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FEATURE
羊文学・塩塚モエカと音楽放談。
MONTHLY NISHIMOTO IS THE MOUTH

羊文学・塩塚モエカと音楽放談。

〈NISHIMOTO IS THE MOUTH〉を主宰する西本克利による連載企画。今回は彼が大ファンだと語る羊文学・塩塚モエカさんがゲスト。新しいアルバム『our hope』の話題はもちろん、羊文学について西本さんが深掘り。音楽という地平線を眺めなら自由に語り合ってもらいました。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Hiroshi Yamamoto
  • Special Thanks_drink & mood mou

人と繋がっていないと心って動かない。

西本:そういえば、前にライブに行ったときにおじさんが急に踊りだしたんですよ、「曖昧でいいよ」を演奏しているときに。後輩と一緒に観に行ったんですけど、曖昧でいいよおじさんってぼくらは名付けて(笑)。超テンション上がってて。ぼくらも踊りたかったんですけど、左耳をやられてて踊れなかったですね(笑)。

塩塚:それはやばいです(笑)。コロナでお客さんは声を出せないから、制限がある中でも自由に楽しんでいただけてるのはすごくうれしいですね。私はライブとか行くと踊っちゃうんですよ。

西本:クラブとかも行くんですか?

塩塚:クラブは行ったことなくて。オールナイトで遊ぶ体力がないというか…(苦笑)。だけど、行きたい気持ちはあるんです。都心に引っ越してきたらコロナが流行っちゃって。

西本:楽しいですけどね、クラブ。

塩塚:どういうところに行ったらいいですか?

西本:幡ヶ谷の「Forestlimit」とか、原宿の「bonobo」とか楽しいですよ。そういう小箱がいいなって。ライブハウスも小さいほうが楽しいし。自分たちが行ってた頃はモッシュが起こって、ケガしまくってるお客さんとかいっぱいいましたよ。

塩塚:大きいところで見るのもいいんですけど、やっぱり小さいライブハウスじゃないと出会えない音楽っていっぱいありますよね。

西本:あとは下北の「LIVE HAUS」とかも面白いイベントやってるし。アヴァンギャルドとか。

塩塚:自分たちが小さなライブハウスに出演してた頃は結構遊びに行ってて。下北の「BASEMENT BAR」とか、「THREE」によく出てたんですけど。そこで出会ったバンドもたくさんあって。もちろん大きな箱もすごく魅力的なんですけどね。

西本:コロナになってそういう場所へ遊びに行く機会は減っちゃいましたけど、それはそれで音楽との向き合い方を考えさせられたというか。自分は音楽つくっているわけじゃないけど、やっぱり大好きなんですよね。それが自分のブランドにもいいインスピレーションを与えてくれるときもありますし。

塩塚:音楽から服をつくることもあるんですか?

西本:ありますね。音楽とか、映画とか。あとは街歩いてて変わっている人がいると反応しちゃいますね。人間ってみんなそれぞれ変わった部分があると思ってて。そうゆうところを自分は見るようにしていますね。もちろんポジティブな意味で。自分もこういう容姿だから変わった人間だと思われるんですけど、そうゆうおもしろい人が寄ってくるんです。そういう人たちってみんなピースなんですよね。モエカちゃんはこれからやってみたいこととかあります?

塩塚:役者とか、お洋服のお仕事とか。自分たちが好きなモノやコトを、自分たちが好きな人と一緒にできたらいいなって。バンドの活動があってこそだとは思うんですけど、モデルとして呼んでいただいてお洋服を着る仕事もすごく好きだから。あとはソロとかも挑戦したいなって思ってて。まだまだ技術は足りないけどいろんなことをやりたいなって。

一応ミュージシャンですけど、自由になんでも自分の判断でできるわけではなかったり。たくさんの方が関わっていて、そこに対する悩みは常にありますね。自分ひとりだったら無気力なんですよ。だけどメンバーとかスタッフの方々に支えられているっていうのも感じていますし。

