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FEATURE
着ぶくれ手帖金子恵治とバウワウによる、愛嬌のあるものづくり。
Keiji Kaneko × BOW WOW

着ぶくれ手帖
金子恵治とバウワウによる、愛嬌のあるものづくり。

バイヤーの金子恵治さんが、ファッションに関するありとあらゆることを掘り下げていく連載「着ぶくれ手帖」。今回は、ストリート経由の視点で古着を見つめる〈バウワウ〉のディレクター、権守健一さんが登場。リアルなヴィンテージ加工を得意とする同ブランドのアイテムを、金子さんが調理したら、見事なまでに素朴で“愛嬌”のある服が生まれした。古着をキーワードとしたふたりのファッション談義を中心に、今回のコレクションが生まれた背景に至るまで、服に対する果てしない情念の記録をお届けします。

PROFILE

金子恵治

ファッションバイヤー。セレクトショップ「エディフィス」にてバイヤーを務めた後に独立。自身の活動を経て、2015年に「レショップ」を立ち上げる。現在は同ショップのコンセプターを務めると共に、さまざまなブランドやレーベルの監修も行う。

PROFILE

権守健一

千葉県柏でセレクトショップを設立後、原宿の「ロストヒルズ」にてオリジナルブランドやライセンスブランドの企画・生産等を担当。経験を積んだのちに独立し、自身のブランドである〈バウワウ〉を2017年に立ち上げた。

バウワウのアイテムが権守さん自身だった。

ー今回のコラボレーションはすごく意外性のある組み合わせでした。まずはおふたりの出会いからお話を聞かせてください。

金子: 実はまだ、関係性としてはそこまで深くないんですよ。今日で会ったのは5回目くらいかな? このコラボレーションも会った瞬間にはじまっちゃった感じがあって(笑)。ぼくはこの対談で、権守さんのことをもっと知りたいなと思ってるんです。時間を巻き戻してみて、だから共感できたんだっていうのを確かめたいというか。

ー答え合わせのような感覚ですか?

金子: そうですね。はじめて会ったのは〈バウワウ〉の展示会で、その後に食事に行きましたよね。

権守: あとは「ブティック」にもお邪魔させてもらって。

ー〈バウワウ〉の存在はご存知だったんですか?

金子: もちろんブランドのことは知っていましたが、どういうものづくりをしているかまでは知りませんでした。それで共通の知人を介して展示会に行く機会があって、ちゃんと服を見てみたら、すごいなって思ったんです。このひと、古着が本当に好きなんだなというのを感じて。他のデザイナーとはちょっと違うというか。デザイナーなんだけど、古着好きのお兄ちゃんって感じなんですよ(笑)。

権守: 展示会に金子さんが来るということを聞いて、レイアウトを金子さん仕様にチェンジしたんです。古着とかも混ぜてたんですけど、それも金子さんに刺さりそうなものをピックアップして。

金子: 床にいろいろと置いてましたよね。

権守: ちょっとだけズラしたアイテムを置いてみたんです。それがあることによって、ちょっと空気感が変わるようなものというか。自分が持っているブーツとか、普通のひとなら反応しないようなアイテムなんですけど。

金子: すごくわかりづらいやつでしたね(笑)。普通の古着屋ではまず置いてないようなマニア路線のアイテムというか。

権守: ローズボウルに行ったときに、どうしても欲しくて買ったやつとか、ちょっとズレたセンスのやつですね。だけど自分ではすごくいいなって思っているものなんですけど。

それで金子さんがいらっしゃって、話をしてみたら、とんでもなく掘ってるひとだというのがわかって。自分とはまったく違うところで掘っているのは明確なんですけど、どこか共通する部分も感じたんです。

金子: 権守さんは千葉や原宿がメインフィールドだったと思うんですけど、ぼくは吉祥寺がベースで、あとは下北や上野に行っていたんです。どちらかというとローカルな目線で古着を見ていたというか、おじさんの店主から情報をキャッチするみたいな感じでした。あとは新品の服も同時に見ていたから、そういう部分でも視点がちょっと違うのかもしれないですね。

ーそして展示会で金子さんはただならぬものをキャッチしたと。

金子: 権守さんの古着がチラチラと目に入ってきて、異質なムードを感じましたね。ブランドのすごさもそうですけど、なによりもそれをつくっている権守さん自身が気になって。〈バウワウ〉のアイテムが権守さん自身だったんです。それってブランドを選ぶときにすごく重要なんですよ。お店で接客されながら、「このひとから買いたい」って思うことがあると思うんですけど、ぼくもそうゆうタイプなんです。

ープロダクトとデザイナーがリンクしていないと、モヤモヤしたものを感じますよね。

金子: モノが発するオーラってあると思うんですけど、そうゆうものと繋がる気がしますね。

INFORMATION

『バウワウのすゝめ』 金子恵治

会期:12月2日(土)〜12月3日(日)
場所:BOUTIQUE
住所:東京都港区北青山2-12-42 秀和第二北青山レジデンス 1F
時間:12:00〜19:00

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