Q TIMEX with Taro Tsunoda
「好き」って長い時間をかけて判断するもの。

PROFILE
1969年、東京都生まれ。CDおよびレコードショップの「WAVE」にてバイヤーを経験したのち、2001年にアマゾン・ジャパンに入社。2015年に退職した後、カセットテープを中心に、ヴィンテージのカセットデッキやレコード、雑誌を販売する「waltz(ワルツ)」を中目黒にて営む。
Instagram:@waltz_tokyo_japan
─「waltz」ではカセットテープを中心に扱っていますが、商品はどのようにセレクトしているのでしょうか?
感覚的ですが“うちの店のテイストに合うもの”ですね。世の中で流通しているカセットテープすべてを仕入れているわけではなくて、店内でかけて「waltz」という空間を作れる音楽であることを軸に、キュレーションしています。営業中はカセットテープで店内に音楽をかけていると、「いまかかってるのは何ですか?」と言って買ってくださる方もすごく多いですね。

─カセットテープの魅力は何ですか?
私は、「もの」から生まれる思いや気持ちに惹かれるんです。歳を重ねてくるといっそう感じるのですが、だんだんと関心や好奇心が薄くなっていくんですよ。そのままだと人生っておもしろくなくなりますよね? カセットテープでもレコードでも雑誌でも時計でも、手に持ったときに湧き起こる「これを聴きたい」「これがほしい」「これを集めたい」という感情は、生きていく上で必要なものだと考えています。
個人的に、特にアナログのものに対してそういう気持ちを強く抱きます。デジタルのものは生活を便利にしてくれると思うけど、「このMP3が良くって」とデータ自体にあまり愛着は湧きませんよね。


なので、今回教えていただいた「アナログライフ」という提案は理解できますね。手触りや実感がある分、アナログ的なものが周りにあると、気持ちが安らいだり生活を見直したりしたくなる。好奇心に従って、自分の時間を過ごしている感覚がある。現代で仕事をする上で避けては通れないけど、人の情報が流れてくるSNSを必要以上に見ないようにしていますね。
─人の情報に流されずに、好きなものを追求するコツはありますか?
本当にそれが好きになれるかどうかは、時間をかけて判断することだと思うんですよ。いまレコードを楽しんでいる人たちも、便利で手軽に音楽を聴けるサブスクにいずれ移るかもしれない。
そんななか、「いまはカセットが流行ってるらしいよ」と、トレンドと謳われてあっという間に消費されてしまうのなら、流行っているのかどうかよくわからないような状態で長く生き残っていた方が、カセットテープの魅力を伝えられるんじゃないかと思うようになりました。そう思ってからは、自分のペースで情報を発信しています。

─お休みの日など、自分の時間をどう過ごしていますか?
ぼくには休みがないんです。趣味と仕事がくっついているので、自分がやっていることすべてが仕事に繋がっているんですよね。定休日の月曜日もお店に来ています。ここは自分のオフィスであり、部屋であり、好きなものに囲まれている空間。誰も来ないとわかった状況で、ここで音楽を聴く時間ってすごく幸せなんですよ。

─日々の生活で時間をもっとも意識するタイミングはいつですか?
時間はつねに意識しています。13時のオープンまでに終わらせるデスクワークがあったり、商品の納品があったり、随時時計を見ていますね。
また、オンラインストアで注文いただいた商品は、都度郵便ポストに投函しにいっているので、集荷に合わせて梱包するんです。「あと何分で出しに行かなきゃ」と腕時計を見ながらタイムキープしています。私としては、スマホのデジタル時計より、逆算しやすいアナログ時計が便利。

─今回、「Qタイメックス」を着けてみて、いかがでしょうか?
着けたことがなかったので興味がありました。メタルバンドで上品ですが、ガシガシ使えそうなタフさもある。しかも見た目より軽い。私は日々、納品や棚卸しなど、大きいダンボールを抱えるような力仕事があるので、こういう時計がいいんです。
─〈タイメックス〉に出会ったきっかけは?
知り合いに「オリジナルキャンパー」をプレゼントしてもらって着けていたり、30歳くらいの頃、ロードバイクにハマっていた時期に、練習や大会で「アイアンマン®」を着けていました。
ホノルルで100マイルを走る耐久レース「ホノルルセンチュリーライド」に出たときも「アイアンマン®」が活躍してくれましたね。〈タイメックス〉は武骨で男性的な雰囲気を持っていて、個人的に好きです。

Q TIMEX 1979 OGカラー ¥25,300
─ご自身のファッションとの相性はいかがですか?
今日もそうですが、普段から古着が好きでよく着ています。さっきも言った通り、力仕事や作業が多いので、気を使わず着られて、なおかつ動きやすい服が、定番になりました。そんなカジュアルな格好を上品に引き締めてくれる、大人な存在感がありますよね。