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ヴィンテージ・サッカーウェアのいま。
MONTHLY JOURNAL NOV.2022 FOOTBALL DAYS vol.2

ヴィンテージ・サッカーウェアのいま。

90年代リバイバルやワールドカップの後押しもあってか、ヴィンテージのサッカーユニフォームやアパレルに注目が集まっています。そこで今回は、サッカー好きの俳優・遊屋慎太郎さん、スタイリスト・シュンサクさんとともに、往年のサッカーグッズを揃える古着屋「roster vintage」を訪問。オーナーの一ノ瀬達仁さんをナビゲーターにお迎えし、ヴィンテージ・サッカーウェアをテーマに3人であれこれ語ってもらいました。さらに、「roster vintage」のアイテムを使った3つのスタイルサンプルもご紹介します。

  • Photo_Kyouhei Yamamoto
  • Styling_Shunsaku
  • Model_Shintaro Yuya
  • Edit_Soma Takeda
  • Special Thanks_roster vintage

ファッションとしてサッカーウェアを楽しむ。

ー 一通りみなさんのサッカー歴をお聞きしたところで、早速本題に移っていきたいと思います。ここ1,2年、ヴィンテージのサッカーユニフォームやアパレルをファッションとして着るひとが増えたと思うんですけど、そのきっかけって何だと思いますか?

一ノ瀬:90年代の古着がいま流行っているじゃないですか。その流れで昔のサッカーウェアにたどり着くひとが多いような気がしています。90年代特有のシルエットやデザインが、特に若者に刺さっているんじゃないかなと。

遊屋:いまはテックっぽいファッションが流行っていて、ユニフォームとかってそういうコーディネートに取り入れやすいってことも影響してそうですよね。

ー スタイリストのシュンサクさんとしてはいかがでしょうか?

シュンサク:個人的に一番大きなきっかけは〈ゴーシャ・ラブチンスキー(Gosha Rubchinskiy)〉の存在だと思っていて。2017年頃、〈ゴーシャ〉が〈アディダス(adidas)〉とコラボしてサッカーモチーフのコレクションを出したときに、ファッション好きたちがユニフォームを普通に街中で着るようになったんですよ。そこから、サッカーのユニフォームやジャージがひとつのファッションとして認識されるようになった気がします。

ー なるほど。それぞれ違った観点で面白いですね。

遊屋:ぼくは特定のチームをちゃんと応援してるタイプじゃないから、ファッションとしてユニフォームを着ていいものなのかって思う部分はあります。バンTと同じようなもので。でも、〈アディダス〉の「サンバ」は普段から履いてますし、服を選ぶときにサッカーに関連したものはやっぱり目につきますね。

ー 一ノ瀬さんとしては、いまの遊屋さんの意見に対してどう思いますか?

一ノ瀬:お店に来てくれるひとの中には、デザインがかっこいいからっていう理由でユニフォームを着ている子も多くて。もちろん遊屋さんの意見もわかるんですけど、自分的にはTシャツを選ぶのと同じように、ファッションとして割り切って自由に楽しんでもらいたいですね。

シュンサク:ぼくもモノが先で、そこからカルチャーを知ることが多いタイプです。例えば、いま着てるジャケットはノッティンガム・フォレストのものなんですけど、デザインが好きだったら、ノッティンガム・フォレストを調べるきっかけにもなるだろうし。だから、応援しているチームがなくても、まずは好きなデザインのアイテムを探すところから始めればいいと思います。

ー ちなみに「roster vintage」ではどういうアイテム提案されているんですか?

所狭しとサッカーグッズが並ぶ「roster vinatge」の店内。

一ノ瀬:取り扱っているのは基本的に90年代のもの。商品ラインナップとしては、お店を始めた当初はユニフォームがメインだったんですけど、いまはジャケットやジャージだったり、街で着やすいアパレルアイテムの方が多くなりましたね。

遊屋:ヴィンテージのユニフォームを売ってるお店はいくつかあると思うんですけど、こういうファッション的なアイテムを置いてあるのがすごいですよね。

ー 確かに。こうしたアイテムはどこで仕入れられているんですか?

一ノ瀬:一緒に「roster vintage」をやってる友達がもうひとりいて。彼が仕事でヨーロッパに行ったときに買い付けて来ることが多いです。あとはリサイクルショップで見つけることもありますし、古着の卸売倉庫に行ってみたりもしています。

シュンサク:「roster vintage」のすごいところは、当時全然活躍してなかったり、1年しか在籍してなかったようなレアな選手のユニフォームを揃えているところ。バイヤーの方が長身ストライカー好きで、クラウチとかハリステアスみたいな選手のユニフォームを置いているのも面白いんです。そんなコアな観点でセレクトをしてるお店は他にないので。

遊屋:お店の色が出ていて面白いですよね。大人のサッカーファンはもちろんですけど、サッカー好きの子供にとってもこの空間はたまらないんじゃないですか。壁に貼ってあるポスターも懐かしい。雑誌の付録だから、折り目がついている感じとか。

シュンサク:このポスター、リバーシブルだからどっちを表にするかめっちゃ迷うんですよね(笑)。

遊屋:そうそう(笑)。

ー いまはどのチームのアイテムが人気なんですか?

一ノ瀬:リーグの人気に比例して、いまはプレミアリーグ全般、特にマンチェスター・シティが人気ですね。自分は世代的にセリエAが好きなんですけど、若い子は断然プレミアファンが多いです。

シュンサク:ぼくが小学生のときはセリエAが一番人気だったんですけどね…。

一ノ瀬:ミランとかユヴェントスが強かった時代だからね。90年代はセリエAが世界トップのリーグだったこともあって、実際その年代のアイテムだとセリエAのものが多いんです。

シュンサク:あと、サッカーウェアにはバンドTみたいにブートもあって。同じように、90年代につくられたブートはセリエAのものが多いですね。90年代は水道橋、神保町あたりにいくつかサッカーショップがあって、そういうショップがブートのグッズをつくってたみたいで。

INFORMATION

roster vintage

住所:埼玉県春日部市備後東4-9
時間:15:00〜21:00(不定休)
電話:048-797-8748
Instagram:@roster_vintage

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