文化的背景を知っていると着こなしの気持ちが違う。
ー 今日は、セルフスタイリングでダウンと合わせてもらいました。
miu: Tシャツ1枚に、パンツはヴィンテージのミリタリーものという普段の服装に合わせてみました。ダウンは、暖かくて軽いから、中はTシャツ1枚で十分だなと。このダウンは、ずっと着れそうですね。
ー 今日のスタイリングで、ダブルジップで下の方だけ開けている着こなしがmiuさんらしくてよかったです。
miu: ダブルジップ、すごい好きなんですよ。レイヤードを楽しめるし、座ったときに座面に当たってモフってならないから。それにしても、機能アイテムが時代やカルチャーにあわせて、形を変えていくというの面白いですよね。だからデッドストックというものが生まれるわけだし。
ー 男らしい、女らしいという分け方は時代遅れかもしれませんが、男性的な服の掘り下げ方をされるんですね。
miu: 背景を知っているのと知らないのでは、着こなしというか、着ている自分の気持ちが違う気がします。
ー miuさんは、ストリート色の強いブランドや人と交流がありますよね。
miu: みんな、好きなことをやってらっしゃるので、一緒にいると楽しいんですよね。最近読んだ本で、尊敬する人のそばにいて、その人から学んだ方がいい、と書いてありました。まさにその通りで、若いころから先輩と遊ばせてもらってて。カルチャーに限らず、すべてにおいて昔があってのいま。なので、すぐに変えることのできる情報だけに流されず、直で感じておきたいことがあります。
ー 知識欲が旺盛なイメージもあります。
miu: 上と下が男兄弟で、小さいころから何をどれだけ知っているかという勝負の環境で育ってきたんです。昔から、自分だけが知っておきたいという気持ちがあったんでしょうね。
ー 周りに好きなことをやっている人が多いとのことでしたが、miuさん自身がモデル以外でやりたいことは何かありますか?
miu: すぐにというわけではないですが、自分の子供ができたら、自分で農業をやって育てたものを食べさせたいですね。うちはルーツが農家で、いまは母の兄が継いでます。結局のところ、食べるということはすべてつながっているという、命の連鎖を教えたいです。
1980年代にアメリカに生まれたダウンジャケットブランド。90年代に入ると、音楽とファッション好きの若者たちへ急速に受け入れられるようになり、ニューヨークを象徴するブランドへと成長。2018年秋冬より、シルエットやカラーを現代へと「フリークス ストア」が復刻させた。ファーストコレクションは、世界的に有名な某ストリートブランドの元ネタにもなった、テープ使いやリバーシブルのデザインが特徴的なバブルダウンジャケットを中心に、FIRST DOWN の定番とも言えるモデルをラインナップ。ただ復刻するだけではなくシルエットは現代的かつ都会的にアップデートしている。