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フイナムのSDGs Vol.2  ファッションのサステナビリティはどこに宿るか。
MONTHLY JOURNAL APR.2021

フイナムのSDGs Vol.2
ファッションのサステナビリティはどこに宿るか。

1回目に続く、SDGs企画の第2弾。これからの時代を考えるのに必須のSDGsについて、服を通じて考えます。今回は〈テクスト(Text)〉、〈マーカウェア(MARKAWARE)〉というサステナブルの代名詞的ブランドを手がける石川俊介さん、そして残糸、残布を使ったアップサイクルニットウェア〈ライテンダー(RYE TENDER)〉を手がける澤木雄太郎さん・小池勇太さんに、ファッションにおけるSDGsの話を伺いに行って来ました。

  • Photo_Kazunobu Yamada
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Ryo Komuta

服を楽しむというスタンスから。

ー そういえば、〈ライテンダー〉のインスタのアイコンは、以前羊だったのが、今は魚になっていますよね。

澤木:羊は春夏には暑苦しいなと。春夏はウールものを販売しないので、清涼感のあるビジュアルにしたいということで魚を使ってます。秋冬には羊が戻ってくる予定です(笑)。アイコンがコロコロ変わるくらいのテンションで、お客さんには楽しんで欲しいなと。

小池:アメリカにいたときに思ったのは、アメリカの人は自分が可愛いと思えば、周りの目を気にせず着るんですよね。日本は、周りの目を意識してしまう人が多い。だから、そういう楽しむ雰囲気がアイコンを通じて、少しでもにじみ出ていたらいいなと思ってます。

ー SDGsがすごく注目を浴びていると思いますが、どうですか?

小池:言葉だけを追って内容が形骸化してしまわぬよう、作る側も使う側もSDGsの本質と向き合うことが大事だと思います。 受け取り手のリテラシーも上がっているので、セールストークとしてのSDGsはいずれ見破られると思っています。

澤木:長い間根をはった産業は、雇用・労働や環境の問題など複雑に絡み合っているケースもあります。一方向からの見方ではなく、当事者の意見にも耳を傾け個別に対応して行くことが大事だと考えています。現実として児童労働が国の産業を支えている場合があって、なくすと路頭に迷ってしまう子供もいます。白か黒かで簡単に判断できない場合もあるんですよ。

澤木:SDGsに関する各所の取り組みは見聞きしますが、正直なかには本当かと疑ってしまう物もあります。僕らはタバコも吸いますし、特段サステナやエシカルな生活を意識して送っているわけではありません。スタンスとしては、自分達が出来る範囲で無理をせず、しかし継続させることを大事にしています。そのためにも、中身を偽らず誠実にやるしかないんです。

ー 誠実さも大切な一方で、ビジネスセンスも必要という…。

澤木:作ったものを、余らせてしまってはダメで、どうやって最適な形で処理するのかというのは大切ですね。アイテムも色、形を増やせば、必ず在庫が出てしまう。秋冬は、おかげさまでうまくいって、95パーセント以上消化できました。でも規模感を考えると、どれだけ大きくしても売り上げの上限はそんなに高くないのはわかってます。あと、工場の閑散期をめがけて発注するなどの工夫をすることで、工場にもメリットがある条件を提示しつつ、価格を抑えることが大切です。それと小売をやってわかったのは、お客さんに購入してもらって、初めて利益になります。だからこそ、ちゃんと売れるものを作ることが大事だと感じました。

ー そういう意味では、〈ライテンダー〉の服は、ベーシックながらも、トレンド感もあるアイテムが多いですよね。

小池:SDGsの前に、まずはものが可愛い、欲しくなるというのが大前提です。

>澤木:余っている糸や布がもったいないから始めたこと。あまり気負いすぎず、まずはそれくらいの温度感でもいいのかなと思ってます。

INFORMATION

マーカウェア / テクスト

PARKING
電話:03-6412-8217

ライテンダー

株式会社TUTTI FRUTTI
電話:03 4405 1444
info@8tuttifrutti.com

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