Case02 残糸、残布を使ったアップサイクルニットウェア、ライテンダー。
PROFILE
商社の繊維事業部でOEM営業として働く。退社後にインターン先のアパレルブランドで小池と出会い、帰国後の2018年に〈ライテンダー〉の運営を手掛ける会社「インターソナー」を設立。
工場には大量の原料が余っている。
ー どういう経緯で〈ライテンダー〉をスタートしたんですか?
澤木:僕は商社で働いていたのでOEMで生地を納品したりと、工場さんとの繋がりもありました。だから、工場には糸や布が余っているものがたくさんあることを認識していました。そこで、余ったものを使ってブランドを始めようと、〈ライテンダー〉をスタートしました。残糸や残布は安く仕入れているので、製品も安くできるので消費者はハッピー。さらに、不要な生地を買い取るだけでなく、製品化して工場を回し工賃を生むので工場もハッピー。もちろん僕らもハッピーという、みんなにとっていいことなんです。
小池:ニューヨークでは、食品がどこからどうきたのかトレースできるようになっていて、環境に配慮することが当たり前でした。そういった経験もあり、ものづくりをするのであれば、サステナブルというのは必要条件になるだろうなと。
ー 残糸、残布を基本使うにあたり、確保することの難しさは?
澤木:よく聞かれますけど、そんなに難しくないんです。それくらい布や糸が余っているということなんでしょうね。日本でもイタリアでも、余っている布を工場側も売りたくて、ブランドをスタートした後に、逆にこういうのありますよと声をかけてもらうことが増えました。工場には、サステナブルな生地と言われる再生ポリエステルが大量に残っていたりして、矛盾しているなあと。皮肉ではないんですが、それを使って今度服を作る予定です。
ー デザインを担当する小池さんとしては、面白さはどこにありますか?
小池:いい原料もたくさん見つかるんです。普通の服の作り方とは逆で、デザインが先ではなく、この糸ならこの形がいいとか、考えるのが楽しいですね。
ー 作り方として、ニットを選んだのは?
澤木:ニットはロットに左右されないんですよ。編み方を変えることで、いろいろなテキスタイルを作れるし、厚みや編み方を変えるだけで、見え方も変わります。糸の量がそんなに多くない場合に、ハマる作り方なんです。
ー 今はどういった場所で販売していますか?
小池:オンラインのほか、代々木上原のお店「デルタ(DELTA)」さんでポップアップ的に販売させて頂いています。今後は、コロナの影響もあってEC上で購入することに抵抗がより少なくなったと思いますが、D2Cのやり方を活かしつつ店舗の良さを生かした売り方を考えています。服は感情に訴える商品なので、やはり対面接客など、人との関係が大事だと思うんです。だから効率化して人を省いていくのでなく、リアル店舗とECをうまく組み合わせた、面白い売り方を今考えていて、近々実現します。