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いわく付きの物語は映画になり得るか。『DUNE/デューン 砂の惑星』を観た、デザイナー二人の視線。
That dune stir someone's feelings.

いわく付きの物語は映画になり得るか。
『DUNE/デューン 砂の惑星』を観た、デザイナー二人の視線。

原作となった小説『デューン/砂の惑星』は恐るべき怪物だ。映画監督としていまや大いなる名声を獲得したリドリー・スコットとアレハンドロ・ホドロフスキーは戦う前に挫折し、ようやくつくられたデヴィッド・リンチ版の『デューン/砂の惑星』は本人も認める黒歴史となった。映画界、いや人類悲願でもある『デューン』の映画化がいよいよ実現された。監督は『メッセージ』『ブレードランナー 2049』を手がけたドゥニ・ヴィルヌーヴ。デザイナー、美術、衣装、俳優など、現代の才能が結集したこの壮大なる映画の魅力をひとかけらでも掬い取りたく、メカニックデザイナーの出渕裕さん、フイナムの映画連載でもおなじみのグラフィックデザイナー大島依提亜さんのお二人に映画を観る “目” を借りることにした。

  • Photo_Kaori Nishida
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Yuri Sudo

はやくこの世界のつづきが見たい。

ー お話をお伺いしていると、ヴィルヌーヴ監督は、SF映画のデザインに対する愛とセンスがあることがわかりました。

自分も含めて、メカニックデザイナーは監督になるひとが多いんです。ぼくらデザイナーの仕事は、言葉では語らず、ビジュアルで世界を体現するというもの。そうなると、世界観を創作して、世界全体をつくりたくなっちゃうんですよ。そういうのと同じ波動をひしひしと感じる作品でしたね。

        

ー 衣装もすごくきれいでした。

衣装は素晴らしかったですね。アトレイデスもフレメンもよかったし、衣装や舞台をステージごとに変えてきていましたよね。

たとえば、アトレイデス家の故郷カラダンでは安全な領地だから戦闘用ではなくリラックスもできる正装でいるけど、砂の惑星 “DUNE” では何が起こるかわからないから砂漠戦用の戦闘服を着ていました。色もそれぞれの公家や軍によってイメージカラーがはっきりしてました。続編に初登場するであろうキャラクターの衣装も気になります。

ー 気がはやいかもしれませんが、続編で楽しみなことはなんですか?

原作を読んだ身として知っているのは、続編の物語は主人公ポールの覚醒と、とてもシンプルな復讐ターンがはじまるはずなんです。でも、おそらく監督はすこしアレンジを加えてくるんじゃないかなと。ただし、原作をないがしろにするのではなく、あくまで原作の魅力を引き出すための、よきアレンジを施してくれるんじゃないでしょうか。それこそ、我々が望む原作の映画化というやつで。あとは皇帝やスペースギルドなどの描写がどうなるのか、楽しみです。それと、まだ登場してない男爵の甥、フェイド・ラウサ。コメントでもしたのですが、スキンヘッドだったらやだなあ(笑)それで、続編はいつ公開か決まっているんですか?

ー いや、公開どころか、製作自体もまだ決まっていないんです。この作品の興行成績も影響するようでして。

え〜、てっきり二本撮りしていると思ってました。いやー参ったな。これで終わったらほんとに残念、というか大ショック。本当につづきはまだつくってないの? まじかよ(としばし独り言がつづく…)。いくらでも宣伝するから(笑)。ぜひ多くのひとに観てほしいです。

INFORMATION

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』

全国公開中
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本:エリック・ロス ジョン・スペイツ ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:『デューン/砂の惑星』フランク・ハーバート著(ハヤカワ文庫刊)
出演:ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ステラン・スカルスガルド、ゼンデイヤ、シャーロット・ランプリング、ジェイソン・モモア、ハビエル・バルデムほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト
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