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着ぶくれ手帖異なる文脈で服を楽しむ。ディセンダントを介したファッションの突破口。
BOUTIQUE × DESCENDANT

着ぶくれ手帖
異なる文脈で服を楽しむ。ディセンダントを介したファッションの突破口。

「カルチャー由来の服を自分なりに着こなすのが、なんだか楽しい」。クラシックで、道具的な服を愛してきた金子恵治さんが、最近の気分についてそんなことを話します。そのきっかけとなったブランドが、西山徹さんが手掛ける〈ディセンダント(DESCENDANT)〉です。金子さんと西山さん、なんとも意外な組み合わせですが、東京出身で同い年という共通点のあるおふたり。お互いのファッション遍歴を振り返りつつ、いまファッションに対して思うことについて話していると、トークは思わぬ方向へと展開していきます。そして、なにやら企てていることもあるようで。そちらについても存分に語ってもらいましょう。

服は自分のアイデンティティを表現するもの。

ーそして今回、金子さんが〈ディセンダント〉とコラボレーションをしたと伺っています。

金子: そうなんです。先ほどのインスタグラムの投稿を見て、〈ディセンダント〉のスタッフの方が声をかけてくれて。もともと「BOUTIQUE」でお買い物をされていた方なんですけど、「実は…」みたいな感じで話しかけてくれたんですよ。それで展示会にご招待いただいて、そこから交流が生まれていったんです。実際にアイテムを見ると、どの服もすごく魅力的で個人的にテンションが上がりまくってしまって(笑)。自分のお店でも新しいものを提案したいと思っていたときに、こういう出会いがあったんです。

西山: おもしろいですね。

金子: 「BOUTIQUE」では女性に向けたファッションを提案していて、たとえばヴィンテージのデニムにしても、どういったフィッティングが好まれるかが、2年やってようやくわかってきた。女性は細かなところにシビアで、男性目線のラフさみたいなものは通用しないんです。だから〈ディセンダント〉のチノも、こうしたら穿いてもらえるんじゃないか? っていうアイデアがあって。それを今回形にしたんです。

DC-6 ORGANIC COTTON TWILL TROUSERS ¥29,700

DC-3 ORGANIC COTTON TWILL TROUSERS ¥29,700

ー西山さんはそのアイデアを聞いたときに、どんなことを思いましたか?

西山: 単純におもしろそうだと思いましたよ。だからやってみようって。

金子: すんなりOKだったのが信じられなかったです(笑)。今回パタンナーさんをぼくのほうで手配して、男性の方と一緒につくったんです。その方はウィメンズもつくられている方なんですけど、やっぱり一筋縄ではいかなかったですね。やっぱり西山さんのニュアンスが効いているアイテムだから、そこを残しながらというのが簡単ではなかった。修正も多かったんですけど、最終的には完成度の高いものができました。

ー西山さんからなにかアドバイスなどはあったんですか?

金子: 西山さんはタグやピスネームの部分で関わっていただきました。今回タック入りと、ノータックのパンツをつくったんですが、それぞれ縫い付けられている位置が違うんです。

左が「DC-6」で、右が「DC-3」。よく見るとタグの位置が異なり、付けられているタグ自体も違うのがわかる。

西山: 違いがわかったほうがいいなと思って。一見するとよく似ているので。

BOUTIQUE 6PANEL ¥11,000

BOUTIQUE KEY HOLDER ¥1,650

金子: ぼくにはないアイデアだったのでおもしろかったですね。まずはパンツからスタートしたんですが、そこから話が広がり、〈ディセンダント〉のボディに「BOUTIQUE」のロゴを入れてキャップをつくったり、トップスやキーホルダーもつくりました。トップスはスエットっぽいんですけど、すごくストレッチが効いた生地を使っていて。

CYLINDER TURTLE NECK ¥20,900

西山: ベア裏毛という生地で、秋冬で定番で使っている素材ですね。

金子: 女性が着るにはかなりビッグシルエットなんですが、裾のリブをギュッと絞ってブラウジングできるようにデザインしました。めちゃくちゃ大人っぽくも着られるし、カジュアルにも着られる振り幅を意識して。若い子が着ても違った見え方がしそうだなって思ってます。あとはロンTもつくりました。

BOUTIQUE LS ¥14,300

ーできあがりをご覧になられて、いかがですか?

西山: イメージ通りというか、金子さんらしいものができあがったと思います。今回ヴィジュアルも撮影して、自分の妻がモデルなんですけど、フィッティングのときが楽しかったですね。

Photo: Shunya Arai, ©2024 DESCENDANT. All Rights Reserved.

西山: 彼女も服のデザインをしているし、金子さんのお店はウィメンズを取り扱っているので、いろんなアイデアが湧いてきて。そのときのテンションが自然といい形で落とし込まれているんですよ。

〈シャネル〉や〈エルメス〉など、ハイブランドのアイテムと組み合わせたりして、いつもの〈ディセンダント〉とは全然ちがう見え方になったので、おもしろかったですね。単純にうれしいです。

金子: やりたかったのはこういうミックスだったので、すごくよかったです。

INFORMATION

DESCENDANT × BOUTIQUE

発売日:10月19日(土)
販売店: BOUTIQUE
住所:東京都港区北青山2-12-42 秀和第二北青山レジデンス 1F

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