: それが結構楽しくて(笑)。お互い全然違う畑にいるから、物事を眺める角度も違っていて、話していて新鮮に感じるんですよ。

ー具体的にどんな会話をされるんですか?

源馬: 「BOUTIQUE」でデッドストックのデニムをバッと広げたら、お尻についているタブがすごい食い込んでいるやつがあって。

金子: ほとんどのひとが気にも留めないようなことを、源馬くんは拾うんです。

源馬: 「これ、めちゃくちゃ食い込んでますけど、やばくないですか?」って。本当にくだらないんですけど(笑)。でも、そういうことを楽しめたほうが、人生明るくなるじゃないですか。

金子: あとはエラーコインの話もしましたよね。

源馬: いわゆるB品なんですけど、めちゃくちゃレアなものじゃないですか。

ーようやく、今回の〈ERRA〉につながる話が見えてきました(笑)。

金子: ワクワクしちゃうんですよね、そういうのを見つけると。数年前に某デニムブランドの旗艦店で、両方のポケットにタブがついているB品があったんですよ。

源馬: それ、すごいですね。

金子: 引き当てちゃいました。昔だったらあり得たと思うんですけど、「このご時世に、こんなエラーあるの?」ってすごいテンションが上がっちゃって(笑)。そんな感じで服の歴史を紐解きつつ、あえて“間違い”というフィルターをかけたものづくりをしたらおもしろいんじゃないかということで、今回〈ERRA〉が生まれたんです。

INFORMATION

ERRA

発売日:2026年10月10日(土)

V.A.

住所:東京都渋谷区神宮前 6-1-9
営業時間:10:00~20:00 ※不定休
Instagram:@va.tokyo
公式サイト

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