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西原さん
2010.07.07
富と人情というものは反比例するのかも。でも底辺から成り上がった人というのは、情に厚かったりする。2代目、3代目はもうダメですね。政治家の話ではなくて。
先日、西原理恵子さんの担当編集の方と出会った。ぼくが37度くらいの熱を持つ読者であることを伝えたら本を送ってくれた。この場を借りてありがとう。
平熱を超えるくらいの熱さを持っている割にはこうした単行本や文庫をほとんど持っていない。作品は大体連載中の作品を週刊誌やマンガ誌で読んでいる。「恨ミシュラン」や「毎日かあさん」や「できるかなシリーズ」も好きだったけど、スピリッツに連載していた「ぼくんち」が白眉だった。人情ものと言うと日本人なら寅さんを思い出すが、地方の底辺な人情を描かせるとこの人の右に出る叙情作家はいない。表現形態に限らず。
この度「パーマネント野ばら」を読んだ。「ぼくんち」に繋がる底辺でギリギリ息をしている人々を描いている。こういうのはどうにも心に響くなあ。自分の出自や生まれ育った環境、そういうことを思い出すのかも知れない。
しかし本当に水面ギリギリのところで、薄い空気を吸って生活している人たちは、こういう本を手に取らない。読者のほとんどが対岸から見ている人たちだろう。そんなことを考えると軽々しくいいとかなんとか言えたもんではないなとも思う。ぼくは政治家じゃないので人々の暮らしをどうするということを考える立場にない。そんなことを考えた。
ヤンキー、シンナー、やりまん、ヒリピン。もはや昭和な風景かもしれない。でもまだ地方にはそんな昭和が残っている。無責任だけどそういうのって無くならないで欲しい、とも思う。
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