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連載【で、NEW VINTAGEってなんなのさ?】Vol.141 “ラスラーの次はコレがくる!?”。00年代のテキサス ストレッチとは

1990年代、誕生から100年経過している“アンティーク”に対し、その定義は満たしていないけど、価値のありそうな古着を打ち出す際に使われ出した言葉“ヴィンテージ”。いまではさらに“レギュラー”と呼ばれていた80年代以降の古着にも、“ニュー・ヴィンテージ”という新たな価値を見出す動きがあります。本企画ではこの古着の新たな楽しみ方を、スタイルの異なる4つの古着屋が提案。それぞれの感覚でその魅力を語ります。

この連載もいつの間にか18シーズン目! 第141回目は、田園都市線の三軒茶屋駅と駒沢大学駅の間にある隠れ家的ショップ「197」の2巡目。オーナーの望月さんは、今回どんなニュー・ヴィンテージを紹介してくれるのでしょうか!?

Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii


望月貴太 / 197 オーナー
Vol.141_00年代のラングラーのストレッチジーンズ「テキサスストレッチ」

ラングラーのストレッチジーンズ「テキサス ストレッチ」 ¥9,900(197)

ー早速ですが、今回はどんなニュー・ヴィンテージをご紹介いただけるのでしょうか?

前回のウエスタンブーツからの流れで、そこに合わせるボトムスとして取り挙げるのが〈ラングラー(Wrangler)〉のストレッチジーンズ。その名も「テキサス ストレッチ(TEXAS STRETCH)」です。

ー同社のデニムといえば、名品「13MWZ」を筆頭に“本物のカウボーイのためのジーンズ”というイメージがありますが、これはどういったモデルなんでしょうか?

単純にストレッチジーンズという視点でいえば、〈リーバイス〉や〈リー〉といった競合他社と同じように1980年代からラインナップしていましたが、こちらはもう少し年代が下がって2000年頃のモデル。アメリカでは現行で作られているシリーズです。シルエットごとの型番も存在してはいるのですが、先述の「13MWZ」のように型番で認知を得るほどではないため、アメリカでも同じくカウボーイに向けたドレスアップ用のシリーズ「ランチャー(WRANCHER)」のようにシリーズ名で呼ばれている模様。

ーカウボーイ向けを標榜するからには、何かしらの特徴が?

では、各所を見ていきましょう。カウボーイの着用を想定すると動きやすく、かつタフである必要があるため、サイドの縫いは堅牢なダブルステッチでシルエットはストレート。裾に向かって緩やかにテーパードを効かせることでウエスタンブーツのシャフトが綺麗に収まります。この辺はカウボーイ向けっぽいポイントといえそう。

ーデザイン的な部分ではどうでしょうか?

フロントのコインポケット部分にはピスネームもあしらわれていて、ヒップポケットに付くブランドロゴを型押しした革パッチは、現行モデルに比べてやや小ぶり。これと現行モデル、そしてもう少し古い年代のモデルの3つを比べても、ディテールに大した違いはないようです。

ーディテールに大きな特徴がないのであれば、最大のポイントはストレッチ生地ですね。

程よい伸縮性があって動きやすく、なのにストレッチジーンズ特有のあの平面的なツラをしていない。そこは見どころだと思います。古めのストレッチジーンズの場合、コットンとともに混紡されているポリウレタン糸の質や染色技術がイマイチだったこともあってか、穿き込んでも平面的な色落ちになるケースが多いのですが、この個体もそれらに比べると色の濃淡があって、いわゆる“スーパーブラック”にも近い雰囲気が楽しめます。

ー現存しているシリーズとのことですが、他のシルエットがあるのかも気になります。

基本はすっきりストレートで、もう少しスリムシルエットのモデルもあるようです。カラーは今回、ブラックを紹介しますが、当然ブルージーンズもありますし、そのブルージーンズの中でも色の濃淡で違いがあったりとカラバリは色々と存在しているようなので、気になる人は本国の公式サイトをご覧ください。

ー細めのストレートでブラック。これが正解かもしれませんね。

〈ラングラー〉のブラックジーンズは流通しているタマ数も多いですし、レギュラー古着の範疇でいうと不動の定番ポジション。その中にあって、いまだ日の目を見ていないという点で「テキサス ストレッチ」のブラックを選ぶのは大いにアリです。それに細めといっても、大人が履けるレギュラーストレートという感じなので、気張らず穿けますしね。

ー何だかおもしろそうなシリーズなのに、日本のセレクトショップなどで「テキサス ストレッチ」を推しているのを見かけた覚えがないような…。

そうなんです。理由として考えられるのは「今のトレンド的にタイトなシルエットが人気ではない」というのと、洗濯タグにトルコ製と記されていることから推察するにユーロ企画だからなのではないかなと。そうなると、アメリカやアジアで買い付けをしているショップが多いため「そもそも仕入れる機会自体がない」っていう可能性も。

ーたしかに。

それにこの辺の年代のレギュラーをわざわざ探して仕入れるくらいなら、80年代〜90年代のモデルを入れた方が需要もありますしね(笑)。ただ近年、サブレーベルの「ラスラー(RUSTLER)」が評価されているように、これまで誰も注目していなかったアイテムが日の目を見る可能性も。何はともあれ、ビギナーがウエスタンをファッションとして取り入れるのには、良い塩梅のアイテムだと思いますので、ぜひお試しを!

望月貴太 / 197 オーナー
世田谷の人気セレクトショップ「fridge」から独立し、2023年から古着屋として活動を開始。2025年4月5日に「197」の屋号で実店舗オープン。場所は246沿いの三軒茶屋と駒沢の間くらい。入り口も分かりにくい雑居ビル4階。ヒッピーとウエスタンを軸としたアイテムが所狭しと詰め込まれた5畳半のスペースでお出迎え。営業は週末のみ、平日はアポイント制。オープン日は公式インスタグラムからチェック!
インスタグラム:@197_tokyo

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