TOPIC 1. UNFOLLOWって、どんなショップ?

“追従しない”というコンセプトを掲げ、2017年に発足したセレクトショップ「アンフォロー」。世界各国から気鋭のブランドをセレクトすることで新しい価値を提案し、服好きの若者たちを中心に人気を博していた彼らは、21SSシーズンよりリブランディングを経て新たな舵を切りました。

ヴィンテージの家具や装飾があしらわれた店内に、国内外から集められた服たちが並ぶ。古着とセレクトが入り混じり、スパイシーかつ洗練された空気が流れている。
生まれ変わった彼らが新たに提案するのは、時代、年齢、性別といった既成概念にとらわれることのないスタイリング。同年1月に移転オープンした東京店には、シーズンテーマに沿ったセレクトアイテム、リブランディングと同時にスタートしたヴィンテージプロジェクト「UNFOUND」の古着、そして、オリジナルブランド〈FOLL〉のシーズンアイテムが並び、それら3つが相互作用しあいながら独自の世界観をかたちづくります。


なかでも“核”に由来する〈FOLL〉は、文字通り、ショップの中核を担います。つまり、ショップ全体として設けられたシーズンテーマを、とりわけ象徴的に体現する存在。50~60年代のヴィンテージアイテムの知見や背景が随所に散りばめられながらも、そのデザインは、デイリーに着られる現代の日常着にしっかりと着地しています。
21SSにおける〈FOLL〉のシーズンテーマは、“Western Military Academy”。1740~1970年代にじっさいに存在したというアメリカの軍事学校をとりまく生活様式が着想のもと。たとえばセーターの不足によって、防寒着としてのサーマルが普及したのもこの頃。学校の生徒たちのなかには、祖父に借りたシャツを着て通学していた者も少なくなかったのだといいます。

1階入り口近くにある螺旋階段をおりると、地下1階のフロアへ。コンクリート打ちっ放しの空間に、ソリッドな服がよく映える。
また、生地や縫製といった生産背景への凡百ならぬこだわりが詰め込まれてもいるのも、このブランドの大きな特徴。デザイナー自らが工場を探し、つくり手と顔を合わせながら一つひとつの洋服をつくっていくことをなによりもたっとび、“セレクトショップオリジナル”の常識を大きく覆す服づくりを実現しています。それはとりもなおさず、トレンドや売れ筋をことさら追い求めるのではなく、10年後にも捨てられないオーセンティックな洋服をつくりつづけていくため。