01 COMME des GARÇONS HOMME PLUS コム デ ギャルソン・オム プリュス


ショーはコンクリート剥き出しの無機質な空間に細長いランウェーを設置して行われた。
現代に現れたパンクな道化師。
2年半ぶりにパリの舞台に戻ってきた〈コム デ ギャルソン・オム プリュス〉。ショーの会場はパリの中心地、オペラのカプシーヌ通り添いの建物の2階。コンクリート剥き出しの伽藍堂になったスペースの窓を自然光が入らないように黒い板で覆い、長細いL字のランウェーを空間の中央に配置しただけという極シンプルな演出のなかで行われました。コレクションのテーマは「ANOTHER KIND OF PUNK」。中世の時代、主君にアドバイスを送る役目を担った道化師をモチーフに描いた内容で、道化師という通り、見るものを嘲笑うかのようなお面、そして鶏冠のようなカツラを被ったモデルたちが次々登場。このお面はなんとロンドンで手に入れたという100年くらい前のもので、コレクションに妙な説得力と深みを与えていました。パニエで裾を広げたようなコート、ゆったりしたサルエルパンツ、ひだ飾りで誇張したジャケットなど、ジェンダーをも超越するような服の数々は、圧倒的な迫力と強さを備えているように感じます。画一的なファッションが時代を支配するなかでいま、〈コム デ ギャルソン・オム プリュス〉の存在感は明らかに際立っています。