リゾート地の成れの果てを描く。

ー 「無印良品 銀座」で行われた「Life in Art Exhibition」では、〈無印良品〉のキャリーケースにイラストを描かれていましたよね。
小川:そのイベントに携わっている方が、もともと個展に来てくれたりしていて。そんな縁から声をかけてもらいました。 キャリーケースをキャンバスにしたことはもちろんなかったので、ぜひ、という感じで。
ー 小川さんの絵は、すべてに南国の空気を感じるのですが、テーマはあるんでしょうか?
小川:新潟の寺泊という港町で育ったんですけど、ぼくが小さいころ、そこはちょっとしたリゾート地だったんです。なので変な遊園地とか、別荘とか、ホテルがあって。でも中学へあがるくらいに一気に衰退してひとが来なくなって。それでどこも閉鎖されたんですけど、壊されずに廃遊園地とか廃別荘って感じで残っていたんです。やけに気持ち悪い印象が強く残っていて、それが作品に反映されています。

ー たしかに、小川さんの絵にひとは描かれてませんよね。
小川:そうなんです。あと、建物の窓が真っ暗だったりもします。簡単に言うと、リゾート地のなれの果て。ただ、そのまま書くと暗い作品になっちゃうので、色はポップにして、光が差し込んでいたりして。乾いた感じとか、虚無感というか。そんなイメージです。
ー 現在の絵も、そうした原体験がインスピレーションですか?
小川:それもありますけど、風景が好きなので、友達が旅したときの現像写真を見せてもらうこともあります。縁もゆかりもないところは描きたくないんです。
カレーを仕込むときは〈無印良品〉の白T。
ー 小川さんは職業柄、服が結構汚れそうですね。
小川:なので、だいたい汚れてもいい服を着ています。作業着は作業着であるんですけど、ふとしたときにパッと描いたりするときもあるので。
ー 絵を描くときと店に立つとき、服は違いますか?
小川:基本的に絵を描くときは作業着で、店では白Tですね。めっちゃカレーが飛んで白Tが汚れるんですけど、仕込みでカレーが飛ばなくなったら極めたなって感じがするじゃないですか(笑)。なので、それを自分の課題にしています。


ー 最近はカレーの汚れは少なくなってきましたか?
小川:最近は仕込みの後半にポチって感じで。少しはスキルがあがったかなと(笑)。その白Tは〈無印良品〉のことも多いんです。身幅があって着丈も短いから、結構好きで。
ー そういえば、〈無印良品〉のカレーはプロの目から見ていかがですか?
小川:めちゃくちゃにフリークです。すごい食べてます(笑)。グリーンカレーに関しては、どこの店よりもおいしいですね。お店でも提供したいくらいおいしいです。ちゃんと辛くて、めっちゃうまい。大盛りも出して欲しいです。
ー 小川さんが思う〈無印良品〉の魅力ってなんでしょうか?
小川:お店の広い狭いに関係なく、同じ空気が流れているのってすごいですよね。混んでいても気にならないというか。商品に対しても安心感がありますし。今日着させてもらった服も、やわらかくて、やっぱり安心感がありましたね。

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