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フイナムのSDGs Vol.1 青果ミコト屋の絶品アイスから考える、フードロス問題。
MONTHLY JOURNAL APR.2021

フイナムのSDGs Vol.1
青果ミコト屋の絶品アイスから考える、フードロス問題。

最近、よく耳にするSDGs。SDGsとは、環境問題だけでなく、貧困、教育、ジェンダーギャップなど、盛りに盛った19項目の社会問題のことを指します。その取り組みは、やった方がいいというゆるいレベルではなく、やらなくてはいけないという、切羽詰まったレベルまで来ているのです。とはいえあまりに問題が大きくて、どこから手をつけていいのやら。「Think Global、Act Local」というように、まずは手の届くところから始めたい。今回は、食の世界のフードロスや環境と向き合い続けている、旅する八百屋こと「青果ミコト屋」代表の鈴木さんを訪ねて、出来たばかりの店舗「micotoya house」へ。奇想天外なフレーバーがうますぎるアイス片手に話を聞きました。

  • Photo_Mina Soma
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Ryo Komuta

値段が高いのではなく、適正価格。

ー SDGsで言えば、ドイツとかアメリカのようなオーガニック先進国の情報などはよく取り入れてますか?

鈴木: かつては勉強してました。そういった国の人々と比べて、僕が思うのは、日本人は環境に対してはすごく利己的だなと。あと環境問題と聞くと、オゾン層とか二酸化炭素の話になりがちですけど、ヨーロッパの友達は、住んでいる場所の近くの川の話をしたりと、リアリティがあるんですよね。日本では、オーガニックを選ぶのは体のためという人が多いんですが、欧米人は、環境のためとか、近くの川のためにやろうという利他的な人が多いと感じます。悪いことではないと思いますが、日本人はオシャレとかライフスタイルの面からやっていそうな気がします。とはいえ、最近は違うかもしれませんが。

お店で購入した野菜を、お客さん自身で包むための新聞紙が設置されている。

ー SDGsが注目されてきたのはここ数年です。意地悪な言い方をすれば、今や急に多くの企業がSDGsの取り組みを大きな声で主張していますよね。

鈴木: とはいえ、いい影響は確実にあると思いますよ。だって、僕らが100年かかるようなことを、大企業はパッとやれてしまう。でも、フェイクのようなこともいっぱいあります。つまり相対的にはいいことですが、ちゃんと判断する目は、持ってなきゃいけない。でも注目されて関心を持たれるのは、トータルとしてはいいことですけどね。

ー 後は、こだわりを持って育てられた野菜は、価格が高いということで、苦手意識を持たれることがありますよね?

鈴木: このお店の近くで、僕たちも畑を持っていて、そこで野菜を育ててます。自分たちが食べる用のものですけどね。でも、やればやるほど農家さんへのリスペクトが増えるばかり。こんな大変なことをしてくれているんだと、ちゃんと自分たちが感じられるのは重要。先ほどの話で言えば、オーガニックや有機野菜は、価格が高いと言われますが、僕らは高いとは思いません。それは適正価格なんですよと。なんであんなにスーパーの野菜が安いのかを考えてほしいんです。企業努力もあるので、全てが「安い=悪い」というわけありませんが、どこかに負担や無理は出ている。それは覚えておいて欲しいですね。

INFORMATION

micotoya house

住所:神奈川県横浜市青葉区梅が丘7-8
Instagram:@micotoya

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