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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.137 “スニーカー感覚で履けちゃう!?” いま挑戦したいウエスタンブーツ。

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。いまではさらに“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

この連載もいつの間にか18シーズン目! 新たにショップが全て入れ替わったトップバッターの第137回目は、田園都市線の三軒茶屋駅と駒沢大学駅の間にある隠れ家的ショップ「197」。オーナーの望月さんは、どんなニュー・ヴィンテージを紹介してくれるのでしょうか!?

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


望月貴太 / 197 オーナー
Vol.137_近年モノのウエスタンブーツ

ー本連載は“トゥルー・ヴィンテージのように記録や記憶に残っていくようなグッドレギュラーをいまの内に探す”のがテーマ。そもそも「197」はどんなショップなのでしょうか?

ぼくが以前働いていた「フリッジ(fridge)」でも古着自体は扱っていたのですが、独立して自分で古着屋をやろうとなった時に、元々自分が好きだった1960年代〜70年代のヒッピーカルチャーやウエスタンを軸にアイテムを集めようと思って、「197」をスタートさせました。

ーニュー・ヴィテージでは“1980年代以降のアイテム”を基本的定義のひとつとしていますが、その辺に関しては、ジャンル的にイケるんでしょうか?

日本の場合、その時々のトレンドキーワードとして“ウエスタン”や“70’s”が取り挙げられるっていうイメージですが、アメリカではウエスタンなアイテムも一定層の根強いファンが存在していて、いつの時代でも常にあり続けている定番中の定番。なので近年モノも古着市場にはもちろん存在しています。というワケで今回は“ニュー・ヴィンテージとしてのウエスタンブーツ”に焦点を当てたいと思います。

ー早速! と行きたいところですが、その前に望月さんの考えるニュー・ヴィンテージの定義とは?

格好いい言い方をするなら“いつの時代も変わらずクラシックであり続けながらも、時代とともにアップデートされていくモノ”なのかなと。今回のテーマであるウエスタンブーツにしても、いまも変わらずアメリカ製のオーセンティックを貫いているモノもあれば、時代に合わせてデザインを変化させているモノもあって、いずれも乗馬のための機能性がファッション的なデザインとして受け入れられ、時代に合わせて取り入れられ方も変化している。そういったモノがニュー・ヴィンテージとして残っていくんじゃないかなとは思います。

ーなるほど。ウエスタンブーツでいえば、日本でも90年代〜00年代くらいまでは〈トニーラマ(Tony Lama)〉を履いているハード・アメカジ愛好家を渋谷周辺で見かけました。ブランドでいうとどの辺が有名なんでしょうか?

いま名前が挙がった〈トニーラマ〉の他には〈ジャスティン(Justin)〉も王道。日本でも有名ですね。ハイクオリティを追求するなら〈リオス・オブ・メルセデス(RIOS of MERCEDES)〉だったり〈ルケーシー(Lucchese)〉はハズせません。この他にも老舗やカウボーイ御用達の知る人ぞ知るメーカーが数多く存在しています。ということでまずは〈トニーラマ〉と〈ジャスティン〉をご覧ください。

トニーラマのウエスタンブーツ ¥27,500(197)

ジャスティンのウエスタンブーツ ¥25,300(197)

ーザ・ウエスタンブーツって感じですね、この辺は。

ディテールでいえば。ツマ先は先端が細くなっている方がクラシカル。馬が動く時、素早く鎧(あぶみ)にツマ先を通せるという狙いがあり、カカトの後部が傾斜してカットされているのも鎧に足が掛けやすいように設計されているワケです。こういった機能美こそが、ウエスタンブーツの魅力といえます。

ーシャフトの高さもモノによって異なるようですが。

岩石や植物のトゲ、蛇などをガードし、脚や足首の打撲や摩擦を守るという意味があるので、シャフトの高さは、膝に近づくほどガチ度が強まります。なのでパンツの裾もブーツインせず被せるのが基本。シャフトの上部がユルめになっているのは罠にかかった際にも急いで脱ぐことができるように。加えて、ツマ先とシャフトに入ったステッチは装飾とアッパーの補強を兼ねています。

ーこのステッチがまた、ウエスタンムードを際立たせます。

ザ・ウエスタンって感じですよね。ツマ先のステッチは似た意匠も多いんですが、シャフト部分のデザインは多種多様。定番はこいうった植物の葉っぱのようなリーフや蝶々をイメージしたバタフライ、あとはインディアンの伝説に登場するサンダーバードを模したモノも人気です。

ー素材も色々とあるんですか?

