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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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サヴァ?

2009.04.08

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 代官山の隆盛を語るにおいて忘れてはならない通りがある。キャッスルストリート。ぼくが初めて代官山にオフィスを開いたのが94年。もうその頃には繁栄の兆しというものが見え始め、2000年の夏代官山アドレスがオープンしたと同時に栄華を極めました。

 デタントや古着のヴォイス、リフト、練り物の紀文がプロデュースしたカフェやなんやかんやと喧しい時期もありました。

 それがいまや無惨なことに。人通りも激減し、テナント募集の看板が寂しげに揺れています。どうしてこんなことになっちゃったのか。答えは明らか。家賃が高騰しすぎたからです。もはや代官山に昔の活気を取り戻すには、アドレスバブル以前の家賃に戻さないとムリです。そもそも東京のオーバーストア(店あり過ぎ)というのも片方で大きな理由でしょう。いずれにせよ、商業地域として再生するには地権者さんたちの叡智が求められています。いやもう商業はこりごり。昔ながらの住宅街に戻したいというなら別ですが。それはそれでさらなる叡智が必要でしょう。

 なんでこんな話かというと昨日、悲しい知らせが届いたからです。

 キャッスルマンションの一階にあるバー"サヴァ"が23年間の歴史に幕を下ろし、この5月末を持ってして閉店するというのです。閉店の理由は聞いてませんが、何かまた代官山の良心というべきお店がなくなるのは寂しさを通り越して心が痛い。時代の流れといわれればそれまでですが、割り切れないものを感じます。

 オーナーの伊藤さんはここ数年マラソンに明け暮れ、健康状態は良好のはず。この店には出版関係者、広告代理店関係者などのマスコミ関係の顧客が多く、かなり筋のいい店でした。やはりこの不況と代官山不人気の影響があるのかしら。

 このバーの白眉はジントニック。このお店以上に美味しいジントニックは飲んだことがありません。ぼくはバーではシングルモルトを飲むことが多いのですが、この店ではまずジントニックです。もう日数もないのでこれを読んだ方で興味にある方はぜひお店に行ってみてください。

 ああ、本当に残念。ぼくもこれから閉店までできるだけ通いたいと思います。

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