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【湘南国際マラソンへの道2022】VOL.3 「マイボトル」を通して見えたマラソンの新しい景色とは? 大会当日の模様をレポート!

当日は絶好のマラソン日和!

2022年12月4日、「第17回 湘南国際マラソン」が開催されました。2019年12月の第14回大会以来、3年ぶりの開催となる今大会。当日の湘南エリアは気持ちのいい青空が広がり、絶好のマラソン日和となりました。

種目は「フルマラソン」「ファンラン10キロ」「ファンラン2キロ」「ラン&ウォーク1.4キロ」の4つが用意され、出走者は全種目あわせて約1万7000人。フイナム ランニング クラブ♡のメンバーはフルマラソンの部に参加しました。

メンバーはこちらの4名。左から、フイナム副編集長の山本博史、「ザ・ノース・フェイス スフィア」スタッフの矢吹沙樹さん、フイナム編集の柴山英樹、ライターの榎本一生。

今大会に対するモチベーションは人それぞれ。山本と榎本は特に目標タイムなどは設定せず、楽しみながらマイペースで走ることに。10月の横浜マラソンを3時間49分で完走した俊足の矢吹さんは、今回は抑え気味に走りながらもサブ4(4時間切り)は達成したいとのこと。柴山は数年ぶりのフルマラソンということで気合十分、自己ベストの更新およびサブ3.5(3時間半切り)という高い目標を掲げました。はてさてどうなることやら。

「マイボトル必携」という新ルール。

今大会の大きな特徴は「マイボトル必携」という新ルールが導入されたこと。紙コップによる給水は用意されず、ランナーは満水にしたマイボトル(400㎖以上)を携帯してスタートし、コース上に用意された給水ポイントで自ら給水をおこないます。

そのようなルールを設けた狙いは、これまでのマラソンで課題となっていたゴミを削減すること。以前の「湘南国際マラソン」では3万1500本のペットボトルと50万個の使い捨てカップが用意されていましたが、今大会ではそれらが全廃されます。

スタート前、会場に設けられた給水ブースでマイボトルに水を注ぐ榎本。マイボトルを持って走り、ランナー自らが給水するのはトレイルランのレースでは当たり前のことですが、ロードのフルマラソンでは前例のない試みとなります。

また、必携品のマイボトルのほか、スポーツドリンクなどのお楽しみドリンクのためにマイカップの携帯も推奨されました。

風光明媚な湘南の海沿いを駆け抜ける!

朝9時に号砲が鳴り、いざスタート!

周囲を見渡すと、トレイルラン用のザックを背負っているランナーが数多くいたほか、ベルト型のバッグを腰に巻いているランナーもちらほらと。それぞれが思い思いのスタイルでマイボトルやマイカップを持ち歩いていました。

フルマラソンの部のコースはこちら。

西湘バイパス大磯西ICから国道134号線を東へ向かい、19.2キロ地点の江ノ島入り口で1回目の折り返し。その後は来た道を戻りつつ、フィニッシュ地点のすぐ横を通り過ぎてからさらに進んで39.6キロ地点の西湘バイパス西宮ICで2回目の折り返しがあり、大磯プリンスホテルでフィニッシュする42.195キロです。

コースマップからわかるように、「湘南国際マラソン」はほぼ海沿いの道を走ります。美しい湘南の海を眺めながら走ることができるのは、この大会の大きな魅力のひとつです。

コース上からは冠雪した富士山も望むことができました。

「紙コップの散乱がない」という新しい景色。

紙コップによる給水が用意されず、ランナーが持参したマイボトルやマイカップに自ら給水を行う今大会。給水ポイントはコース上に200ヶ所以上、平均200メートルおきに設けられました。

レース中、マイボトルに水を補充する矢吹さん。最近はトレイルランにもハマっているとのことで、マイボトルの扱いは手慣れたもの。

給水ポイントでは水のほか、スポーツドリンク、麦茶、カルピスが用意されていました。

ザックに収納したマイカップにスポーツドリンクを注ぐ山本。「給水ポイントがだいたい200mおきにあることは事前に聞いていましたが、体感的にはそれよりも間隔が短く感じたかも。混雑や行列もなく、ストレスなく給水できました」とは山本の弁。

給水ポイント付近の路上に、紙コップのゴミが散乱していない。これは「マイボトル必携」という新ルールを導入したからこそ実現した、マラソンの新しい景色といえるでしょう。

エイドステーションの補給食も充実。熱中タブレット、バナナ、エナジージェルといった一般的な補給食のほか、湘南名物の釜揚げしらすや、個包装のういろうといったユニークなものも用意されていました。

いざフィニッシュゲートへ!

