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連載【MONTHLY CCC SESSION】 VOL.5 朝倉秀樹(hobo) 「繋がりと共感によって生まれた、カプセルコレクション」

デザイナーを公表しないアノニマスなブランドでありながら、着実にその存在感を高めている〈シティー カントリー シティー(City Country City)〉。そんなブランドの実態を探るべく、設立当初から親交の深いクリエイターたちへのインタビューを行う連載企画。謎のブランドの気になる中身を、あらゆる角度から迫っていきます。

今回は、〈シティー カントリー シティ〉とのコラボアイテムを発表した〈ホーボー(hobo)〉の朝倉秀樹さんが登場。意外な組み合わせによるカプセルコレクションは、如何にして生まれたのか? アイテムの魅力と共に、その裏側にあるストーリーを語ってもらいます。


カテゴライズされることなく、多くのひとに届くブランド。

ー朝倉さんと〈シティー カントリー シティー〉のつながりを教えてください。

朝倉:すごく古い仲というわけではないんですけど、ブランドのひとと飲み友達みたいな感じなんですよ(笑)。ただ、お互いずっと同じ業界にいるので、存在は知っていましたが。

ーブランドに対してどんな印象をお持ちですか?

朝倉:90年代の影響がすごく強いブランドだなぁというのは、ずっと思っていますね。それがいまのストリートのムードにしっかりとハマっている印象です。だからアノニマスなブランドであるにも関わらず、支持を得ているんじゃないかと。

ー匿名性を保ったブランドのアプローチに対しては、どんなことを思いますか。

朝倉:単純におしゃれだなと思いますね。90年代当時はファクトリーブランドとかがたくさんあって、デザイナーは不在だけれど、ものすごくいいものづくりをしていました。〈CCC〉にもそういう感覚に近いものを感じるというか。自分たちはデザイナーとして前に立ってやっていますが、そうじゃないブランドに対して、おもしろいことをやっているなってシンプルに感じちゃうんですよ。

ーデザイナーのアイデンティティが不在だからこそ、先入観なくアイテムを見られるというのもあるんでしょうか?

朝倉:それもありますね。だからカテゴライズされることなく、多くのひとに届くのだと思います。あとは単純に「このブランド、なんだろう?」っていう疑問も植え付けられますよね。だからこそ、気になるっていう。

原型は同じでも、ひとつ手を加えるだけで全然違うアプローチができる。

ー今回のカプセルコレクションは、どういった経緯で生まれたんですか?

朝倉:ブランドのひとが〈ホーボー〉の展示会に来てくれたんですよ。それでオーダーしてくれたアイテムを気に入って使ってくれて。

ーコラボアイテムの原型となるウエストポーチですよね。

こちらが個人的に刺繍を入れた〈ホーボー〉のウエストポーチ。今回のコラボアイテムは縫製の始末をアップデートしている。収納部の内側にパイピングを施すなど、見えない部分にもこだわることで、よりクオリティの高いアイテムに仕上がっている。

朝倉:そうですね。あるとき電話がかかってきて、「オーダーしたウエストポーチに、個人的に刺繍を入れていい?」ってわざわざ聞いてきてくれて。それで出来上がったものを見たら、〈シティー カントリー シティー〉のスタイルにもハマっているなって、ぼく自身も思ったんですよ。

ーそれをブランドのヴィジュアルにも使用したところ、商品ではないのに反響がものすごくあったようです。

朝倉:それが今回コラボするに至ったきっかけですね。ぼくらが舵を切っている方向性とは真逆の世界観を〈シティー カントリー シティー〉は築き上げていて、それがおもしろいなって思ったんです。原型となるモデルは同じでも、ひとつ手を加えるだけで全然違うアプローチができる。それは〈ホーボー〉にとってもプラスになると感じたんです。

高い加工技術による特殊加工糸を使用した摩擦に強いナイロンを採用。糸の太さはあえてランダムに設定し、そこから生まれる陰影によってヴィンテージライクな表情に仕上がっている。
〈City Country City×hobo〉Everyday Waist Pouch Nylon Oxford For City Country City 各¥13,750

ーそのアイテムをベースに、小さなナイロンケースと、キーリングもプラスしたカプセルコレクションをつくったわけですね。

朝倉:〈シティー カントリー シティー〉が築き上げている人物像って、あまりモノを持たないんじゃないかと勝手に思ってて。ぼくの中ではほぼ手ぶらのイメージなんですよ。それだったら、“手ぶらで動き回りたい”をコンセプトに最低限の荷物が収納できればいいかなと。サイフ、鍵、携帯がコンパクトに収納できて、服に干渉しないサイズ感でやりたいなということで、結果的に生まれたのがこの必需品をコンパクトに持ち運べるギア3型なんです。

ー朝倉さんは普段から、ひとと会うときにどんなバッグを持っているかなど気にされているんですか?

朝倉:気にしますね。もちろん鞄だけじゃなくて、そのひとのスタイル全体を見ています。それがデザインのアイデアになることもあるので。

ファスナーを開くと、2層構造になっているマルチケース。財布としてはもちろん、細々とした小さなものを整理するのにも役立つ。旅行先などでも便利なアイテム。
〈City Country City×hobo〉Everyday Zip Case Nylon Oxford For City Country City ¥7,700

鍵やイヤホンなどを持ち歩くのに便利なキーリングは、レザーのパーツがアクセントに。さりげなく〈CCC〉の刻印がされている。
〈City Country City×hobo〉Everyday Carabiner Chain Key Ring Brass For City Country City ¥8,250

ーブラックに加えて、サックスブルーとオレンジがラインナップしていますが、この色に意味はあるのでしょうか?

朝倉:ニューヨークのクラブシーンの立役者であるデヴィッド・マンキューソが主催していた「The Loft」というパーティからインスピレーションされています。これは〈シティー カントリー シティー〉からのリクエストですね。

ーレザーのパーツもアクセントになっていますよね。

朝倉:普通のブランドならナイロンで完結させると思うんですけど、〈ホーボー〉ではレザーもよく使っていて。それは負担のかかる部分への補強の意味でもあるんですが、結果的にそれがアクセントであったり、装飾にもつながればいいなと思ってますね。このファスナーの引き手ですが、フリンジのようにあえて垂れるようにデザインして、アイテムの印象が単一的にならないようにしています。

ー〈ホーボー〉は過去にもいろんなブランドとコラボレーションをしてきましたが、その決め手となるの基準はどんなところにあるのでしょうか?

朝倉:やっぱり自分が実際に使っていて、気に入っているとか、ひととの繋がりがあるとか、そういうことが大事だなと思ってます。なにもないところ突発的に何かを生み出すというのは、当たり前だけど難しいことなので。

〈シティー カントリー シティー〉の場合も、やっぱりひととの繋がりがあってこそ生まれたものなんですよ。ただ、それが誰でもいいわけではなくて。関わりがあって、自分もそこに共感するからこそ、いいものが生まれるんじゃないかなと。そう思ってますね。

ー最後に、今後〈シティー カントリー シティー〉に期待することはありますか?

朝倉:もっともっとブランドを大きくしていってほしいですね。こうやって一緒にアイテムをつくれたのもなにかの縁だし、陰ながら応援しています。

朝倉秀樹 / hobo デザイナー
1976年生まれ。セレクトショップ「ネペンテス」にて販売や企画を務める。同社を退社後、2005年に〈hobo〉のデザイナーに就任。バッグを筆頭にアクセサリーやフットウェアなど、毎シーズンさまざまなプロダクトをデザインしている。
Instagram:@hidekiasakura

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