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比類なき新鋭セレクトショップ UNFOLLOWを紐解く3つの視点。
Unfollow the rules.

比類なき新鋭セレクトショップ
UNFOLLOWを紐解く3つの視点。

“追従しない”をコンセプトに掲げ、2017年に始動したセレクトショップ「アンフォロー(UNFOLLOW)」が、21SSシーズンから新たな舵を切りました。リブランディングを経て、その気高きコンセプトにいっそう磨きをかけながら、性別の垣根を越えて若者たちを中心に支持を得ているようです。その比類なき脈動は、フイナムでもおなじみ、「レショップ」や「ウィズム」といった「ベイクルーズ」グループきっての名ショップの黎明期を思わせます。そんな「アンフォロー」の素顔に迫るため、移転オープンした東京店へ。リブランディングのあらましから、オリジナルブランド〈フォル(FOLL)〉のデザイナーとスタイリスト髙橋ラムダさんとの対談、そして21SS最新アイテムを使ったスタイリングまで、3つの視点でショップを紐解きます。

  • Photo_Kyouhei Yamamoto
  • Text_Masahiro Kosaka(CORNELL)
  • Model_Kenta Sakamoto
  • Edit_Yuri Sudo

TOPIC 2. FOLLにまつわる、ふたりの証言。

シーズンテーマをひたむきに追究し、骨身を惜しまず生産背景にこだわり抜く。新鋭でありながら底なしの胆力を見せる〈フォル〉は、ファッション識者の目にどう映るのか。デザイナー平沢幹太さんの手引きにしたがって、スタイリスト髙橋ラムダさんとともに紐解いてみます。

PROFILE

平沢幹太
デザイナー・ファッションアドバイザー

1997年生まれ、東京出身。大学在学中より、ドメスティックブランドでアシスタント業務をおこなう。2020年に新卒で「ベイクルーズ」グループに入社し、セレクトショップ「アンフォロー」にてショップ店員をつとめたのち、現在はオリジナルブランド〈フォル〉のデザイナーとして奮闘中。
Instagram:@kanta_0509

PROFILE

髙橋ラムダ
スタイリスト

1977年生まれ、東京都出身。「ビームス」で販売員を務めたのち、編集業やヴィンテージウェアのバイイングを経験し、スタイリスト白山春久氏に師事。現在は自身のブランド、〈R.M GANG〉にてデザインも行っている。
YouTube:髙橋ラムダ
Instagram:@tkhslmd

最上のクオリティーを、低価格で。

ー 今回デザイナーの平沢さんには、21SSの新作から3型を事前にピックアップしてもらいました。まずは、今季のシーズンテーマをもっとも象徴するというデニムについて見ていきたいと思います。

平沢:21SSのシーズンテーマは「Western Military Academy」です。1740年代から1970年代までつづいたアメリカの軍事学校の生活様式を着想のもとにしていて。このデニムにも、ウエスタンディテールを随所に詰め込んでいます。

ー ウォッシュタイプとノンウォッシュタイプで、3色あるのですね。

平沢:ウォッシュをかけたブルージーンズは、90年代の古着のようなリアルな色落ちをかなり正確に再現しました。それでありながら、古着にはぜったいにないデザインバランスを表現したつもりです。最近は、デニムをスラックスみたいに穿きたいという若い子たちも多いので、ブルージーンズ以外はリジッドで用意しています。

髙橋:つくりは、レザーパンツっぽいんですかね?

平沢:そうなんです。70年代のレザーパンツのディテールは、細かく踏襲しています。なかでもベルトループの縫製は、忠実に再現するのに本当に苦労しました。レザーパンツに運針が入っているイメージでステッチ幅を粗くしたかったのですが、細い針しか現存しない日本では縫えないんですよね。そこで、中国北部にあるワーキングウェア専門の縫製工場を探して、そこに依頼しました。

髙橋:〈R.M GANG〉のファーストシーズンでも、ウエスタンディテールのパンツをつくったんですよ。縫製については俺も同じようなことをしようとして、そういえば、たしかに工場には嫌がられたな~(笑)

ー 生地については、すべて同じものを使っていますか?

平沢:この13.8オンスのリジッドの生地は、じつは10数年前に廃業してしまった日本のメーカーのものなんです。ムラ糸を使っていないのにムラがでるという変わった生地。当時の残り物が見つかったのであるだけ使わせてもらって。なので、限定10本の販売です。

髙橋:こんなのドメブラがふつうにつくったら、絶対3、4万はしますよね。あっちのスウェットとかも、Tシャツくらいの値段だし……。この価格帯でやられたら、もう自分のブランドやるの嫌になっちゃうよね(笑) 

平沢:クオリティーはぜったいに落としたくないと思っています。でも、このデニムがあと数千円高くなるだけで手に取れなくなる若い子たちもいる。だから生産工程にあらゆる工夫をすることで極限まで低価格にして、「手間ひまかけて丁寧につくった服って、こんなにいいんだよ」ということを同世代のお客さんにも見せてあげたいんです。洋服にお金をかけることの楽しさを知ってもらうためのエントリーラインに、このブランドがなってくれたらと。

INFORMATION

UNFOLLOW TOKYO

住所:東京都渋谷区神宮前5-10-7 5107ビル 1F・B1F
電話:03-3486-0906

UNFOLLOW OSAKA

住所:大阪府大阪市浪速区難波中 2-10-70 なんばパークス1F
電話:06-6635-5005

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