無神論 - 代官山通信（蔡 俊行）

　民主党が政権を取ってからおよそ1ヶ月半。なかなか面白いです。

　その公約であった高速道路無料化ですが、識者の評判がすこぶる悪い。渋滞をさらに助長させるだの、環境保護に逆行するだのという主張。確かにそうかも知れません。しかしぼくはこの高速道路無料化、賛成なんですよね。批判を浴びるかも知れませんが、一個人の意見ですから見逃してください。

　渋滞なんて本当にひどければ、もうクルマ使わなくなりますよ。人の行動は、心地よい方に収斂していくわけですから、渋滞が酷くなるというのは一時のことだと思うんですがね。

　環境負担に限って言えば、すでにそのクルマを売っているのにそれを使うのはけしからんって一体何の話でしょう。無料化はいかん、というのならクルマの生産量の規制や、登録から10年以上経ったクルマの車検を認めないとかしてクルマ減らすのが先なのではないでしょうか？　論点がすり替わっています。

確かに膨れあがった借金の返済とかどうすんの？　と言われればぼくにアイデアはありません。詳しく知らないので。官僚がきちんと説明してくれれば、何か閃くかも知れませんが。

　そもそも無料化の最大の目的は、収入を分配している既得権益者からその既得権を奪うということでしょう。既得権を奪って、関連会社を掃除した後であればまた高速料を払ってもいいと思います。

　どこに着地するか見えませんが、非常に興味深い。

　着地といえば飛行機ですね。いま話題の羽田空港のハブ化。あの大臣のコメントは、ちょっと大人げないですね。正直すぎるというか。ダムの時も思いましたが、言い方、というのがあると思うんですよね。横柄とかそういうんじゃなくて、慇懃無礼というかなんというか。相手の気持ちをあまり考えてないような。

　羽田の問題もハブ化なんて風呂敷を広げないで、羽田での国際線利用を認可する方向で、とか言っとけばいいんですよ。そうすれば自然と羽田空港はハブ化します。放っておいても向こうから来る。GDP世界2位の国の都心から近くて、便利。世界中の航空会社が並んでお参りしますよ。

　じゃあ、成田や関空はどうすんのかという問題もあると思いますが、どの経営者も投資したお金がもったいないからといって、可能性の薄い事業に追い銭を使うのは愚挙というはずです。歴史や人々の感情的な事を考えると軽挙は控えるべきですが、人間ですから話合えば分かり合えると思います。大臣にその気があるのかどうかは分かりませんが。ダムもこじれてるし。

　いずれにせよ、自民党政権時では盛り上がらなかった政治への関心がそこここでブレイクしているようです。それだけでもこの度の政権交代の価値はあったと思います。

　あとは自民党が早く立ち直って、民主の政権を脅かす存在になってくれればすこしはマシになるかも知れませんね、この国も。

　ちなみにぼくは両方とも応援しませんが。そういえば昔ウチは赤旗取ってました。いまは無き父はどちらかというと共産主義者です。マルクス・レーニン主義。ぼくも子供の頃は社会主義、共産主義がユートピアと信じていたくらいですから。

いまはもう何も信じません。神も民主も自民もマルクスも。