4ヶ月 - 代官山通信（蔡 俊行）

　関東地方の梅雨があけたことを昨日まで知らなかった。どうりで暑いわけだ。関東で７月上旬の梅雨明けというのはきっと珍しいのではないだろうか。記憶にない。ただの物忘れかも知れないが。

　今日もそうだが、昨日なんてプール日和、海日和であった。梅雨が早くあけたせいで、今年の夏はナイスな夏である。プールや海水浴場や海の家はウッハウッハなはずである。

　しかし昨日娘に聞いたところによると例年の学校行事である館山合宿が61周年の今年はじめて中止となったそうである。代わりに学校のプールを使った小さな合宿に変更になったと。学生たちはそれを聞いてみんな泣いたそうだ。

　今日でちょうどあの地震から4ヶ月。原発の近くで生活されている方たちや、その周りの北関東地方の方たちはもっと不便な生活を送っていることは知っている。しかし東京の外れにあるこんな小さな学校の行事まで影響下にあるということをここに記録として記しておきたい。たぶんこんなことは大事の前には取るに足らないこと、と多くの人は考えるだろう。しかし子供たちにとっての一生の中で二度と手に入らない輝やける時間を奪い取られたのである。

　台風などの天災によるものなら諦めるしかない。しかしこれは人災なのだ。