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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.136 まだ見ぬ景色に思いを馳せて。 ご当地モノTシャツで旅気分。

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。いまではさらに“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

シーズン17も今回でラスト! 第136回目を飾るのは2巡目となる下北沢「ウェドストア(WED STORE)」。オーナーの原さんは、どんなニュー・ヴィンテージを紹介してくれるのでしょうか!?

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


原 悠太 / WED STORE オーナー
Vol.136_ご当地モノTシャツ

ーさて、前回のテーマは“お魚Tシャツ”。そして2巡目もアイテムはTシャツとのことですが、気になるテーマは?

今回は“ご当地モノTシャツ”です。基本的には観光地や名所、テーマパークにショップなどエリア&スポットのスーベニア(土産)。実際にアメリカ・カリフォルニア州にあるヨセミテ国立公園なんかに行くと、日本と同じように土産物屋を兼ねたショップがあって、同地の自然の景観などをデザインしたTシャツが売っているワケです。日本でも富士山がプリントされたTシャツが売っていたりするじゃないですか? まさにあのテンションで(笑)。

ースーベニアって何か欲しくなっちゃうんですよね。

そこは万国共通ですね(笑)。というワケで1着目は、そのヨセミテ国立公園のTシャツです。このように結構いいデザインのものもチラホラ見付かります。今回は、これらを普通とは逆のアプローチでの楽しみ方とともに提案したいなと。

ヨセミテ国立公園のTシャツ ¥6,600(ウェドストア)

ー普通とは逆のアプローチでの楽しみ方というのは?

本来はご当地モノTシャツって、どこかに行って“その場所の思い出としてお土産に買う”。そこを逆にして、古着で手に入れたのちに、そのTシャツに描かれたエリア&スポットに思いを馳る。ぼく自身、子どもが大きくなってきたので、このTシャツを見ながら「絵柄もめっちゃ素敵だし、いい所なんだろうね。いつか行ってみたいね」なんて家族で話したりしているんですが、これが結構楽しいんですよ。

ー旅行ガイド本を呼びながら旅を夢想する感じでしょうか。なかなかユニークな視点ですね。

続いてもアメリカで、場所はミズーリ州セントルイス。ミシシッピ川と、そのほとりにあるゲートウェイアーチ国立公園の高さ192mのモニュメントが描かれています。構図の切り取り方も色使いも格好いい!

セントルイスのTシャツ ¥6,600(ウェドストア)

ーボディの雰囲気もいいですね。久しぶりにグレーの霜降りが気になってきちゃいました。

メーカーは〈フルーツ・オブ・ザ・ルーム(FRUIT OF THE ROOM)〉のBESTボディで、タグや仕様から察するに1990年代のもの。セレクト基準として、前回紹介した“お魚Tシャツ”と同様に「シングルステッチで探す」という縛りを課しています。またその辺の年代はシルエットも割と今っぽくて普通に着やすいし、こういった雰囲気の良いデザインもお手頃だったりします。ということで、お次がこちら。

バンクーバー・アクアリウムのTシャツ ¥6,600(ウェドストア)

ーラッコが可愛いですね。これはどこの何のスーベニア物でしょうか?

カナダにあるバンクーバー水族館のものです。同施設はカナダ最大級の水族館で、ダウンタウンから車で約10分とアクセスも抜群。アザラシやラッコ、アシカなどの海獣たちが間近で見られるそう。またwiki曰く、日本の江の島水族館と交流が深く、1985年にラッコをバンクーバー水族館から江の島水族館へ譲った歴史を持つ。とのこと。

ーだからラッコなんですね、納得。

モノクロの写実的なタッチのイラストと“STAY COOL”のメッセージが酷暑が予測される今年の夏にピッタリじゃないですか? しかもボディは〈オニータ(ONEITA)〉というのがまた良くって。ウチの娘も「可愛い!」と非常に気に入っています。

ーこちらは水族館ですが、動物園や博物館、美術館も古着市場では見かけます。

ちょいちょい出てきますね。有名なところだとカリフォルニア州のサンフランシスコ動物園とかニューヨーク州にあるアメリカ自然史博物館、美術館だとニューヨーク近代美術館とか。ポップなデザインのモノが中心なので、こういったモノクロでプリントされているモノは珍しいかと。文字通りクールで格好いい(笑)

ーお次は、どこのスーベニアですか?

ブリティッシュ・ヴァージン・アイランドのTシャツ ¥6,600(ウェドストア)

“British Virgin Islands”と記されているように、60以上の島々と岩礁からなるイギリス領バージン諸島。プエルトリコのすぐ横にある島国ですね。当時はどうか分かりませんが、現在は手つかずの自然と洗練されたリゾートが融合する、まさに地上の楽園だとか。

ーそんなのを聞いちゃうと行ってみたくなります。

いい具合に生地薄めのカラーボディにグルーヴィーなタッチと色使い。なんともご機嫌なノリで、まさにリゾートって感じですよね。こちらも80年代くらい。ただ丸胴じゃないのでアメリカ製じゃない可能性もアリます。タグが取れちゃっているため、断定はできませんが。

ーバージン諸島を実際に訪れる機会なんて、普通の人は一生に一度あるかないか。そこで心は遠くカリブ海へ。なんだか楽しくなってきますね。

やっぱり島モノは格別ですね。ゆったりバカンスで観光もせずにリラックスして過ごしたい、みたいな。そして最後の5着目はアルバ。カリブ海に浮かぶオランダ領の島で、南米ベネズエラ沖に位置し、美しい白砂のビーチと年間を通じて温暖で安定した気候で知られる人気の高いリゾート地だそうです。

アルバのTシャツ ¥6,600(ウェドストア)

ーリゾート地が多いんですね。80年代〜90年代ということあってかどれも景気が良さそう。グラフィックも素敵でシンプルに夏に着たくなります。

ちなみにこのボディは〈ヘインズ(Hanes)〉のBEEFY-T。年代的には80年代後半〜90年代諸島、いや初頭くらいでしょうか。こちらはプリントがおもしろくて、油彩画の筆のタッチを発泡プリントで表現しています。

ーちなみにエンカウント率でいうと、どの辺が多いんでしょうか?

今回はあえて避けましたが、アリゾナ州のグランド・キャニオン国立公園やカナダのナイアガラの滝は多いですね。それとハワイ、グアムも結構出てきます。ただしこれは「買い付けで訪れるのがアメリカ西海岸だから」というのは大いにあります。東海岸を訪れているお店であれば、ニューヨークの自由の女神とかが出てくるでしょうし。

ーなるほど。色々なお店を訪れるキッカケにもなりますし、この夏は“ご当地Tシャツ”が熱い! そんな気がしてきました。

ポイントはデカめのサイズを選ぶこと。あと、縛りを設けないとキリがないという理由から「シングルステッチで探す」とぼくは決めていますが、「なんかイイ」と思ったら“何も考えずに買って着る”。それでイイんだと思います。後から調べたら実は……なんていう偶然の出会いをぜひ楽しんでみてください。

原 悠太 / WED STORE オーナー
古着屋でありながら、古着の販売と同時にオリジナルウェア〈Yuan〉と〈Connett〉を不定期にリリースし、多くの熱狂的ファンを獲得している下北沢の秘密基地的ショップ「ウェッドストア(WED STORE)」のオーナー。自身のモノ作りにも反映させるほどの釣り好きとしても有名。
インスタグラム:@wed_store

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