江ノ島入り口の折返し後は来た道を戻り、しばらく進んでから西湘バイパスに入ると、大磯プリンスホテルに設けられたフィニッシュゲートが右手に見えてきます。

フィニッシュゲートがすぐそこに見えているのに、通り過ぎるんかーい! と全ランナーが心の中でツッコミを入れたくなるポイントです。ここはまだ37キロ地点。あと5キロほど残っています。

さらに2.5キロほど進み、2回目の折返しを経て、ようやくフィニッシュゲートへ!

そしてフィニッシュ!

フイナム ランニング クラブ♡のメンバーは全員無事に完走することができました。結果は以下のとおり。

柴山英樹:3時間41分01秒
矢吹沙樹:4時間01分23秒
山本博史:4時間11分11秒
榎本一生:4時間23分49秒

サブ3.5を狙うと息巻いていた柴山は、前半はキロ5分ペースで快走していたものの、30km付近であえなく失速。目標には10分ほど及びませんでした。矢吹さんもサブ4は達成できなかったものの、なかなかの好タイムです。山本と榎本は終始マイペースをキープ。大きく崩れることなく淡々と42.195キロの道のりを走り切りました。

マイボトル・マラソン、どうだった?

初の試みとなったマイボトル・マラソン。実際に走ってみて、なにを思い、どんなことを感じたのか? メンバーを代表して、フイナムの柴山と、ザ・ノース・フェイス スフィアの矢吹さんに感想を聞いてみました。

「まずは一言。フルマラソンってやっぱりキツいですね、、(笑)。サブ3.5を達成できなかったのは悔しいですが、次こそは! というモチベーションに繋がりました。そして、新ルールであるマイボトルの携帯について。約200m単位で給水スポットがあったのにも関わらず、レース中はゴミを見ることがありませんでした。

これって、いままでのレースだったらまず考えられないことで、そうした新たなスタンダードをつくろうとしているゴールドウイン社、〈ザ・ノース・フェイス〉は流石だなと。ゴミを出さないフルマラソン、いまは新鮮に感じられても、これが徐々に当たり前になっていくんだろうなと思いました」(フイナム 柴山英樹)

「今大会のマイボトル・マラソン、凄く楽しかったです。当日は思ったより気温が高く、水不足にならないか正直ドキドキでした。大会が始まると、想像以上にジャグも多かったので、しっかり給水ができるし、自分のタイミングで飲めたので楽に走れました。ジャグもとても簡単で扱いやすかったです。マイボトルは想像以上にストレスなく走れるので、是非他の大会でも試してみてほしいと思います。

なにより、大会でよく目にする紙コップ、ゴミの散乱がない光景が素晴らしくて、走りながら凄く感動しました。1人でも多くの方に環境を考えるきっかけになって欲しいですし、マイボトルマラソンの楽しさを広めていきたいと思う大会でした」(ザ・ノース・フェイス スフィア 矢吹沙樹さん)

ランナーにとっても主催者にとっても初めての経験となった「マイボトル・マラソン」は、こうして幕を閉じました。3回にわたってお届けしてきた「湘南国際マラソンへの道2022」もこれにて終了となります。

マイボトルを持って走るという、かつてないマラソン体験を通じてさまざまなことを考えさせられた今回の「湘南国際マラソン」。これまで当たり前と思っていた紙コップによる給水は、実は当たり前ではなかった。そして、トレイルランのレースのようにマイボトルを持ち、自ら給水しても、フルマラソンを走るうえでなんら支障はない。そんな気付きや学びが得られたことこそ、今大会に参加したことの最大の収穫かもしれません。

Text_Issey Enomoto

INFORMATION

第17回 湘南国際マラソン

公式サイト

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