FEATURE | TIE UP
off the hookと釣りのいい関係。
Good Thing, Good Fishing.

off the hookと釣りのいい関係。

フイナムではこれまでバス釣りをメインに釣りの記事を発信してきましたが、釣りにはもっとたくさんの楽しみ方があります。そこで今回は写真家の平野太呂さんの声がけによって集まった、ナカムラグラフの主宰でデザイナーの中村圭介さんとライターの村岡俊也さんによる、水辺の同人誌『off the hook』チームの“へらぶな釣り”に密着しました。ちなみに、3人とも、しっかりアラフィフ。そんな愉快な!? おじさんたちによるへらぶな釣り体験記と『off the hook』のあれこれについて、前後編に分けて紹介します。

  • Video Direct & Edit_Rui Shimamoto, Woomin Gen
  • Videography_Ryuichi Tani, Ray Otabe, Woomin Gen
  • Edit_Jun Nakada
  • Special Thanks_DAIWA

いざ、へらぶな釣りの沼へ。

普段はみんなそれぞれ違う釣りをしているoff the hookチーム。でも今回は、みんなで一緒に釣りに行くならってことで、平野さんが「へらぶな釣りがいいんじゃない?」と提案。これをきっかけに本企画がスタートしました。平野さんは経験者。中村さんと村岡さんは初心者ということで、平野さんのレクチャーを受けながら挑戦することにします。

遡ること数ヶ月前。肌寒い早朝の渋谷に3人の姿がありました。世間話もそこそこに、クルマに乗り込み向かったのは、千葉県富津市にある釣り堀(ダム湖)「戸面原ダムボートセンター」。

平野:今日は俺が釣れなくて、二人だけ釣れるとかあるかもね。

中村:いや、全員坊主だったりして(笑)

村岡:まぁ、釣れないのも釣りだからね。そういえば、へらぶな釣りにハイシーズンってあるのかな?

平野:季節ごとに楽しみ方があって、年中釣れるのがいいところなんだけど、春は産卵、夏は水温が上がって活性が高くなって釣れすぎちゃったり、冬はその逆でなかなか魚が底から動かないから、個人的には秋が好きかなー。だから、今日は楽しめると思うよ。

へらぶな釣りで使用する主な道具は、竿、ウキ、仕掛け、餌、餌を作るためのボウル、万力&竿掛けなど。リールは使いません。竿とほぼ同じ長さの道糸にウキを付け、そしてハリスの長さの違う2つハリといった仕掛け、これらを竿の穂先に道糸を結び付けて、餌の分量を調節しながら、竿のしなりだけでへらぶなとのやり取りを楽しみます。

竿を取り出す二人。予想以上の軽さに感動。

色鮮やかなウキ。同じように見えてすべてサイズが違う。

ウキの浮力バランス、それに合うハリスの長さ、そのウキにフィットする餌の配合に至るまで、細かい設定がへらぶなのアタリを引き出すコツ!

平野:ウキに赤黄色緑赤黄色緑みたいに目盛りがついていて、餌がついていない状態で止まるところを餌落ち目盛りって言うんだけど、これを投げる前にちゃんと調整して、把握しておかないとアタリを見逃すんだよね。

中村:たしかに。餌の配分が難しそうだなー。

平野:そうそう、人それぞれ理想があるんだよね。餌は基本的にバラケエサ(麩を粉末状にしたもの)とクワセエサ(ウドンやトロロなど)の2種類あって、上の針がバラケエサで下の針にクワセエサを付けるのがセオリーみたいになってるけど、別に気にしなくて大丈夫。なんとなく下の針で釣れた方が偉い感はあるけどね(笑)。じゃあ、早速やってみよう!

餌をつけると深く入っていって馴染んで、餌がなくなると、その餌落ち目盛りまでウキが上がってくる。そしたら竿をあげて、餌を付け直してまた振り込む。そうやって、へらぶなの回遊するタナ(泳層)と餌の食いつき具合を頭の中でイメージしながらトライ&エラーを繰り返すことで、徐々にアタリを引き出す解像度を上げていきます。