ウエスタンブーツは“ワーク系”と“ドレス系”の二つに大別されるんですが、前者はタフなカーフ(牛)やホース(馬)がベーシック。先ほどの〈トニーラマ〉はこちら。で、もう1足の〈ジャスティン〉がドレス系。スネーク(ヘビ)やクロコダイル(ワニ)、リザード(トカゲ)、スティングレイ(エイ)やエレファント(象)といったいわゆるエキゾチックレザーが使われることが多いですね。ちなみにドレス系=タフではないワケではなく、適切な手入れをすれば長く愛用できるので、どちらを選ぶかは好み次第。

ーこちらは?

ジャスティンのウエスタンブーツ ¥24,200(197)

ブランドは〈ジャスティン〉でどちらかといえばワーク系ですが、アッパーにはオーストリッチ(ダチョウ)が使われているため、ややドレス寄りですかね。この革はすごく軽くて柔らかく、牛革の数倍ともいわれる高い耐久性を備えているだけでなく、使い込むほどに自然な艶と深みが増していきます。

ーニュー・ヴィンテージとしてウエスタンブーツを選ぶ際には、どこを意識して探すといいんでしょうか?

あくまで個人的主観になりますが、ウエスタンブーツらしさを楽しむのであれば、エキゾチックレザーを使っていてデザインも派手なドレス系がオススメ。ただし、ニューヴィンテージとしていま楽しむのであればワーク系の“ファッションアイテムとしての合わせやすさ”も重要。ウチのお客さんでも、最初は黒や茶のような定番色のワーク系を買われて、2足目、3足目でドレス系に挑戦するという方が多いです。

ー取り入れやすさという点では、ヒールの高さもポイントになりそうです。

たしかに。ヒールの高さが気になる場合はクラシカルなウエスタンよりも、ウエスタンブーツから派生したペコスタイプを選ぶとイイと思います。中でもフラットなクレープソールを装着したローパーブーツはウエスタンブーツ初心者にもオススメ。シャフトもやや短めで丸みを帯びたツマ先はプレーントゥに近い形状をしており、馬から降りて地上での作業を行うカウボーイのために作られているため機動性と歩行性を重視したスタイルとなっています。

リオス・オブ・メルセデスのローパーブーツ ¥88,000(197)

ーこれもウエスタンブーツの枠に入るんですね。

ですね。しかもこちらの個体はアッパーにステッチがデザインされていたりと、合わせやすいだけでなくウエスタンムードが感じられる点もポイント。「197」のもうひとつの軸である、ヒッピー的なカウンターカルチャー視点でいくなら〈リーバイス〉の「517」のようなブーツカットデニムと合わせるのではなく、なんならスウェットパンツと合わせたり自由に履いてもらいたいところです。

ーたしかに。Y2Kの頃の西海岸ギャルのように自由に取り入れられると、楽しみ方の幅も広がるなと。

まさに。もうスニーカー感覚で履いてもらいたいですね。ツマ先が細いとかカカトが高いとかの理由で、食わず嫌いされやすいアイテムですが、スラックスやトラックパンツのハズしにするのもイイし、〈コンバース〉の「オールスター」くらい汎用性の高いシューズだと思うので。

ーちなみにプライスは…?

メンズサイズの場合、この辺の年代だと大体2万円台〜3万円台。高くとも4万円ちょっと。しかもウエスタンブーツのほとんどが“大量生産ではない”というのもポイントで、多彩な素材・シルエット・デザインでありながら周囲とは被りづらい。要は選択肢としての余白があるし、どう取り入れるかを楽しめる。そういう意味でも、すごくニュー・ヴィンテージなアイテムだと思うんです。近年モノのウエスタンブーツは。

望月貴太 / 197 オーナー
世田谷の人気セレクトショップ「fridge」から独立し、2023年から古着屋として活動を開始。2025年4月5日に「197」の屋号で実店舗オープン。場所は246沿いの三軒茶屋と駒沢の間くらい。入り口も分かりにくい雑居ビル4階。ヒッピーとウエスタンを軸としたアイテムが所狭しと詰め込まれた5畳半のスペースでお出迎え。営業は週末のみ、平日はアポイント制。オープン日は公式インスタグラムからチェック!
インスタグラム:@197_tokyo

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