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青野賢一ビームス クリエイティブディレクター / ビームス レコーズ ディレクター「ビームス創造研究所」所属。選曲・DJ業、執筆業。音楽、ファッション、文学、映画、アートを繋ぐ。www.beams.co.jpshop.beams.co.jp/shop/records/blog.beams.co.jp/beams_records/

小径逍遥、再び。

青野賢一
ビームス クリエイティブディレクター / ビームス レコーズ ディレクター

「ビームス創造研究所」所属。選曲・DJ業、執筆業。音楽、ファッション、文学、映画、アートを繋ぐ。
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No.2 遠心力

2009.06.18

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自分の半分位の年齢の友人と夕食を共にした。


その彼女は、東京出身だが、
親御さんの仕事の都合で転校が多かったそうだ。


彼女が小学校3、4年あたり(つまり10年程前だ)に、
北関東のとある県に引越しをした。
東京から来た都会っ子だと言われるのは分かるが、
驚いたのは、「東京って木が一本もないんでしょ」と言われたという話だ。


私が子ども時分の話ならまだ納得も出来ようものだが、
たかだか10年前のこと。西暦1999年だ。
テレビも勿論あって、
しかも同じ関東地方であるにもかかわらず、である。


この話を聞いた時に、私は遠心力で歪む柔らかな物質を思い浮かべた。
中心から離れれば離れるほど歪む情報は、
例えば遠心分離機にかけられた卵のようなものだろうか。

この話には、現代においての教訓めいたものも内包されている。
すなわち、ネット上の情報のソースをしっかり見極めること。

オリジンを辿ることなく、知ったような顔をすると
それが孫引きや曾孫引きだったりして、
元の情報から捻曲がったかたちである可能性を孕んでいるので
注意が必要なのだ。

そういった意味では、重要な調べものは書物に頼るのが
今もって間違いのないところだろうか。

東京に木が一本もない、といった人も
今は成人して、東京で暮らしているかもしれない。
その人の目に、東京はどう映ったのだろう。

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