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ヴィンテージ・サッカーウェアのいま。
MONTHLY JOURNAL NOV.2022 FOOTBALL DAYS vol.2

ヴィンテージ・サッカーウェアのいま。

90年代リバイバルやワールドカップの後押しもあってか、ヴィンテージのサッカーユニフォームやアパレルに注目が集まっています。そこで今回は、サッカー好きの俳優・遊屋慎太郎さん、スタイリスト・シュンサクさんとともに、往年のサッカーグッズを揃える古着屋「roster vintage」を訪問。オーナーの一ノ瀬達仁さんをナビゲーターにお迎えし、ヴィンテージ・サッカーウェアをテーマに3人であれこれ語ってもらいました。さらに、「roster vintage」のアイテムを使った3つのスタイルサンプルもご紹介します。

  • Photo_Kyouhei Yamamoto
  • Styling_Shunsaku
  • Model_Shintaro Yuya
  • Edit_Soma Takeda
  • Special Thanks_roster vintage

サッカー好きの琴線に触れる「roster vintage」のアイテム。

ー ここからは「roster vintage」にあるアイテムから、それぞれのおすすめをピックアップしてもらいました。まずは一ノ瀬さんからお願いします。

ローマ ユニフォーム ¥28,000

一ノ瀬:まずはローマのユニフォーム。トッティといえば10番のイメージがあると思うんですけど、これは彼がトップチームに上がりたてのときのもので、背番号が20なんです。トッティが10番をつけるようになったのは、たしか21歳ぐらいからなので、この背番号の期間は短くて貴重ですね。

遊屋:ローマは〈カッパ(Kappa)〉のイメージがありますけど、〈アシックス(ASICS)〉っていうのがいいですね。

一ノ瀬:これを見ると、いかに〈アシックス〉がいいメーカーなのかっていうのが改めてわかりますよね。メーカーもそうですけど、スポンサー次第でユニフォームの人気って結構変わるんです。アトレティコのスポンサーを映画配給会社がやっていたときは、宣伝のために映画のロゴが胸にデザインされたりしていて。特に『スパイダーマン』のロゴが入ったユニフォームはデザインもよくて人気ですね。

シュンサク:それで言うと、「任天堂」がフィオレンティーナのスポンサーをやっていた時代もありましたよね。その当時、フィオレンティーナのホームスタジアムで試合するとき、ゴールを決めると電光掲示板にマリオ、失点するとワリオが出るみたいな面白い仕掛けもあったりしたらしいです。

ー 続いてはマンチェスター・ユナイテッドのアイテムですね。

マンチェスター・ユナイテッド ジャケット ¥32,000

一ノ瀬:90年代後半ぐらい、ユナイテッドの黄金期のアイテムです。〈アンブロ(UMBRO)〉製なんですけど、同じようなデザインでイングランド代表verがあったり、シリーズ展開されていたみたいです。デザイン自体がかっこいいのはもちろん、ポイントは胸の14。時代を考えるとおそらく、ジョルディ・クライフだと思うんですけど、現地のサポーターが自分で刺繍したっぽいんですよね。

ー これはどういう用途で使われていたアイテムなんですか?

一ノ瀬:雑誌などでも見かけたことがなくて推測になってしまうんですけど、選手用のトレーニングウェアか、もしくはコーチ陣だけが着るウェアだったんじゃないかなと。スポーツウェアっていうより、ストリート色が強くて〈シュプリーム(Supreme)〉あたりが出してそうなデザインがグッときますね。

遊屋:これはめちゃくちゃかっこいい。ユナイテッドといえば、ぼくの中ではやっぱりベッカムのイメージです。

シュンサク:ぼくはアーセナルをずっと応援してましたけど、ユナイテッドには点を決められた記憶しかないですね(笑)。

ー シュンサクさんはアイテムを絞るのに大分時間がかかっていましたね。

ジョルカエフ ポロシャツ 参考商品

シュンサク:いいアイテムばっかりで悩みました(笑)。その中でまず選んだのが、ジョルカエフのポロシャツ。一体誰がつくったんだっていう謎のデザインです。これはブートですかね?

一ノ瀬:よくブートについているタグじゃないから、もしかしたら誰かが個人でつくっちゃったやつかも。

シュンサク:そうなんですね。これ、ジョルカエフの色んな写真をコラージュしているんですけど、一番やばいのがジャケットを着てるジョルカエフがいるんです。なんでこの写真を選んだのか謎すぎるし、なんでポロシャツでつくったの?っていう。普通Tシャツじゃないですか。違和感しかない一枚ですね。

トッテナム ベンチコート ¥28,000

シュンサク:もうひとつが、トッテナムのベンチコート。アーセナルのライバルチームなんで、これを選ぶのは悔しいところですけど、デザインが完璧です。さっき一ノ瀬さんが紹介していたユナイテッドのアイテムと同じように、このベンチコートもシリーズ展開されていて、他のチームverもあるんですけど、中でもこれが圧倒的に配色がいいですね。

遊屋:クラブのエンブレムがいまと全然違いますね。トッテナムが〈アンブロ〉っていうのも新鮮。

シュンサク:個人的には、昔も今もプレミアリーグの中で一番おしゃれなチームはトッテナムだと思います。トレーニングウェアだったり、キーパーユニフォームのカラーリングが絶妙なんですよ。

ー では最後に遊屋さん、お願いします。

ユヴェントス キャップ ¥5,000

遊屋:ユヴェントスのキャップを選んだのは、昔のゴールキーパーにキャップを被っているひとがちらほらいて、そのスタイルがすごいかっこいいなと思ったから。『キャプテン翼』の若林君もそうですし。ぼくも普段よくキャップを被ってるので、これならさらっとサッカー要素をファッションとして取り入れられるなと。メーカーが〈カッパ〉で、このなんとも言えないいなたさも好きです。

シュンサク:〈カッパ〉〈ディアドラ(DIADORA)〉あたりは、昔からサッカーしていたひとには刺さると思います。ユヴェントスは2,3年前に〈パレス(PALACE)〉とコラボしてましたけど、このキャップを見ると、昔からおしゃれだったのが分かりますね。

遊屋:最近増えましたよね、サッカークラブとファッションブランドのコラボ、。もうひとつ選んだ、〈ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)〉がデザインしたレアルのサードユニフォームもそういう文脈のアイテム。ファッションデザイナーがスポーツウェアをデザインするのがいいなと思って。昔はたしかジョルジオ・アルマーニがどこかのチームのユニフォームをデザインしたりもしてましたよね?

レアル・マドリード × ヨウジヤマモト ユニフォーム ¥10,000

シュンサク:アルマーニはイタリア代表ですね。あと、いつかのイングランド代表のユニフォームでリバーシブルのものがあったんですけど、それはポール・スミスのデザインでした。

一ノ瀬:ユニフォームではないですけど、いまだとインテルの移動着を〈モンクレール(MONCLER)〉が手掛けたりもしてますね。

遊屋:意外と結構あるんですね。こういう取り組みがきっかけで、サッカーに興味を持つひとが増えるといいですよね。

INFORMATION

roster vintage

住所:埼玉県春日部市備後東4-9
時間:15:00〜21:00(不定休)
電話:048-797-8748
Instagram:@roster_vintage

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