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Vol.2 井原知一×内坂庸夫 トレイルランニングにまつわる往古来今。
MONTHLY JOURNAL Nov. 2021
Let’s Trail Running The Mountain Together!!

Vol.2 井原知一×内坂庸夫 トレイルランニングにまつわる往古来今。

インディペンデントな国産メーカーが数多く生まれ、若手アスリートの台頭、はたまたフィットネス女子の参入など、着実に人口を伸ばしてきたトレイルランニング。コンペディティブな競技として、山のアクティビティの1つとして、はたまたただの遊びとして、トレイルランニングは今後どのように発展を遂げるべきなのか。黎明期からシーンを見守ってきた編集者の内坂庸夫さんと、日本を代表するトレイルランナー・井原知一さんの対談から探る、トレイルランニングの過去・現在・未来。

個性を主張できるだけの選択肢ができてきた。

ー 今はどんな人がかっこいいんですかね?

井原:ぼくには笑いながら過酷なことをやっている姿がかっこいよく見えますね。スタイル的にはどうですかね、いろんなファッションがあるので、みんなかっこいいですけど、ぼくは〈アンサー4〉というブランドからサポートされていますが、大手メーカーがやらないようなところを押さえている感じ。〈アンダーカバー〉とか、裏原宿的なイメージがあるブランドですね。

ー マスプロダクトだけの選択肢ではなくなってきていて、個性を出せる時代になってきたって感じですかね。

内坂:トレイルランニングに必要な装備、その機能については、もうみんな解っている。もちろん供給するメーカーもよく解っているので機能や値段はだいたい各メーカーが近い線で出してくる。そうなると色とか、シルエットってことになってくと思うんですよ。で、さらに、井原さんのようにガレージブランドの〈アンサー4〉とかね。言ってみればキャラクターを着ているわけじゃないですか。メーカーのブランドの戦略に踊らされずに、自分の色とか自分の形を選ぶ人たちがきているんじゃないかな。

ー 人とかぶらない変わったウェアを着たいからガレージブランドを着るのは、ちょっと前までオシャレだったかもしれないけど、みんながガレージブランドを着だすと、また人とかぶっちゃう感じがしないですか? 

井原:ありますね。これって世の中のファッションも同じですよね。昔、ジーンズが流行ったら、みんなジーンズを穿き始めるみたいな。どこ行くんですかね?

内坂:井原さんがアロハシャツを着て走れば、翌年にはみんなアロハシャツを着て走るようになるよ(笑)。初心者は装備のこととか服のこととか、どのくらいのものが必要なのかわからないから、お店の人や先輩のいうことを聞かないといけないけれど、そこそこの経験者であれば自分のスタイルをつくれるよね。だから、もしかしたらガレージブランドに飽きちゃったから大きなブランドに戻りましょうとかね。それは逆にぐるぐる回っていくんじゃないかな。面白いと思うな、そういうのは。

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