衣食住！ 2020年夏いま欲しいモノ・カタログ。25選

近代ファッションの歴史を振り返ると、後世に語り継がれるであろうデザイナーがいます。高田賢三、ティエリー・ミュグレー、カール・ラガーフェルド、川久保玲、山本耀司…、彼らはプレタポルテ（既製服）の先駆けであり、それまで伝統ばかりを重視してきたファッション界にストリートの風を吹き込んだ立役者たちです。もうひとり忘れてはいけないのが、ポール・スミス。決まりきったトラッドの世界にユーモアを持ち込み、その敷居を下げることで若者たちでも楽しめる服を提案してきました。今年でなんと創業から50周年を迎え、彼のウイットのきいたクリエーションにますます磨きがかかっています。ご紹介するのは、同じ英国の老舗〈アングルポイズ®︎〉とコラボしたデスクランプ。そもそもこのブランドはというとスプリング式アームランプの元祖といわれ、インダストリアルな雰囲気あふれる照明を次々リリースしてきました。こちらは1970年代につくられた「TYPE75」をアレンジしたモノで、特筆すべきはこの色使い。ポール・スミスが2016年にカスタマイズしたクルマ〈ランドローバー〉のカラーリングを用い、唯一無二のモノへとリデザインしました。このランプが自分の机にあったら、仕事も読書も2倍3倍と捗りそうです。

いま改めて注目を集める地方に根ざしたショップやブランド。石川のセレクトショップ「PHAETON」をはじめ、長野の建材リサイクルショップ「ReBuilding Center JAPAN」、静岡をベースにクリエイティブ活動を行う〈SEE SEE〉などなど、消費スピードが速い東京に見切りをつけ、ローカルコミュニティのなかでマイペースにコツコツ好きなことをやるひとたちが増えてきました。ここでご紹介する〈FIL〉もそのひとつ。このブランドは熊本の北東に位置する南小国町を拠点に家具やフレグランスを展開し、地元の特産品・小国杉を使っているところに特徴があります。フレグランスには自社のファクトリーで抽出した小国杉のエッセンシャルオイルを使用。このオイルは伐採時に処分される葉を原料として用い、パリで活躍する調香師・新間美也さんが香りを手がけています。これを数滴落として楽しむポプリには、なんと阿蘇山の噴火によってつくられた溶岩石を使用。小国杉の精油にローズウッド、パチュリ、乳香といった天然香料が合わさった、爽やかさのなかにも深みが感じられる優しい香りに仕上がっています。このミニマルな銅製のケースもグッドです。〈FIL〉のローカルに根ざしたモノづくり。これは注目しておいて損はなさそうです。

おうちでリラックスした時間を過ごす秘訣、そのヒントは香りにあるのかもしれません。自宅がいい香りになるだけで気分が安定し、引いてはそれが日々の心の余裕にも繋がる。量販店に売っている芳香剤や消臭剤ではなく、ゆらゆら揺らめく炎にもリラックス効果があるアロマキャンドルは仕事で疲れたあなたをきっと癒してくれるはずです。フイナムがプッシュするのは今年スタートしたばかりの〈G.W.シングス〉。まず何がイイってありそうで無かったこの招き猫のカタチ（笑）。細かな部分を再現するのに苦労したと作者が話す通り、キレイに上がった右手や耳、顔…、そのリアルな表情にまず “あっぱれ” を上げたくなります。しかも高さは13センチと結構大きく、リアルに福を招いてくれそう。気になる香りは大豆からつくられる天然のソイワックスにベルガモット、イランイラン、シダーウッドの精油をブレンドした超優しい香り。しかも、リラックス、ストレス解消、不眠改善、意欲向上などの効果があるというから侮れません。ちなみにこのブランド、多種多様なカタチのオブジェシリーズに加え、ヴィンテージの食器にキャンドルを乗せたシリーズも。近い将来、キャンドル界の革命戦士にバケるかもしれません（笑）。