西本:ぼくも結構無気力ですよ。時間はたくさんあるのに、なにもやることないなっていうことが多くて。展示会前とかはいろいろ準備が大変だから忙しいんですけど、そうじゃないときは結構自由に過ごしてて。それこそ、そういうときに音楽に救われたりしますね。ミルクティー飲みながらタバコ吸って、音楽を聴いている時間がいちばん幸せだなって。

塩塚:超優雅ですね(笑)。

西本:最高ですよ。風邪とかひくと、健康が如何に幸せであるかを感じられるじゃないですか。日常のありがたみを感じるのがそういう瞬間なんですよ。

塩塚:最近書く仕事をしていて、思ったことがあるんです。そういう時間って義務じゃないから、それを楽しむっていうのは大切なんだけど、幸せを追い求めすぎると少し罪悪感が生まれたりするじゃないですか。それがなんだか不思議だなって。

西本:なにをしているときが一番楽しいですか?

塩塚:散歩ですかね。晴れた空とか大好きで。いいなって写真を撮ったりとか。あとは歌を唄うのが好きですね。幸せを感じます。そして、友達とか家族とか、大切な人といられるってすごく幸せだし大切なことだなって思いますね。学生の頃は学校が大嫌いだったけど、いまこの歳になってそういうことを感じられるようになりました。コロナ禍になって、人と繋がっていないと心って動かないなって。

西本:たしかにそうですね。ぼくも家にいても何も生まれないから、できる限り外に出たいなって思ってて。そうすれば誰かしらに会えるし。だけど、家にいる時間も好きで、そのバランスが大事かなって。

塩塚:私はボーッとしているときじゃないと曲がつくれないことに悩んでいたことがあったんですけど、本を読んでいてそれでいいんだと思ったことがあって。人間にはメインの神様とサブの神様がいて、創作っていうのはサブの神様の担当らしいんです。自分がボーッとしているときに別の次元で働いてくれている神様だから、そういうときにアイデアが浮かんだりするのはいいことらしいんですよ。

西本:ぼくも結構ボーッとしてますね。外でもボーッとしてます。だけど、思ってることはできる限り発信したいなと思ってますね。たとえば、「○○がしたい」っていう願望とか。サザエさんを見ていて、カツオかワカメちゃんが自分がやりたいことを発言してたら、それが叶うっていう回があって。アニメの世界ですけど、そうゆうのって現実でもあるんじゃないかなと思うんですよ。この対談もそうだったんですよ。モエカちゃんに会たいって言ってたら実現したから。

塩塚:そうなんですね(笑)。

西本:すこしでも希望があるならそれに賭けたいなって。なんでこんなにポジティブ人間になったのかわからないんですけどね(笑)。

塩塚:私もやりたいことは言っていったほうがいいって思ってて。演技とかもやりたいって言ってたらいつかチャンスが巡ってくると思うし。

西本:やっぱり役者やりたいんですね。

塩塚:映画が好きで。自分がやっている音楽はメインストリームの中心だとは思ってないから、もっといろんなところで私たちの活動を発信したいなと思ってて。それで演技とかモデルとかをやって、その界隈の人たちにも届けたいって思ってたんですけど、実際にそういうお仕事をしていると純粋に楽しいなぁって感じるようになってきたんです。

西本:素晴らしいことですね。

塩塚:現場の雰囲気とかも、バンドはバンドで空気感があるんですけど、それ以外のところでみんなで制作をするとか、フィーチャリングで楽曲をつくるときとか、自分にはこういう一面があったんだって発見があるんです。他のミュージシャンの方々に合わせてつくると、いろいろ学びがあったりして。だから基本的には音楽が中心だし、もっともっと極めたいという気持ちが根本にはあるんですけどね。

西本:音楽っていう軸がブレないのがいいですね。今日、じつは一個だけお願いがあって。

塩塚:なんですか?

西本:羊文学のレコード持ってきたんで、最後にサインもらっていいですか(笑)?

塩塚:いいですよ、もちろん(笑)。

西本:やった! ありがとうございます! またライブも遊びにいきたいですね。

塩塚:ぜひ来てください!

西本:今度はスピーカーの前じゃなければいいな(笑)。

INFORMATION

NISHIMOTO IS THE MOUTH

nishimotoisthemouth.com
Instagram:@k_nisimoto_

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