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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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サロマ湖で思い切り泣いてみたい

2010.07.01

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 またサッカーの話から。

 パラグアイ戦後の選手の涙を見ながら、心から羨ましいなと感じた。あそこまで真摯に真剣に取り組んで、結果は中途とはいえ、達成感と悔しさを露わに泣けることを。こういうことは平凡な人生にはあまりないことである。そういう意味でスポーツはいい。何ヶ月もかけて練習し準備を整え試合に臨む。勝てば勝ったことによるカタルシス、負けたら何らかの教訓をそこから得られる。勝っても負けても泣けるというのは、その準備期間とその内容と比例するのではないだろうか。

 自分の人生でそういうことが何度あったかななんて記憶をたどる。学生時代にはそれなりのスポーツ経験はあったけれど、当時あまり真剣ではなかった、試合に負けてもただ悔しいだけで、涙するなんてことはない。

 そういうので泣いたのは、初めて走ったフルマラソンだ。10年前にNYに住む友人と前年に亡くなった友人の弔いのようなきっかけで出た大会である。

 練習という練習をほとんどせず、正直なめてかかった。普段やってるサッカーの体力維持のために月に何度か走っていたので基礎体力はあったつもりである。30kmまで順調にピッチを刻んでいった。しかし巷間言われる魔の30km過ぎぎだ。そこから足がもういうことを聞かない。足の筋肉は痛いのはもちろん、腕や肩まで痛くなり、残り10kmはほとんど歩いた。この10kmが辛い。ゴールの2kmほど前にある山登りは苦行以外の何者でもなかった。

 登り終え、下りになったところからまたゆっくりでもいいから走ろうと考えていた。しかし足はやっぱり言うことを聞いてくれない。

それでもゴールが見えた最後の300mくらいはなんとかジョグができた。声援もさることながら、ゴールゲートをくぐればもう終わりだという火事場の力のようなものがアドレナリンとして分泌したのだろう。

 そしてゴール。号泣とまではいかないが、達成感と開放感で鼻の奥がつーんとなった。正直、もうこりごりだと思った。ホテルに戻りプールサイドのベッドでくつろぎながら友人ともう来年はないななんて囁いていた。

 しかし結局その翌年と一年置いてその翌年の3度もフルマラソンを走った。回を追う毎にタイムはぐんぐん伸びていったけど、ゴールをしても鼻の奥に感じるものは何もなかった。

 先週の日曜日、北海道のサロマ湖畔で恒例の100kmマラソンがあった。この大会に出続けている知人がいる。

 昨夜その様子を取材しにいったのだが、100kmマラソンはやはり違う。フルマラソンを2回走ってもまだ足らない想像を絶する距離。それを13時間以内に完走しなくてはならない。

 知人の練習メニューを聞いてちょっとあ然となった。世田谷の自宅から皇居まで走り、さらに2周して自宅まで戻るというようなことをやっているという。つまり普段から30~40km走を普通にこなしているのだ。それ以外でも週に2~3回10km走を行っているという。大変な練習量である。

 さいさんも来年は一緒に出ましょうなんて誘われたが、ちょっと返答に困った。興味は無くはないが、そこまで練習できるだろうか。

 しかし彼も言っていたが、ゴール時にはほとんどの人が号泣しているという。もうあの開放感は一度味わわなくては分からないとまで。

 確かにそういう涙を流してみたいなんて気持ちはある。冒頭に書いてあるとおり。しかしそんな爽やかな涙を流すのが目的で100km走るというのもなんともマヌケは気がしたり。

 どうしようか。いずれにせよ来年のこの時期までしっかり準備はしようと思う。もしかしてちょうどその頃、仕事が忙しいかも知れないし、何か突発的な事件や事故があって参加が無理かもしれない。

 学生時代、走るのがもっとも苦手で中・遠距離走をサボっていた自分がこんな風になるなんて。人生どこでどう間違ってしまったんだろう。

Comment: 1

来年、蔡さんも一緒に出ましょうよ!!!

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