小径逍遥、再び。
青野賢一
ビームス クリエイティブディレクター / ビームス レコーズ ディレクター
「ビームス創造研究所」所属。選曲・DJ業、執筆業。音楽、ファッション、文学、映画、アートを繋ぐ。
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No.23 書けない話、あるいは何でもない話
2011.06.08
先日、ちょっと久しぶりに文筆家の五所純子さんと会った。
会った、と言っても15分程度の立ち話だったのだが、
2日程前に彼女がやったマンスリー批評イベントの話などから始まり、
ここ最近のことについて会話を交わした。
短時間だったけれども、その分密度の濃い時間だったし、
何より、同じような心持ちで
この数ヶ月を過ごしていたことが分かったのはよかった。
ここ数ヶ月、請われて書いた文章はあるが、
そうでないものは、どうも書けない。筆が進まない。
単なる無気力とか、そういうことではなく。
何か、書き記した言葉がどうも自分にとって嘘っぽく響いてしまうのだ。
だから書けない。
今は、この事実と向き合ってやっていくのが
一番正直なところではないだろうか。
この数日前、所用で新宿に行った際、
遅い昼食をと思い、フラフラと歩いていたら
一軒の古めかしい鰻屋が目に入ってきたので、
暖簾をくぐることにした。
初夏らしい日差しが差し込む店内には
店主と女中さん。
カウンターでひとり鰻を食べながら、
鰻はやはり夏の食べ物だと思った。
昼間の強い光と、蝉の声とがあると尚いい。
こういう感覚に正直でありたいものである。
ひとまずはこのあたりの気持ちを素直に書こうと思う。
>カウンターでひとり鰻を食べながら、
>鰻はやはり夏の食べ物だと思った。
>昼間の強い光と、蝉の声とがあると尚いい。
この感覚、強く共感!
コメントありがとうございます!
味覚や聴覚、視覚は正直だと思いました。
今後ともよろしくお願いします。