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青野賢一ビームス クリエイティブディレクター / ビームス レコーズ ディレクター「ビームス創造研究所」所属。選曲・DJ業、執筆業。音楽、ファッション、文学、映画、アートを繋ぐ。www.beams.co.jpshop.beams.co.jp/shop/records/blog.beams.co.jp/beams_records/

小径逍遥、再び。

青野賢一
ビームス クリエイティブディレクター / ビームス レコーズ ディレクター

「ビームス創造研究所」所属。選曲・DJ業、執筆業。音楽、ファッション、文学、映画、アートを繋ぐ。
www.beams.co.jp
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No.1 手際

2009.06.15

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渋谷。
明治通り。

量販カメラ店を背にして横断歩道を渡ると
呼び込みの声がだんだん遠ざかる。

左に曲がって少し歩き右折。
坂の途中に落ち着ける喫茶店がある。
先日もここを訪れた。


ちゃんとした喫茶店では
カウンターに座りたい。
何しろ、コーヒーをいれる様子が間近で見られるのだから。


注文されたコーヒーの豆を挽き、
ポットに湯を移したり、
フィルターやネルを準備したり。
粉状に挽いたコーヒーに
丁寧に、しかしスピーディーに湯を落とす。


この一連の動作の手際よさといったらない。
これを眺めるのは、喫茶店でのひとつの醍醐味だ。


物理学者であり随筆家の寺田寅彦も
『コーヒー哲学序説』でこう書いている。
「コーヒーの出し方はたしかにひとつの芸術である。」と。


例えば中華料理のサッと塩を掬う瞬間、
熟練のバーテンダーがカクテルを注ぐ時、
そこには人間の機械的な美を見いだすことができる。
まさに機能美というわけだが、
そこにはしなやかさ、なめらかさも内包され、
人間味という味が調味料として作用しているのだ。

ところで「手際」というくらいだから
「手」の「際(きわ)」、すなわち指の動きに
その美しさは集約されているのだろう。

何につけ、美しい指の動きは気持ちのよいものである。


日常のちょっとした動作も
意識次第では美しくなる。


私は熱いコーヒーの入ったカップを持つ時に、
そんなことに改めて気づいたりする。

Comments: 4

ようやくアップしてくれましたね!
こういうテイストとは意外でしたー。

平野くん
コメントありがとう。
意外ですかー(笑
一応、以前の連載からの流れで書いてます。
数回に一回位の割合で挿絵をつけるつもり。

ようやく始まりましたね。
いつ挿絵がくるかと思いながら・・
ひっぱるなー(笑)

竹田さん
コメントありがとうございます。
挿絵は時間のある時に・・・(笑

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