Style 03_Koryo Oikawa

PROFILE
2016年、数人の仲間とともに美容室「ダーリン」を祐天寺にオープン。ミュージシャンやアーティストが数多く顧客に名を連ねるように、高い技術力を駆使してゲストの似合うヘアスタイルを提案している。
Instagram:@koryooikawa、@darlin.hair
自分のつくったヘアスタイルを通じて笑顔になって欲しい。
ー 美容師になろうと思ったきっかけを教えてください。
中学一年で金髪にするほど、昔からヘアスタイルに対してこだわりがあったんです。あと、家系に技術職のひとがいなかったこともあって、親父が美容師の道を勧めてくれたのも大きかったですね。
ー 27歳という美容業界では比較的若い年齢で独立された理由は?
美容の専門学校を卒業後、代官山や鎌倉のヘアサロンで働いたり、ヘアメイクのアシスタントを経験したり、7年ほど修行しました。そんなときに、「darlin.」の1階にあるセレクトショップのオーナーさんが「3階が空いたよ」って物件を紹介してくれて、「いいタイミングだしやるか!」と4人の仲間を集めてオープンしました。
その当時もいまもですが、後先を考えずに行動するのが自分らしいと思っていて。気持ちは童心のままなんです。どんな職種にも言えますが、やらされてると感じたら仕事が面白くなくなるじゃないですか。自分がその瞬間に夢中になれるような環境を常に持ち続けていたいんです。

ー 及川さんが美容師をする上で大切にしていることを教えてください。
無理しないことですね。お客さんには髪を切った後も、なるべくいい状態のヘアスタイルで過ごしてほしいんです。いい質感を出すためには、そもそもの髪の状態がよくないとはじまらないんですけど、いまの美容業界は流行りとして、無理して個性的なカラーリングを入れようとする方が多くて。カラーを施す条件が整っていればいいんですけど、厳しい場合はぼくは絶対に無理させません。
ー それはゲストに対して本当に似合うヘアスタイルを提案するということですか?
そうですね。似合って喜んでもらえるようなスタイルに仕上げたいので、カットのデザインで悩んでいるお客さんがいると「迷ってるなら切らない方がいいんじゃない?」とはっきりと言うんです。ゲストの微妙な顔を見るのが本当にイヤで。どうせなら明るい顔になって帰ってもらったほうが嬉しいじゃないですか。
気心知れた友人が勧めてくれる、新しい発見ができる服。

ー 及川さんの好きなファッションスタイルは?
実はまったくこだわりがなくて(笑)。外苑前の「マンホール(MANHOLE)」や中目黒の「モールス(MORES)」のように、先輩や友人がやってるお店に行って「売りたいものってありますか?」って聞いて服を購入してます。まったく自分のセンスを信用してないんで、気心知れたひとから買うのが一番なのかなと。たまに「これは着ないかな」って思うようなアイテムを提案されても、食わず嫌いせずに袖を通すようにしています。自分の予想がつくようなものを着ても新しい発見ができないですから。
ー 今日のコーディネートのポイントを教えてください。
とにかく動きやすい格好が好きで、仕事の日は汚れてもいいように古着がメイン。今日はサロンワークしやすいようにトラックパンツを穿きました。ラフになりすぎないように足元は〈モールス(MORSE)〉というブランドのレザーシューズで。実はスリッポンタイプになっていて、めちゃくちゃ履きやすいんですよ。
シーンを選ばない汎用性の高いデザイン。

ー 普段、腕時計は着けますか?
いつも古着を着ているので、時計だけは清潔に見せたいと思ってシンプルなスマートウォッチを愛用しています。仕事中はカラー剤やパーマ剤の放置時間、カットに必要な時間など、時間管理を徹底しているので視認性の高いデザインも必要なんです。ただ、本当は年相応な腕時計を身に着けたいと思っていて、「Tissot PRX Automatic」は自分にぴったりな一本だなと感じています。
ー 「Tissot PRX Automatic」にはどんな印象を持ちましたか?
ファッションの一部になっているような感覚で、着けていてまったく違和感がなかったですね。高級感がありながら、スマートなフォルムなので気取らずに普段使いしやすそう。ぼくのような30代が似合うのは当然なんですが、20代が着けてもカッコよさそうですね。ちょっと背伸びしたようなスタイルが楽しめそうで。若いうちに購入して、長く愛用するのもロマンがあっていいじゃないですか。

ー 「Tissot PRX Automatic」を合わせるなら、他にどんなスタイルがいいと思いますか?
ぼくの服装って他のひととは違って変わってると思うんです。こんな自分にも似合う時計なんで、フォーマルなスタイルはもちろん、肩の力を抜いたリラックスした着こなしにも馴染んでくれると思います。他のカジュアルウォッチにはない、シーンを選ばない汎用性の高さがいいですね。
ー 今作はオートマティックモデルですが、機械式時計についてどう思いますか?
シースルーになったケースの背面を見ると、ひとつひとつのパーツが細かくて驚きました。このガジェット好きの心をくすぐる精密なムーブメントをいつでも覗けるのは所有者だけの特権ですよね。オリジナルモデルは1978年に誕生したと聞いていますが、見た目のデザインだけでなく歴史に裏打ちされたディテールも魅力的だと思います。