11 kolor カラー

ショーの開始前、会場全体がライティングで真っ青に。
アンバランスな美しさ。
毎回ギミックの効いた演出で観るものを驚かす〈カラー〉のコレクション。改めて振り返ると、最近ショーの形で発表したのは昨年秋。その時は、京急線の電車内とホームをランウェーに見立て、モデルたちを歩かせるという前代未聞のやり方で話題を集めました。5年ぶりにパリのショーに戻ってきた今回、会場に選んだのは「パレ・ド・トーキョー」。地下に広がるイベントスペースはブランドのアイコンカラーで照らされ、観客の期待感を高めていました。ライティングが通常の光に切り替わると同時にはじまったショーは、インサイドアウトや大胆な色の切り替え、フォルムの誇張など、ブランドを手掛ける阿部潤一ならではの実験的ともいえるデザインの数々が登場。服を解体し、再構築したような一見不完全にも見えるアイテム群はメンズ、ウィメンズ問わずどれもポップで、ファッションの自由さ、そして面白さをしっかり感じさせてくれました。ちなみに、ショー終了後は、はじまる前と同じランティングに。最後の最後まで演出にこだわっていたところにも〈カラー〉らしさが表れていました。