「どう? いいでしょ?」って確認したい。
ーちなみにおふたりのプロジェクト名ってあるんですか?
松浦: いろいろ考えたんですよ。ぼくと金子さんはご近所同士だから、地名にちなんだ名前とかね。だけど、名前をつけるとそれに縛られちゃう感じがして、自由じゃなくなるような気がして。いまのところ名前はつけない方向で考えてますね。だからタグもつけません。そんなテンションなので、今後についてもあまり期待しないで欲しいというのがぼくらの考えていることで。あるかもしれないけど、やっぱり気分次第というところなんです。今回のシャツも、本当は売るんじゃなくて、友だちや知人に配りたかったんですよ。
金子: そんな話してましたね(笑)。
松浦: 売りたくなかったんですよ(笑)。各サイズ50枚くらいづつつくって、お歳暮で配るっていう(笑)。
金子: 弥太郎さんって発想が小学生みたいなときありますよね(笑)。
松浦: 最初はボタンも全部つけないでおこうって言ってましたよね。
金子: そうでした(笑)。
ーどうゆうことですか?
松浦: ボタンと裁縫道具を付属として、自分で縫い付けてもらいたかったんです。「シャツのボタンくらい、自分でつけよう」というメッセージというか。それで自分のものになるという意味も込めて。だけど、それはやりすぎということで、結局裁縫道具だけ付属することにしました。シャツの生地と共地の小さなポーチも一緒につけて。

金子: めちゃくちゃ弥太郎さんらしいアイデアですよね。ポーチは権守さんが「SERVICE BOTTUN BAG」っていう裁縫用の古いアイテムを見つけてきてくれて。それをサンプリングしてますね。
松浦: これがシャツについてたら、なにか感じるものがありますよね。裁縫道具がついてるけど、なんでだろう? って。
金子: もしかしたら発売までにまたアイデアが変わるかもしれないですが(笑)。
ー販売方法はまだ決まってないんですか?
松浦: 8月くらいに受注会をしようかと話していますね。お互いのインスタでちょろっと告知をして。
金子: 生地の生産量に限りがあって、トータルで100枚くらいしかつくれなさそうですが。

ーじゃあ各サイズ20着ほどということですね。
松浦: そうですね。だからそんなに大袈裟な感じにはできないというか。今回は本当に自分たちの気分が一致して、細かな説明をしなくても感覚で分かり合えてできたシャツじゃないですか。それが結果的にすごくいいものになった。
金子: そうですよね。ちょっとミラクルな感じがしますよね。
松浦: もし次があったとして同じことをやっても、同じような結果が得られるとは限らないですよね。ここまでいいものができたから、やっぱり売らずに配りたいですね。それで「どう? いいでしょ?」って確認したいです(笑)。
