UI/UX的視点で見た目と機能を両立した。

─小川さんが〈ホワイタージュ〉に込めた想いとは?
小川:ブランド名である〈ホワイタージュ〉の「ホワイト」は、新しさをイメージさせ、希望、清潔、永遠を感じる色。「ホワイトスペース」など今までにないビジネス領域を指す言葉で使われているように、始まりも意味しています。
「アージュ」は、フランス語で時代や進化を意味していて、今の時代や人に寄り添いながら進化し続ける商品になるようにという思いを込めています。その二つを組み合わせることで、革新的なものづくりを追求するというコンセプトを表現しました。
その中で、機能性とファッション性を併せ持つバッグを開発したいと思い、自分ならではのUI/UXデザイナーの視点を入れることにしたんです。つまりは、優れた使い勝手や利用体験と、洗練された見た目を意識しようと。そのために、ハイテクノロジーを貪欲に取り入れたり、それをデザインに昇華させたりすることで、人と物の関係を超えたプロダクトを目指しています。
─第一弾となるアイテムにもハイテクノロジーが採用されているんですか?

小川:今回発表する3種類の「GEXシリーズ」のUSP(独自の強み・優位性)でもある、体感重量を軽減し体圧分散効果を発揮する機能素材「ミヤヴィエ(MIYAVIE)」をバッグのストラップに採用しています。このような3Dメッシュ構造を持つテクノロジー素材は他にもあるのですが、それらと比べて「ミヤヴィエ」は、約3倍の体圧分散効果や耐久性を持っているとされています。また、独自技術を持ち、生産、加工、再利用を自社で一貫して行えるので、〈ホワイタージュ〉に合わせた商品開発をしていただけました。
─荷物を軽く持てるというのは魅力的です。
小川:従来のバッグより軽く感じるので、ぜひ試してほしいですね。軽量化を追求してバッグ自体が軽いというのも一つの価値ですが、それよりも私は荷物を入れて背負ったときの体感重量が軽いというほうに重きを置きました。その方が実際に使う人のベネフィットに直結すると思ったんです。
─最新のテクノロジーと使い勝手のバランスはどのように図りましたか?
小川:UXという点で、ボディはこれまでにあったクラシカルな形、原型と言われるものをベースにしています。やはり昔からあるクラシカルなものは、使いやすさや慣れ、安心感などの魅力があると思うので、それを活かしながら、より新しさや独自性を持たせられるようにデザインしています。
その点「サックスバー」は、バッグの小売店のスペシャリストで、多種多様なバッグのプロフェッショナルがたくさんいらっしゃいますし、業界のことやカスタマーのことを誰より知っている。お互いの強みを使って、ユーザーが潜在的に求めているものを追求し、今までにない新しいバッグを生み出すことができました。