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アーティストたちが振り返る今年の出来事。
2020年忘年会。

アーティストたちが振り返る今年の出来事。

新型コロナウィルスが世界的に猛威をふるった2020年。フイナムでもおなじみのあのアーティストたちは、この1年をどう過ごし、なにを感じたのでしょうか? 加賀美健さん、中村穣二さん、平山昌尚さん、題府基之さんにお集まりいただき、コロナビールを片手に今年1年を振り返ってもらいました。

  • Photo_Motoyuki Daifu
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Hiroshi Yamamoto

コロナの抑圧を経てなにか新しいものが生まれたらいい。(加賀美)

ー 普段生活をしていて、自分のやっていることがウィルス対策なのか、それとも世間体を気にしているのか分からなくなるときがあります。

加賀美: もはや世間体だよね。

平山: そうだそうだ!

加賀美: どれくらい準備して、こんな状況を作り上げたんだろうね。

ー また支配層の話ですか(笑)。

一同:

題府: みなさん、今年はじめたことってなんかありますか?

加賀美: ストレッチはじめたよ、地味だけど。腰痛いからさ。

中村: 俺はないなぁ。ヒマくんは?

平山: クッキー焼いたりとか。

中村: そんなことしてたの!?

一同:

平山: 2回くらい焼いて、やめちゃいましたけど。

加賀美: 若い子たちはなにしてたんだろうね? 展示もできないし、アピールする場所ないじゃん。

中村: いろいろ模索しながらやれることはやってるんじゃないかな?

ー YouTubeのチャンネルをスタートする人は増えたように思います。

中村: やっぱりそうやって発信する場所を探してるんだね。

平山: 加賀美さんYouTubeどうですか?

加賀美: 今度仕事でやるよ。

平山: 冒頭であれだけバーチャル否定してたのに!

一同:

加賀美: なにか作品を発表するわけじゃないからさ。とある企業とのコラボレートの一環でやるんだよ。

ー YouTuberがつくった番組とか普段見ますか?

加賀美: あんまり見ないなぁ。

平山: むかしの動画とかは見ますけどね。

加賀美: 80年代の動画とかはおもしろいよね。CMとか、落語はとくにいい。

平山: ぼくは最近ウルトラクイズを見てます。

ー むかしは表現がもっと過激でしたよね。

加賀美: コンプライアンスを気にしてないもんね。いまはなんでもそうだけど、 コンプライアンスってものが重たくのしかかってるから、おもしろいことをしようとしてもできない世の中になってるよね。

題府: 放送作家の高須さんも似たようなことをYouTubeで話してました。いまのYouTubeもいかがわしさがあるけど、この先どうなるかわからない、って。

平山: たしかにこの先規制されていくのかもね。

加賀美: 最近、80年代のCMとかコピーライトに興味があって、糸井重里とか川崎徹の本を買い漁って読んでるんだけど、あの時代はやっぱりおもしろいよ。バブルだったから予算も潤沢だし、やりたいことをやってたみたい。当時ぼくらは子供でなんとなく見てたものだけど、いま見るとすごく新鮮に思える。もちろんCGとかないし、すごくアナログで、アイデアがおもしろいんだよね。いまやろうとしても100%できない表現をしてる。

平山: YouTube漁ってると見れますよね。日清のCMで、カップ麺でおっぱい隠しながら女性が踊ってるやつがあって、それとかすごいおもしろいですよ。

中村: ヒマくん、「おっぱい」って検索したの?

一同:

平山: どうやってそこに辿り着いたかは覚えてないです。それを見つける前に、たこ焼きラーメンのCMを見てたんですよ。それもめちゃくちゃいいですよ。

平山: ダンプ松本が出てて、トラックがラーメン屋につっこむんですけど、それだけでおもしろい。

中村: 「ダンプ おっぱい」で検索したのか。

一同:

平山: ダンプ松本、正直かわいいなと思いました(笑)。あの時代はやっぱりよかったですね。

加賀美: 表現の仕方がいいよね。

平山: それこそ使えるテクノロジーが限られているから、アイデアを形にするときのアプローチがストレートなんですよね。CGを使うなんて考えてないだろうし、だからこそ詰めが甘い部分があって、そこがおもしろいのかもしれない。

加賀美: いまはなんでもあるし、完璧にしようとするよね。

題府: 便利になることで失われるものもありますよね。

加賀美: そうそう、どんどん考えなくなってきてる。いまは商品が売れることが優先だから、現実的なことばかりフォーカスされちゃってるよね。人気のある芸能人ばかり起用したりしてね。

平山: 世間体も考えて。

加賀美: そんなんじゃおもしろいことできないよ。

平山: そんな世の中になったのも、SNSが発達したからだと思うんですよ。

加賀美: ちょっとしたことで叩かれちゃうからね。50年代から70年代はベトナム戦争があって、人々が抑圧されてたでしょ。その後に芸術の分野が爆発して、アートも音楽もカッコいいものが生まれたじゃん。その先に80年代のおもしろい表現があってさ。戦争と比べるものじゃないのは分かってるけど、コロナの抑圧を経てなにか新しいものが生まれたらいいけどね。

中村: コロナが落ち着いた後は、なにか変わるんじゃないかなぁ? 面と向かって会えるようになったから、そこでできることをやろうってなったらいいよね。

ー いつそうなるか、まだ全然わからないのが辛いですね。

平山: 彼らの目標が達成しない限りはまだまだ続きそうですよね。

加賀美: ヒマくん、まだ支配層の話してるの!? もうそれ終わったよ!

一同:

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