10 Paul Smith ポール・スミス
冴え渡るデザインセンス。
今回のファッションウィークのカレンダーに名を連ねる80以上のブランドのなかでも、40年以上同一のデザイナーが手掛けるブランドは僅か3つ。川久保玲の〈コム デ ギャルソン・オム プリュス〉、山本耀司の〈ヨウジヤマモト〉、そして2020年に創業50周年を迎えた〈ポール・スミス〉。これらのブランドに共通するのは、唯一無二のスタイルと時代の流れに左右されない絶対的なクリエーションを持っているところ。デザイナーのポール・スミスはかつてクラシック一辺倒だったメンズファッションの世界にユーモアを持ち込んだ張本人であり、彼の得意とするテーラリングは錆びるどころかより一層冴えているように感じます。そんなことを今回のショーを観て感じました。コレクションのテーマは「真夏のロンドンで過ごしたギャラリー巡りの1日」。ポール・スミスの見た景色が、躍動感のある色使い、そして絵画のように仕上げられたプリントとして服に落とし込まれています。なかにはハンドペイント、スプレーペイント、スクリーンプリントを組み合わせた手の込んだグラフィックも。デザインの骨格がしっかりしているからこそつくれる、大人のカジュアルスタイル。 〈ポール・スミス〉のデザインの妙味をたっぷり堪能できる内容でした。
パリ飯 03
超クセになる牛鍋!