Key Item 04_HEAVY FLANNEL SHIRTS 色と柄で作る、洒落たネルシャツの着こなし。

〈イッツ インキンスピキュオウス プレセンツ × ファイブブラザー〉ネルシャツ ¥19,800(ディア 中目黒)、〈モクティ〉パーカー ¥20,900(ユナイトナイン)、〈プロパー〉パンツ ¥10,780(ハイ!スタンダード)、〈ヴァンズ〉スニーカー ¥5,170 (ヴァンズ ジャパン)、〈オリバーピープルズ〉アイウェア ¥33,220(ルックスオティカジャパン カスタマーサービス)
70年代、自然回帰なヒッピームーブメントが起こるにつれて、アメリカでドンドンと高まっていったアウトドア熱。街中でもロングトレイルを踏破したスルーハイカーや週末キャンパーが闊歩し、一気にアウトドアウェアがファッションアイテムとして認知されるようになりました。その中で定番アイテムだったのが、もともと木こりなど野外作業者のシャツとして誕生したアイテムゆえに、街中と自然を行き来するライフスタイルに最適だったヘビーネルシャツ。
90年代にはカート・コバーンの例を挙げるまでもなくグランジに欠かせない品として再び脚光を浴びましたが、その後はヘビーデューティな出自ゆえの土臭さもあってしばらくトレンドから距離があったアイテムでもあります。しかし、だからこそアメカジブーム前夜のいま、あえて選ぶのが面白いのです。

もともと汚れが目立たないように、と考案されたネルシャツのチェック柄。言い換えれば、その色味と柄こそが最大の顔にしてポイント。つまり、ベーシックから思い切り離れた大胆に大きな柄使いや、彩度の高いペールトーンのカラーリングで着こなせば、一番手っ取り早く洗練されたネルシャツコーデが完成します。こちらのようにボックス裾のアイテムなら、シャツジャケ的な感覚でレイヤードしやすいのも嬉しいところ(ヘビーデューティの真髄と言えば重ね着、でもあります)。シャツそのものにインパクトがあるため、インナーやパンツはベーシックにまとめるのがポイントです。

ネルシャツを選ぶ際にまず大前提として抑えておきたいのが、ヴィンテージに無い配色とチェックの柄ゆきのもの。無限と言えるほど存在するネル生地ですが、意外とヴィンテージ市場ではアーシーなものが中心。むしろ土臭くなり過ぎない洗練されたカラーを探すなら、現代のアイテムからのほうがやりやすいはず。デザインも最近の流れを踏まえたものが見つかりやすいでしょう。とは言え、ネルシャツは生地の風合いも重要な要素につき〈ビッグマック〉や〈ファイブブラザー〉、〈ビッグヤンク〉といった、しっかりとしたバックボーンを備えたブランドの生地を使用したものなら安心じゃないでしょうか。

its inconspicuous presence × FIVE BROTHER
FLANNEL SHIRTS
1890年、ニューヨークにて創業された老舗ワークウェアブランドにしてネルシャツの定番、〈ファイブブラザーズ〉に別注をおこなったヘビーネルシャツ。ワークらしいフラップ付き角型ポケットのボディはワイドな身幅でリラックス感のあるシルエット。パステルやネオンを思わせる洗練された柄と色の生地は、しなやかながらコットンフランネルらしいドライタッチ感も兼ね備えています。1万9,800円(ディア 中目黒)