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スニーカーフリークのリアルな靴選び。 Vol.2 津吉 学
HOUYHNHNM SNEAKER RELAY

スニーカーフリークのリアルな靴選び。
Vol.2 津吉 学

最新のパフォーマンスシューズから、限定品にコラボレーション、はたまた忠実な復刻モデルもあればトップメゾンだって参戦し、拡大を続けるスニーカーマーケット。そんななかスニーカーに精通した人たちは今、どのような視点で、どのモデルを選び、実際に履いているのか? 業界屈指のスニーカーフリークたちのリアルな靴選びをリレー形式で紹介していきます。今回登場するのは、前回の小木“POGGY”基史さんからの紹介で、〈FDMTL(ファンダメンタル)〉のデザイナー、津吉学さん。特に思い入れの深い5足を挙げてもらい、それぞれを選んだ理由やお気に入りのポイントを聞いてみました。

 

02:VANS×FDMTL_SLIP-ON 色落ちによる変化を楽しめる。

ー 続いて、〈ヴァンズ〉のスリッポン。これは津吉さんが手がける〈FDMTL〉とのコラボレーションモデルですね。

津吉:2018年に販売したヨーロッパ限定モデルです。実はこれをつくる前、日本の〈ヴァンズ〉と日本限定でコラボレーションモデルをつくったのですが、すぐに完売してしまい、海外からも反響が大きかった。その声に応えるかたちで、ヨーロッパの〈ヴァンズ〉ともつながりを得て、このシューズをつくりました。

ー 生地はこれもインディゴ染めですか?

津吉:はい。ジャガード織りや刺し子風の生地など複数の生地をパッチワーク風に組み合わせていて、すべてインディゴ染めの日本の生地を用いています。

これはマシンウォッシュをかけたものですが、たとえばこのような感じで、履き込んでいくことによって色落ちの変化を楽しめます。この風合いはインディゴ染めならではですね。

03:NIKE_1972 QS シャークソールでカスタマイズ。

ー そして、この〈ナイキ〉のスニーカーはなんですか? 革靴のようにも見えますが。

津吉:これは2013年に発売された「1972 QS」というモデルで、当時「SOPH.」や「ユナイテッドアローズ」といったファッション系のアカウントで取り扱っていたシリーズだと思います。ソールはもともとワッフル風のホワイトソールでしたが、シャークソールに張り替えました。

ー ソールを張り替えた? 自分でやったんですか?

津吉:いえ、その手のプロにおまかせしました。ネットで見つけた滋賀県の工房に「ソールを張り替えたい」と相談したらやってくれました。

日本でこれを履いていても特に誰からも何も言われませんが、海外のファッションウィークなどで履いていると「それ、どこの?」とよく話しかけられます。スニーカー好きにとって「それ、どこの?」ほどテンションが上がる質問はないし、それをきっかけにしてコミュニケーションが広がるのはとても楽しいです。

また、ブランドの作り手としては、「それ、どこの?」と聞かれるようなパンチの効いたものをつくらないといけないな、とも思ったり。このシューズは自分にとってブランドの強みやモノづくりの本質を見直すきっかけや気づきにもなりました。

ー それにしてもこのシューズ、手にするとかなり重いですね。津吉さんはスニーカーに履き心地は求めないタイプですか?

津吉:自分にとってスニーカーはデザインや見た目がすべて。履き心地は求めません。重視するのは、気分が上がるかどうか。もちろん履き心地が良いに越したことはありませんが、たとえサイズがあっていなくても、気に入っていれば履いてしまいます。

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